相手の態度は自分を映す鏡
今回は、相手がとる態度というのは、自分側の態度を反映したもの=鏡のようなもの、という話をします。
そのため、自分の態度に気をつけなければいけませんが、一方では相手にとってほしい態度を自分の方がとればよいということにもなります。
そのことを対人関係でうまく意識していきましょうという話です。
人間は目の前の相手の態度に対して同じように反応する習性があります。
無意識的な反応です。
たとえば、目の前の人が
好意的 → 自分も好意的な態度
敵対的 → 自分も敵対的な態度
笑顔 → 自分も笑顔
しかめ面→ 自分もしかめ面
あなたが相手のことをどう思い、どのような態度をとるかが、相手の態度に関わってくるのです。
しかし、そのことを理解せずに私たちは人と対峙することが多いのではないでしょうか。
相手はあなたが用意した役割を演じるのです。
そもそも、私たちは自分の中にさまざまな性格的な側面を持っています。
すべての人に対して、同じ態度をとるわけではないですよね。
私たちが相手に見せる側面は、たいていの場合、相手の態度によって私たちの中から引き出されたものです。
そのことに留意して、相手に示してほしい態度を自分のほうから先に示しましょう。
この法則をどのような場面で活用すればよいのか、例をあげます。
1. 子どもの成績を期待するとき
これは、ピグマリオン効果の教育現場での実験として有名な話です。
2. 相手の怒りを鎮めるとき
クレーム対応などの相手の怒りを鎮めたいときです。
どうしても「面倒な相手だな」という思いが態度に表れてしまいます。
また大きな声で相手が話していると、自分も知らず知らずに大きな声になってしまいますが、それも悪循環です。
あえて声の調子を下げて対応することで相手の声の調子を下げることができます。
3. 音声配信での声の調子
私も音声配信をしているので、これは気にしています。
音声コンテンツを聞いてもらうことで、リスナーにどのような気持ちになってほしいのかを考えます。
ほっこりしてほしい → ほっこりしたトーンの声
癒しを与えたい → 癒し系の声
情熱を感じてほしい → 熱弁
4. 相談業務において
心理相談をしていると、解決に向かうのが難しいクライエントさんもいるので、ついつい態度に出がちです。
「難しい方だ」
「扱いにくいところがある」
でも、クライエントさん自身が解決に向かう力があると思えていなかったり、自分自身を信頼に値する人間だと思えていなかったりするものです。
ですので、カウンセラー側がクライエントさんを信頼することがとても大切です。
それによって、クライエントさんは、自分が信頼に値する人間であることを証明しようと努めてくれます。
「○○さんは、○○ができる人だと思っていますよ」
と言葉と態度で示すことで、そのような人間としてふるまえるわけです。
今回は、鏡のように、相手が示す態度というのは、私たちが示す態度によって引き出されたものである、それを理解して自分の態度を示していきましょうという話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【お問い合わせ・カウンセリング】
■小林へのお問い合わせはこちら
小林へのお問い合わせやお仕事依頼など。
■カウンセリングのお申し込みはこちら
カウンセリングについてのお問い合わせやお申し込み。
小林いさむ|公認心理師
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?