【ポジション解説】ナンバーエイト 後編
こんにちは。近鉄ライナーズの田淵慎理です。
前回のナンバーエイト解説、後編です。
前編はコチラ
ディフェンスについて
ナンバーエイトのディフェンスについてです。
ナンバーエイト独特のディフェンスの状況は、スクラムからのディフェンスと最近はあまり見かけないですが、個人的に苦手なハイボールの処理です。
ハイボール処理の配置は、キックオフのディフェンスの配置とも関係しているのでそこにも触れて解説します。
スクラムからのディフェンス
スクラムからのコースは、ボールアウトした後のフランカーをカバーするコースですね。
守るエリアの広さや、自陣か敵陣かでフランカーとコミュニケーションします。フランカーがディフェンスしやすいように心配なエリアを消してあげるイメージですね。
そのあとの2次攻撃では、バックスとフォワードのつなぎ目になることが多いです。
相手のアタックを見ながら、フォワードを呼びつつ、バックスに自分がどこまでディフェンスできるか伝えないとバックスはだれをマークしていいかわかりにくく、いいディフェンスができません。
コミュニケーションが重要です。
キックへの対応
一度フィールドの全体を確認して、空いているスペースをカバーする。
これは、マイボールからボールを奪われた瞬間に自分が意識していることです。
ナンバーエイトだからという訳ではありません。
ボールを奪われた瞬間、バックスリーの選手がラック付近にいれば、後ろのスペースが空いてしまいます。もしそうなれば、一度カバーしてから、バックスの選手と交代するようにしています。
先日の中国電力戦で、カバーしていたシーンがあったのですが、解説の萩原選手が気が付いてくれたのがうれしかったですね。よく試合を見てくれているなと。
ぼくは、キックも下手だし、ハイボールキャッチも苦手です。
しかし、そこに立っているだけで相手の選択肢をひとつ消すことができるのでそこは意識しています。
キックオフの配置について
キックオフのナンバーエイトの配置は
①ライン際
②グランド中央
③そもそもバックフィールドに残らない
の3パターンかなと思います。
①ライン際
キックオフの後、相手チームのハイパントに対応するために待機している場合です。
後ろのフィールドの配置に人数をかけすぎると、前でディフェンスしている人数が少なくなります。そこで相手チームが展開してくると不利になってしまうので、最近はあまり見ないポジショニングではあります。
近鉄ライナーズ初の公式戦スタメンは、花園でのリコー戦でナンバーエイトでの出場でした。当時は①の配置でプレーしていました。
ハイライトが残っていました。
この試合でぼくは、前半だけで3回ノックオンしたのですが、そのうち2回が、元オーストラリア代表のバーナード・フォーリー選手の無回転のハイボールでした。
ほんまに取りにくかった。なかなか今でもトラウマです(笑)
②グランドの中央に配置
これは、近鉄ライナーズで2年前に実践していました。
花園でのドコモ戦では、ドコモさんが真ん中にいるぼくにあえてキックしてきて驚いたことを覚えています。
フルマッチがありましたので、暇なときにどうぞ。
この配置の狙いとしては、キックのカウンターで強いボールキャリーできる選手がグランドの真ん中でラックを作ることで両サイドを攻撃できるようにすることです。
ディフェンス側は、自分がどちらのサイドを守るか、それぞれの選手が判断しないといけなくなるので、難しくなるという訳ですね。
個人的には、これもナンバーエイトである必要があるのか?という疑問はありました。
③そもそもバックフィールドに残らない
いろいろ書きましたが、現在はこれが一般的なのかなと思っています。
ナンバーエイトはうしろには残らず、1人でもおおく前のディフェンスラインに置いて、後ろはバックスリーでカバーしていくようにします。
ディフェンスで相手チームにプレッシャーを与えるためです。
そもそも①と②は相手にキックされる前提ですが、その前のラックや、キッカーにプレッシャーをかけていいキックをさせないという狙いもあります。
インターナショナルのハイボールのキャッチ練習を見ても、ナンバーエイトが練習している様子を見ないようになった気がします。
話が変わりますが、なぜナンバーエイトがハイボールキャッチをしていたのでしょうか??次の展開のため??理由がよくわかっていませんのでご存じの方はコメント等で教えてください。
まとめ
ナンバーエイトのディフェンスの解説のはずが、脱線してしまい申し訳ありませんでした。
しかし、キックオフは最初から準備できるという点で重要なプレーのひとつです。
今回はナンバーエイトの視点でしたが、各チームで選手の配置やキックを落とす位置、レシーブの方法など工夫が見られるポイントです。
また、すこし前はハイボールキャッチといえば、ナンバーエイトでしたが、いまではあまり見なくなりました。
ルール改正や、戦術の流行りなどの影響でしょう。そんなラグビーの変化も面白いところですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
なにか、ご質問あればコメント等お待ちしています!!
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