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物語綴り

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2021年12月の記事一覧

じわじわと広がる甘い罠。
これが全身に回る頃にはきっと私は、離れられなくなっている。いやもう手遅れかもしれない。
もっともっとと求める心はそういうことなんでしょうね。

あぁ、きっと気付いてしまったのね。私が気付いたことを。そしてこのまま何も言わず去っていくのね。そうと決めたのなら何も言わない。そしてどこかで会ってもきっと今までと同じ温度感で接するのでしょう。
今までありがとう。さよなら。またどこかで。

物語綴り

物語綴り

あなたに会いにいこう

顔も、匂いもファッションだって知らない
ただの文字のやりとり
声のやりとり
それだけなんだけど
このやり取りをどれほど続けただろう

今この瞬間ふとよぎったこの考え
これを何も知らない人からしたら
危ないと思うのでしょう

だけれもやり取りをする中で
気持ちが一切湧かなかったのに
たった一つの言葉で
こんな気持ちになってしまったの

だから私はこの熱が冷めやらぬうちに
あな

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物語綴り

ふと自分の言動で誰かがどうにかなってしまうのなら、自分なんて消えて仕舞えばいいなんて考えがふと過ぎる。
それは幸せ感じている瞬間に落雷のようによぎる時もあれば、自分が沈んでいる時にじわじわと侵食するかのようによぎることもある。
結局何も出来ずに気分や考えが上向きになるけれども、小さくなっているだけで、どこかの片隅に息を潜めているんだ。

気づかなくていいことに気づいてしまった気がするの。それはどうすることもできないことで、私はそっと気づかないふり。「きっと」「いつか」なんて言い訳をしたり、我慢比べをする日々がきっと続くのね。

布団から出ずにまどろむ私に届く大好きなあの声。
朝から幸せな気持ちを抱きながら、ひと声で起きているのに、いつまでもまどろむ私に定期的に届く声。
精一杯聞いていそいそと布団から抜け出て設定していたアラームを止める。今日も素敵な朝をありがとう。