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相手の態度は自分を映す鏡

今回は、相手がとる態度というのは、自分側の態度を反映したもの=鏡のようなもの、という話をします。
 
そのため、自分の態度に気をつけなければいけませんが、一方では相手にとってほしい態度を自分の方がとればよいということにもなります。
そのことを対人関係でうまく意識していきましょうという話です。


人間は目の前の相手の態度に対して同じように反応する習性があります。
無意識的な反応です。
 
たとえば、目の前の人が
好意的 → 自分も好意的な態度
敵対的 → 自分も敵対的な態度
笑顔  → 自分も笑顔
しかめ面→ 自分もしかめ面
 
あなたが相手のことをどう思い、どのような態度をとるかが、相手の態度に関わってくるのです。
しかし、そのことを理解せずに私たちは人と対峙することが多いのではないでしょうか。
 
相手はあなたが用意した役割を演じるのです。
 
そもそも、私たちは自分の中にさまざまな性格的な側面を持っています。
すべての人に対して、同じ態度をとるわけではないですよね。
 
私たちが相手に見せる側面は、たいていの場合、相手の態度によって私たちの中から引き出されたものです。
 
そのことに留意して、相手に示してほしい態度を自分のほうから先に示しましょう。
 
 
この法則をどのような場面で活用すればよいのか、例をあげます。
 
 
1.    子どもの成績を期待するとき
 
これは、ピグマリオン効果の教育現場での実験として有名な話です。

1964年春、教育現場での実験として、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明した。しかし、実際のところ検査には何の意味もなく、実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えた。その後、学級担任は、子供達の成績が向上するという期待を込めて、その子供達を見ていたが、確かに成績が向上していった。報告論文の主張では成績が向上した原因としては、学級担任が子供達に対して、期待のこもった眼差しを向けたこと。さらに、子供達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されている。

Wikipedia

2.    相手の怒りを鎮めるとき
 
クレーム対応などの相手の怒りを鎮めたいときです。
どうしても「面倒な相手だな」という思いが態度に表れてしまいます。
 
また大きな声で相手が話していると、自分も知らず知らずに大きな声になってしまいますが、それも悪循環です。
あえて声の調子を下げて対応することで相手の声の調子を下げることができます。
 
 
3.    音声配信での声の調子
 
私も音声配信をしているので、これは気にしています。
 
音声コンテンツを聞いてもらうことで、リスナーにどのような気持ちになってほしいのかを考えます。
ほっこりしてほしい → ほっこりしたトーンの声
癒しを与えたい   → 癒し系の声
情熱を感じてほしい → 熱弁
 
 
4.    相談業務において
 
心理相談をしていると、解決に向かうのが難しいクライエントさんもいるので、ついつい態度に出がちです。
 
「難しい方だ」
「扱いにくいところがある」
 
でも、クライエントさん自身が解決に向かう力があると思えていなかったり、自分自身を信頼に値する人間だと思えていなかったりするものです。
 
ですので、カウンセラー側がクライエントさんを信頼することがとても大切です。
それによって、クライエントさんは、自分が信頼に値する人間であることを証明しようと努めてくれます。
 
「○○さんは、○○ができる人だと思っていますよ」
と言葉と態度で示すことで、そのような人間としてふるまえるわけです。
 
 
今回は、鏡のように、相手が示す態度というのは、私たちが示す態度によって引き出されたものである、それを理解して自分の態度を示していきましょうという話でした。
 
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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