見出し画像

鬱という病気の治り方

ちょうど1年前、鬱々としていた。
というか鬱病だった。
病気である。

暫く何が原因だったのかわからなかったが、おそらくそれの始まりは2022の春、親友を亡くした、これにあるのだろう。
(渋谷という街 親友の死 参照)
私はその事実を認めたくなかった。
しかしその年の師走、自分の精神状態がおかしい、ということに気づいた。

悲観絶望、支離滅裂な思想、危ない。
訳のわからない怒り、意味不明なことで夫に怒鳴り散らした。
何かが取り憑いてるとも思い、私はひとり岩手県にある寺に行き、伝説の住職を訪ねた。
「あなたには物怪は憑いていません」
そう言われトボトボと帰ってきた。

2023、年が明け、何度目かの墓参り。
私はとうに死ぬ予定だったのに、彼女が私という愚人を生きさせた。
なのに彼女は幼い子供2人を残し、生きたくて生きたくて仕方がないのに、その2人の成長を見たくて、愛でたくてたまらないのに、呆気なく、安らかに、死んでしまった。

何故、生は、飴玉をポンと相手の手のひらに包ませるように、差し上げることができないのだろう。
私の命を彼女にあげたかった。
というか、そもそも私のこれは彼女が拾った命である。

彼女が好きだったプレモルと、何輪かの花を彼女の上の石に置き、私はそこをゆっくりと後にした。
感情が滅茶苦茶に複雑に絡み合い、やはりおかしかった。

3月に入ると、完全に生きる気力が消滅した。
では死のう、ということへの準備作業すらできない。

LINEを消し、周りとの繋がりを全て絶った。
食事もせず自室に篭りベッドに横になったまま暫くの期間を過ごした。

夫はワンオペ、唯一の外出は病院。
夫と2人精神科に通った。

10年の付き合いの医師は
「完全なる鬱病。薬を飲み3ヶ月経てば確実に良くなる」
と言い切った。
その時医師はパネルを私たちに見せた。

◆治療開始 6〜12週間
①イライラや不安感が少し収まる
②憂鬱感が軽くなる
③生活への興味が戻る
④簡単な家事や外出ができる
⑤生活が少し楽しめるようになる

◆治療開始 4〜9ヶ月
⑥症状がほぼなくなった状態
⑦良くなった状態を維持する

◆治療開始 1年〜
⑧日常生活や職場に戻れるように慣らしていく

という内容。
イラストでとてもわかりやすかった。
①〜⑧まで階段になっていた。
が、その時の私には全く響かなかった。
この無気力が治る訳がない。
このマインドのまま確実にこの人生は終わる、早くその時が来て欲しい、それしか思っていなかった。

だけど、夫は私を常に見張り、言われた通りに薬を飲んだ。

悲観絶望以外無気力、横になり食事もしない
まずここ

【治療開始】

①食欲が戻る
夫が昼と夜ご飯を買ってきてくれて、それを食べてそれ以外の時間は以前と同じ。
子供が帰ってくるインターホンで起き上がる。

②少し会話ができるようになる
子供が帰ってきて宿題を見るようになれた。
ちょうど植木算、方陣算が始まりついていけない。
でもまだまだ辛い、この子も不幸になってしまうのかな、ごめんね、と言う気持ち。

③テレビを見るようになる
そもそも好きなドラマや関わっている番組以外は見ないが、この頃はバラエティ番組を見ている時間が唯一絶望しない時間だった。
月曜から夜更かし、クレイジージャーニー、お笑い系。

④塾のお迎えに行けるようになる
週2回、豊洲駅近くの塾のお迎えに出掛けるようになる。
小学校の友達も同じ塾で、一緒に帰るママ友Eと帰り道の20分ほど話す。
この時間が回復を早めてくれたと、今凄く思っている。
Eはもの凄く良い人間で、なんとなく察しているけど、自然に普通に楽しく会話をしてくれた。

この辺りで治療開始から3ヶ月ほど。
徐々に徐々に、長かった。
けど、治療をしているので確実に回復した。

そして

⑤外出、下世話会、習い事の復帰
人と話すのが楽しいと思えるようになった。
マンションのメンバーとの交流、下世話会に復帰、ずっと行っていなかったまつげパーマをしたり、習い事の再開。
LINEも再び開始。

それから、ほぼ通常に戻る。
悲観絶望不安感が嘘のように消え、普通になった。
8月上旬、治療開始からおよそ5ヶ月

⑥東雲シーサイド祭りに行く

この時、久々に会う色々な人に
「しばらく闇堕ちしてました〜」
とネタにできた。

⑦⑧完治現在

きっかけは色々だと思う。
職場の悩み、将来への不安、育児、夫婦 恋愛 親 子供との関わり、人間関係…

医師ははっきりこう言う。
「高血圧の人が薬を飲むのと同じ、鬱はれっきとした脳の病気であり、治療をすれば確実に治る」

楽になるのに3ヶ月、この期間は結構辛い、しんどい、死にたい、消えたい、生まれてすみません。
この期間に自死する人、試みる人も沢山いるだろう。

今一銭もない、借金まみれ、圧倒的な権力を持つ人の逆鱗に触れた、命を狙われている、愛する人が浮気をしている、暴力をふるってしまう、犯罪を犯してしまう

そんな結構深刻な壁があっても、鬱症状に関しては病気であるから治る。
壁に関しては「なるようになる」
この言葉を習い事のある方に言われて、凄く助けられた。
その方は昔、息子さんを病気で亡くした。
その方が言うからこそ、響いた。

つまり言いたいのは、鬱症状を感じている人はすぐ受診して、治療を開始して欲しい。
もちろん病気なのだから回復するまで仕事や学業は休む。
当然である。

すぐには良くならない、辛いのはしばらく続く。
もの凄くしんどいけど、言われた通り薬を飲む。

これだけして欲しい。

現状を救うのは教祖でもスピリチュアルでもサプリでも運動でもバナナでもない、処方薬

絶望と希望は、実はシンクロしている。
そして今後の人生は「なるようになる」
結局なんとかなる。今生きているということは、なんとかなってる、ということ。
それでも不安な人は私に連絡をください。
話をしましょう。

ママ友Eに感謝を込めて。

終わり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?