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コラボ

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クリエイターさんの作品と私の小説のコラボです。
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2022年7月の記事一覧

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【コラボ小説】ただよふ 12話(「澪標」より)

僕は呆然としたまま、帰宅した。 妻はもちろん、息子もまだ帰っていなかった。 僕は玄関で、…

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【コラボ小説】ただよふ 13(「澪標」より)

今にも掴みかかってきそうな鉛色の空の下、錆浅葱色の海が躍動していた。暴力的な勢いで寄せて…

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【コラボ小説】ただよふ 14(「澪標」より)

旅館から帰宅して、僕は身辺整理を始めた。上京する際に不要な物は処分していたので、僕個人の…

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【ショートショート】父は知らない

コラボ小説「ただよふ」主人公の息子、航平くんの幼少期のお話です。 僕が幼い頃。 父は東京…

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【コラボ小説】ただよふ 15(「澪標」より)

あなたが自分のアパートの部屋を会場に、竹内くんと水沢さんの同期3人、新年会を開いている頃…

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【コラボ小説】ただよふ 16(「澪標」より)

ダイヤモンド・プリンセス号内で発生した新型コロナウイルスの集団感染が報じられた時、僕は客船で働いている弟の千洋のことが心配になって、電話をかけた。 「俺が働いている船では陽性者は出ていないけど、風評被害で予約がキャンセルになって、休みの日が増えたよ。」 弟は僕に心配かけまいと思ったのか、不自然なほど声が明るかった。 「千洋、大丈夫?僕に出来ることがあったら、言ってね?」 「あ~、兄さん。俺はもういい大人だよ?何でも背負い込もうとするの兄さんの悪い癖!…でも」 弟は言葉を