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【エッセイ】いかにして私が東京から京都に引っ越したか

今月で東京から京都に引っ越してから3年が経過した。引っ越してきた当初は、初めての一人暮らしが辛くなって東京に戻るのではないかと思っていたが、3年間ホームシックになることもなく楽しく過ごせている。この記事では、なぜ京都に引っ越したのか初心を思い出つつ、京都住みの良いところについて書いてみることにする。


なんで京都に引っ越してきたの?

まず、実家暮らしを20年以上続けていた私は、単純に生活力が全くなかった。家事をほぼせず、自分が月にいくら使っているのかもろくに把握していない。社会に出て仕事がどのようなものか分かってきて、まとまったお金が手に入るようになった一方で、徐々に一人で生きる力がないことが恐ろしくなっていった。そのため早く実家を離れたかったのだが、都内の家賃はとにかく高く、住めたものではない。そこで最初は関東圏で物件を探していたのだが、正直、東京以外も家賃があまり安くなかった。というか別に自分は関東に住み続けたいわけではないことに気がついてしまい、しばらく引っ越したいけどどこに行けばよいか分からない悶々とした日々を過ごしていた。

そんな時、オモコロの原宿さんと室木おすしさんがやっているラジオで「若いうちに好きな場所に住んでみた方がいい。年齢を重ねると、家族ができたり仕事の責任が重くなったりして簡単に動けなくなっていくから」という話をしていた(どの回だったか忘れてしまったので、細かい内容が違っていたらすみません)。それを聴いた時、電流が走ったような気持ちになった。

そうだ、今のうちに好きなまちに住めばいいんだ…!

好きなまち・住みたいまちは、当時の私の中では1つしかなかった。京都である。日本史の南北朝時代〜室町時代が好きなので、住んでしまえば関連史跡に気軽に行くことができる。お寺や神社も回り放題、美術館もたくさん揃っている。これ以上のところはないではないか。

思いついてからは早かった。京都の企業のオンライン説明会に参加し、書類が通ったら京都に面接に行き(ついでに観光もした)、1社目で内定が出たため今度は物件を探し(ここでも観光した)、ニトリで家具を揃え、実家から段ボール数箱の私物を送り、ノートパソコンと一緒に単身新幹線で引っ越しを済ませたのであった。ラジオを聴いてからわずか3ヶ月の出来事だった。親からは後に「あまりにもスピードが速すぎて出ていった感覚がない」と言われている。私自身も、その年の初めには京都に引っ越すなんて1ミリも頭になかったので、しばらく京都に住んでいる実感が湧かなかった。

それでもなんだかんだ、3年間家族も友達もいない土地で1人で生き延びられたのは個人的にはとてもすごいことのように感じる。と言いながらもたくさんの人に助けてもらえているから何とかなっている部分も大きい。自分に良くしてくれる人達には本当に頭が上がらない。でも自分だけで乗り越えたことも確かにあるから、そこも忘れずにいたいと思う。

京都住みの良いところ

①足利尊氏関連史跡がたくさんある
南北朝時代の中でも足利尊氏に関しては好きを超えて限界オタクをしているレベルなので、あらゆる関連史跡に行けるのが嬉しすぎた。特におすすめは等持院という北野白梅町にある尊氏が建てたお寺である。ここには尊氏の木像とお墓があり、おまけにお庭も綺麗という尊氏推しにはたまらないお寺になっている。辛くなった時ここに1時間以内で行けるというのは、引っ越してきてから今までずっと心の大きな支えになっている。


②関西圏に気軽に遊びに行ける
東京に住んでいた時は都内で全てが事足りてしまうため、他県に遊びに行くという発想があまり出てこなかった。しかし京都からは滋賀も奈良も大阪も兵庫も大抵1時間程度で行くことができる。個人的にはこれがかなり大きく、行動範囲が一気に広がり、関西のことが大好きになった。まだまだ回りきれていないので、これからもどんどん府外に足を運びたい。

③京都市内でもたくさん遊びに行ける場所がある
近畿圏であればすぐに行けるものの、京都市内であれば割とほとんど全てが事足りてしまう。まあまあ大きいデパートやショッピングモールなど生活に必要なものから、映画館や水族館などの文化的なものまで一通り揃っている。物価が安いわけでは(おそらく)ないが、住みづらいということも特別無いまちのように感じる。


まとめ

京都での一人暮らし楽しいよ!ということが伝われば嬉しい。引っ越してよかったことは数えきれない程あるが、後悔したことは一度もない。

あとは、今住みたい場所があるけど悩んでいる人がいれば、すぐに行動に移してしまうことをおすすめする。理由は上記の通り、年齢を重ねる程身動きが取りにくくなるからだ。物事はやれる時にやってしまった方が良いし、悩む程住みたいと感じたところならきっとそこでの生活は楽しいものになるはずなので。

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