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映画『青い春』の好きな演出

結構前の作品ですが、「青い春」という映画が好きです。



男子校の不良達の日常を描いた作品です。さわやかな青春映画では決してなくて、不良達が道を踏み外していく様子が、淡々と、気怠い感じに描かれていきます。

警察に逮捕される者、犯罪を犯してしまう者、ヤクザの世界に行く者。明るい話じゃないのですが、ロックのBGMと共にどこかクールでスタイリッシュな感じに展開されていきます。


好きなシーンというか演出があって、野球部の不良が大会に敗けてヤクザの世界に足を踏み入れていくシーンです。


グランドを空虚な表情で眺めている少年。

そこへヤクザの先輩が現れます。

先輩「敗けたのか?」

少年「はい、もう敗けっぱなしですわ」

先輩「・・・来るか?」

少年「グッドタイミングです」

ここで気怠いロックのBGMがかかり、先輩の黒塗りの車に少年が乗り込みます。

一方、校門の前でホームランバー(アイス)を食べている別の少年。

アイスの木の棒を見て、舌打ちをしてその棒を道に捨てます。

そこに、先程の野球少年を乗せたヤクザの車が通りかかります。

ヤクザの車が通った勢いで、道に落ちてるアイスの木の棒がひっくり返ります。

通り過ぎていくヤクザの車の走行音に、画面にはアイスの棒に印字された文字のアップ。

「はずれ」


・・・

いやなんかもう、このシーン、演出がすごい好きなのです。「はずれ」は野球少年の選択を示唆しているのか、はたまた彼の未来を示唆しているのか。

決してハッピーなシーンじゃないのですけど(というかこの映画にハッピーなシーン1つもないのですけど)、この演出がものすごくクールでスタイリッシュでシビレます。


あまり万人におすすめできる映画ではないですが、個人的にはすごく好きです。

興味のある方は是非観てみてください。はずれだったらごめんなさい。

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