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幸福感を高めるために注意力を味方につけよう

前回の記事では、一年のはじまりということで、目標を叶えるための話をしました。
 
その中で、目標を叶えるには、「目標に注意を向け続ける」ことがポイントであるとお伝えしました。
人は注意が散りやすくできています。
そのため目標に注意を向け続けるには、意識で注意をコントロールするよりも環境の力を借りましょうと書きました。
その一つの方法として、「目標を紙に書き出して毎日眺める」と良いですよ、とつながるわけです。
 
今回は、同じメカニズムから幸せを感じるためには、「よい出来事に注意を向ける」ことがポイントになるという話をしたいと思います。
 
「スリー・グッド・シングス」という日記法も紹介しますのでぜひ最後までお付き合いください。
 
前回の記事『目標を叶えるために注意力を味方につけよう』も良ければご参照ください。

 
 

「スリー・グッド・シングス」は、3行だけ良かったことを書く日記法ですが、その説明の前に前回の記事のポイントだけふり返らせてください。
 
まず私たちの注意はそもそも散りやすいのです。

心理学者のティモシー・ウィルソンによると、私たちが受け取る情報量は無意識によるものが圧倒的に多く、意識的に注意を向けることができるのは、わずか0.0004%程度。

人の注意が散りやすくなったのは、進化の過程にあります。

原始の頃の狩猟採集生活では、忍び寄る外敵から身を守らなければいけませんでした。
「茂みのガサガサ」という音などに注意を奪われることで、外敵の存在に気づくことができました。
注意の奪われやすさは、生き延びる確率を高め、生存に有利な働きとして必要だったのです。

このようなメカニズムがあるならば、よい出来事も悪い出来事も経験する中で、私たちは意識的に注意を向ける出来事を選択できていない可能性が高いのです。
 
しかも上記のように生存のためには、良い事態よりも悪い事態(ネガティブなこと)の方に注意を向けるように進化してきたと考えられます。
 
そう考えると、日常の中で良い出来事も悪い出来事も大体均等に経験するでしょうけど、どうしてもネガティブな出来事に注意が向きやすくなるのです。
 
そのため、ポジティブなことに注意を向けるためには、工夫が必要になるのです。
 
 
そこで「スリー・グッド・シングス」。
この日記法は最近よく知られるようになりましたので、ご存知かもしれませんね。
 
寝る前に「その日にあった良いこと」を3つ書きます。
 
これだけです!
 
具体的に例えば、
「自分で淹れたコーヒーが美味しかった」
「いつもより仕事が1時間早く終わった」
「動画の猫がめちゃくちゃかわいかった」
 
ちょっとしたことでよいので、少しでも自分が良かったと思えることを1行ずつ3つ書きます。
 
カリフォルニア大学の実験によると、スリー・グッド・シングスを10週間ほど続けたところ、参加者はストレスに25%強くなったそうです。
 
スリー・グッド・シングスを続けていると、ポジティブな出来事に注意が向かい、その集積で人生の幸福感を高められるというわけです。
 
 
人生とは、私たちが注意を向けたあらゆる物事の総体」です。
何に注意を払うかによって、私たちの現実が決まるのです。
 
 
今回は、スリー・グッド・シングスのメカニズムについて私なりに考えたことを書きました。
幸福感を高めるために注意力を味方につけていきましょう。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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