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美術館帰りのカフェで書いた文章

15:24

以前一度来たことのあるカフェに来た。駅から少し離れているので空いているだろうと思ったのだが、テーブル席は埋まっていた。まあ一人だし、カウンターでも一向に構わない。むしろ一人でテーブルを占領するのは申し訳ないから。

午前中、母と美術館に行った。国立新美術館で今月まで開催されている、テート美術館展というもので、目玉はターナーだった。私は美術に詳しくないが、ターナーはなんとなく好きなので、見に行きたいなとずっと思っていた。
8月に母を誘うと、もう少し暑さが落ち着いてからにしようと言われたので、終了間際のこの時期になったのだった。

平日の午前中なら空いているかと思えば、狭い展示室内は人だらけで、人混みの苦手な私はげんなりした。しかも写真撮影可なので、みんなスマホでバシャバシャ写真を撮る。高々と掲げられた腕が邪魔だし、やかましくて仕方ない。とかく辟易した。

しかしともかく、絵はとてもよかった。
肝心のターナーは、あまりにも印象すぎて私には難しいということがわかった。しかし、ターナーという人はぼんやりした絵を描くだけでなく、きちんとデッサンや遠近法のできる人だということも知った。(ターナーが教鞭を取っていたときの授業用デッサンが展示されていた)

ジョセフ・ライト・オブ・ダービーという画家の『トスカーナの海岸の灯台と月光』は、月と灯台が本当に光っているようで何度も見返しに行った。ポストカードが売られていなくて残念だった。

一番よかったのは、ジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』という絵だ。横長の大きなキャンバスいっぱいに、空と海がひろびろと描かれていて、気持ちのいい絵だった。
この展覧会の目玉のひとつだったようで、様々なグッズが出ていたので、クリアファイルと大判のポストカードを買った。Tシャツも欲しくて迷ったが、「メンズのMしかないからぶかぶかだと思うよ」と母にダメ出しされてやめた。

地元に帰ってきて、慣れた店で一緒に昼食を食べた。
時間があったので、CD派の母をディスクユニオンに連れて行くと、嬉しそうに時間をかけて棚を検分したあと、エリッククラプトンを一枚だけ買っていた。
付き添いのつもりだった私の方が、ユニゾンのシングルのほかにスピッツのライブDVDまで買ってしまった。

母と別れると15時になった。18時に会う約束の友達に連絡すると、17時過ぎに行けると言ってくれた。あと1時間半、どうやって潰そうかなぁ。

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