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アイスブレイクは信頼感を得る基本にして奥義!?

研修やワークショップなどに参加すると初めにアイスブレイクをすることがありますよね。初対面の人ばかりで緊張していたところ、アイスブレイクが話すきっかけになって、ちょっと緊張がほぐれたなんて経験をされた方も多いのではないでしょうか。

「受講者の緊張感をほぐす」
アイスブレイクの多くの目的が正にそこにあります。他にも「セミナー本編へのつなぎ・受講者に気づきを与える」という目的も合わせて実施されることがあります。

でも実は、アイスブレイクにはもう一つ裏の目的があるんです。受講者にはあまり語られることのない裏の目的ですが、講師として話す場合には押さえておきたいおきたいポイントになります。

裏の目的含め、この記事ではアイスブレイクの目的・効果をレベル1~3まで紹介しています。新人研修などにも使えるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。


レベル1.受講者の緊張感をほぐす

アイスブレイクの目的・効果の最たるものです。多くのアイスブレイクは緊張感をほぐすことを目的として実施されます。導入部分で一緒に頭や手を動かすことで、氷を解かすように硬い雰囲気を和ませて、コミュニケーションを円滑にすることができます。

緊張したままではちょっとした質問などもし辛いですしね。アイスブレイクは楽しく学びを深めてもらおうという、講師の先生の優しい心遣いが込められています。

例として緊張をほぐすアイスブレイクをご紹介します。

ニックネームパス

◆やり方
1.自分のニックネームを言ってから、別の人のニックネームを言う
2.呼ばれた人は、自分のニックネームを言ってから、また別の人のニックネームを言う
3.1と2をテンポ良く繰り返す
4.全員に回ったあたりで止めて、お礼を言う

◆例
ハナ  「ハナ、ユキさん!」
ユキ  「ユキ、ムーミンさん!」
ムーミン「ムーミン、タロウさん!」
タロウ 「タロウ、イトケンさん!」


講師「はい、ありがとうございます! 拍手~~!!」
※自分も拍手しながら、参加者に拍手をうながす。

始める前に、呼んでほしい名称を名札に書いてつけてもらったり、オンラインの場合は表示名を変更してもらっておくと、スムーズに呼び合うことができます。



レベル2.講習本編へのつなぎ・受講者に気づきを与える

アイスブレイクをそのまま本編への繋ぎとする考え方です。緊張をほぐすだけでなく、実際に事例として経験してもらうことで受講者に気づきを与えたり、本編への理解を深める効果が期待できます。

実際にやってみて効果を感じたアイスブレイクをご紹介します。

頭と手の体操

◆やり方
1.片手でチョキとLを交互に出してもらう

2.両手でチョキとLを同じ順番で交互に出してもらう(ほとんどの人ができる)

3.両手でチョキとLを違う順番で交互に出してもらう(ほとんどの人ができない)

4.3の難しさを体験してもらった上で、もう一度1(片手)をやってもらう

5.人差し指は動いていないことを伝える

6.人差し指が動いていないことを意識して、もう一度3(両手でバラバラ)をやってもらう。(先ほどより、スムーズにできる!)


◆得られる気づき
・頭で分かっているだけではできない(知識と能力の違い)
・複雑なことも分解してやれば、できるようになる
・コツを掴めばできる

アイスブレイクで実際に体験してもらった後に、「複雑なことも、こうやって分解して一つ一つやっていけばできるようになります。ですので~」などと本編に繋げていくと、今まさに自分で体感したことなので納得感を持って聞いて受講してもらえるようになります。

せっかくアイスブレイクをするのなら、それだけで終わらせずに本編へ繋げたいですね。上手く繋げられると受講者も「おっ、この先生慣れてるな」と感じてくれ、信頼感がアップします。

アイスブレイクにはたくさんの種類があるので、本編の内容に合わせて選んでW効果を狙いましょう~!



次は、気になるアイスブレイクの裏の目的です。

レベル3.ボスザル効果の発動

ボスザル効果は指示出しをすることで、聞き手を聞く態勢にするテクニックです。アイスブレイクを通じて小さなYesをもらっていくことで、強固な信頼感を獲得します。

◆なぜボスザル効果を効かせたいか
講習に参加して先生がおどおどしていたら、大丈夫かな……と不安になりますよね。学ぶつもりで参加しているのだから、しっかりと教え導いてほしいものです。もし、上司の指示などで仕方なく参加していた場合でも、堂々と説得力をもって話されたら、だんだんと聞く気になってきます。

話し手に信頼感がなければ、
やる気のある参加者も不安になります。反発する人も出てきます。

話し手に信頼感があれば、
やる気のない参加者の意欲・関心を高めることができます。

信頼感を得るために、小さなYesを積み重ねていくYesセット法を使います。人には自らの行動や発言、態度などに対して一貫したものでありたいという一貫性の法則があります。それによって、何度も同意していると直ぐには反論しづらくなる。相手に対して何度も共感していると、否定的な対応ができなくなる、つまり、素直な気持ちで受講してもらうことができます。


◆やり方
1.前を向いてもらう(オンラインの場合は自分に注目を集める)
2.きちんとルールを説明する
3.理解できたかどうか、受講者に確認する
4.アイスブレイクを実践してもらう

まず1でしっかりと指示に従ってもらう(Yesをもらう)ことがポイントです。ルールを説明した後も、理解できたかどうか確認をして丁寧にYesをもらっていきましょう。そうすることでスムーズにアイスブレイクをやってもらうことができます。アイスブレイクをやってもらうのは、かなり大きなYesです。ここまで来たら聞く態勢がしっかりと整っているので、本編も信頼感をもって聞いてもらえるようになります。



まとめ

なんとなく受けていたアイスブレイクですが、複数の目的や効果があると知り、実施される意図を考えるようになりました。レベル2がスムーズな先生や、さり気なくレベル3までやっている先生に出会うと、それだけでスゴイと感心してしまいます。アイスブレイクが上手な先生の講座はやっぱり聞きやすく学びが多いと感じるので、アイスブレイクは基本にして奥義なのかもしれませんね。


ボスザル効果は以下の記事で詳しく取り上げています。東京コミュ塾で教えてもらった、プレゼン全般に使える知っておいて損のない、むしろ知っておかないともったいないテクニックですので、ぜひご一読ください。



それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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