【長文】NEWTスタートから半年、PMFを達成するために意識している5つのこと。
こんにちは!あたらしい旅行をデザインしたい、令和トラベル篠塚です。最近はnoteも、SNSもゆるやかな更新でしたが、そうなんです。NEWT(ニュート)をものすごくがんばっています。ちなみにまだPMFしたとは全然言えませんが、ちょっと光が見えてきたかもしれないな? くらいな状態です。きっともう少しと信じて頑張っています。
触ったことがない方いましたら、ぜひ、ダウンロードしてプロダクトを触りながら読んでいただけると嬉しい気持ちです😇
早いものでリリースから半年が経過
今思えば・・・創業から「シリアルアントレプレナー」なんていう格好良い称号のようなモノに惑わされ、2回目なんだからあらゆる課題も先回りできるし、こんな戦略でいけば順風満帆間違いなし!いざ! なんていう夢物語をnoteなんかでも言ってしまっていましたが(恥ずかしすぎる)、実際は予想外のハードなことだらけで生み出された失敗の数々はとんでもないことになりました。
そもそも海外旅行予約サービスと国内旅行予約サービスは似て非なるものだし、成功の再現性はないし、殆どの施策はうまくいかないし、でも期待値はすごい感じるし、全然なんだかつらかったです。みなさまにも多大なご迷惑をかけてしまった半年間でした。
しかし、そうこう粘りながらやっていたら早いものでもうNEWT(ニュート)のリリースからは半年が経ったので、本noteでは、この期間に私は何を意識していたのか、どんな打ち手を実施したのか、サービスはどんなボリューム感になってきたのかなどなど、開示できる範囲を開示して共有できたらなと思いました! 山あり谷あり、外的環境の影響をここまでもろに受けるサービスが初めてなので苦しみながら頑張っています。笑
早速ですが、私がこの半年間でPMFというただ一点を達成するために意識していたことをまとめてみたいと思います。
その1: 価値の最小単位戦略
言葉こそ後から出来上がりましたが、この半年にとにかく意識したことはこの言葉につきます。価値を最小単位に分解し、一番短い工数(投資)でリリースできるようにするにはどうしたらいいのだろうか?(=もっと早くするには?) という問いを常に意識し、全メンバー一丸となって大量の打席に立つことを心がけてきました。
私たちはご存知の通り創業直後から資金調達を大きくしたため、油断するとすぐに最大サイズの機能、最大サイズの検討が走ってしまったりします。それだと失敗のリカバーが効かなくなるし時間がどんどんかかるので、とにかく小さく刻むことを徹底的に意識してやっていきました。Valueにも定めているGo Fastの精神です。その結果、半年でNEWTと管理システム側とをあわせると180近いリリースを実現できており、この人数ではなかなか頑張れたのではないかと思っています👏(なお、ここについて念のため補足しておくと、私の介在価値はほとんど全くなくPdMとエンジニア陣らのチームプレイがなした技です)
その2:グロースKGIの明確化
この1年のテーマを一言で言えば、PMFの達成です。
これ以上でも以下でもなく、もうこれしかありません。それを実現するために戦略を練り、様々な施策を放ち、ひたすらKPIをモニタリングして改善活動をしてきました。信じられないほど細かい数値にまで目配りをしつつ、最重要な指標はなんだろうかと探して動いてきた。この最重要かなと思ったポイントはここ半年でもあっち行ったりこっち行ったりとブレもたくさんありましたが、ようやくこれだという指標が見えてきて走るだけという状態になってきました。KGIという確からしい単一指標を発見するためには、その裏には数百、数千のデータが必要なのです。データが必要ということは、セットでアクションも必要ということ(アクションしないとデータが生まれない)だから打席に立ちまくるのです。
その過程で出てきた一部の数値ですが、半年間で動いてきたKPIをご紹介です。(いや、結構開示しているのですが大丈夫でしょうか?😇)
ここは最近も色々と学習してきたなかにおいては、やはりリクルート社の経営戦略がとても参考になっています。注力KGIの選定と、徹底的なKPIマネジメントです。
たとえば、じゃらん時代に遡ってみると、インターネット予約を増やすぞ! なんて叫んでいたころ、実際にはリリースから1-2年くらいは右往左往しつつ全然予約が増えなかった時期があります。私の入社する2007年よりも前のことです。インターネット予約を始めるんだから、じゃらんnetへのトラフィックをとにかく集めるぞ!ということを最重視し、トラフィックを徹底的に増やしてるのに予約があまり増えなかった。しかし、よくよく数値を見てみると、インターネット予約なのに在庫や料金が適切に乗っかっておらず、ユーザーが予約ができない=カゴ落ちが信じられないほど大量発生していたことがわかりました。これはつまり陳列商品の改善こそがKGIだったのに、トラフィックを優先したことが引き起こしていると言えます。こうやって成功例を振り返って書いてみると「当たり前じゃん」と思うようなことも、中にいて戦略を考えていると意外と気が付かない落とし穴が多く、KGIの策定は相当な確信をもって慎重に決定をしなくてはならない。というケースです。
そして私たちも走りながら考えること、打席に立つことを重視して色々やったからこそようやく一筋の光が見えてきました。見つけたある重大指標に対して下期は超集中して取り組み、一気にそこの係数を10倍、20倍にできるように投資をしていく予定です。
その3:プロジェクトユニットの支援
KGIを見つけること、そしてそれを達成するための経営戦略を立てていくわけですが、以前にもシェアしたプロジェクトユニットという戦術をまとめたスタイルにて引き続き経営をしています。これがなかなかフィットしており、今下期にもこれらをすべてローリングし、作り直して行動プランにまで昇華しています。
以下、参考。
上期には以下のようなOKRとプロジェクトユニットを定め、全員で徹底的に追いかけていました。(これも初公開ですが、経営戦略をここまで開示してしまって大丈夫でしょうか?)
ここで私自身が持つCEOとしての役割は、これらプロジェクトユニットの達成を支援すること。そして、ガバナンスを含めてきちんと推進がなされているかをモニタリングすることにありました。これらを徹底的にやりきっていけば、KPIは絶対に達成するはずだからこそ、計の策定とモニタリングにはとんでもないほど時間を使ってきました。モニタリングをしていると、途中で明らかにうまくいっていない部分や、当初想定と違うところなんかがたくさん炙り出され、大きな方針変換やサンクコストの放出なんかもあり、悩み苦しみな時期もたくさんありました。話題の漫画のよう、100日後に心が折れなくてよかったですが、渦中のわたしには気持ちが痛いほどわかる素敵な漫画でした。笑
そんなこんなで、PUに則って様々な打ち手をこの半年間で遂行しました。大量の販促企画、機能リリース、SNSキャンペーン、提携やセールス受注、プレスリリースなどなど、半年間とは思えないほどたくさんのチャレンジができました。時にはやりすぎて怒られてしまいチームみんなで反省したり(でも寛大な心でサポートしてくださり…)、時にはスマッシュヒットの企画が生まれて予約が大量に生まれたり、とにかく人に恵まれた半年でありました。ありがとうございました。
その4:区線を透明にすること
つらいことだけではなく、嬉しい誤算もありました。
今日まで採用がおかげさまでとても順調で、社員総数はいよいよ30名超になってきました。また重要テーマであった、エンジニア採用においても名だたる人気企業様ともよくよく比較いただくことが(ついに!)とても増えてきました。本当にありがたい話しです。(でも、まだ全然足りていないので大募集中です👨💻)
しかし、そうやってとても頼もしい仲間たちを採用しても壁があったり、思う存分能力を発揮できる環境になっていなければ意味が全くありません。そこで、滞在期間におけるパフォーマンス積分値を最大化するということが求められるわけです。※このあたりはCHRO田村のnoteが参考になります。
特にこうした人数の急増期というのは、油断しているとあっという間に部署と部署、経営とメンバー、リーダーとメンバー、新しいメンバーと古いメンバー、もちろんメンバー同士でも、本来は全く不要な区分線ができたりセクショナリズムができてしまいます。こうした区分線はなるほど時には必要なものも存在しますが、今の段階ではほとんどが不要であり線の存在がない=透明であるべきだと思っていました。かんたんに言えば圧倒的なオープンさのある環境が必要です。(このあたりは組織のD&Iポリシーにも定められていますし、Valueでも定めています)
そのため、私自身はメンバーとの直接交流を強制的かつ定期的に取れるよう、毎週月曜朝会での発表、定期的な1on1の開催、隔週開催するファイヤーサイドチャット(自由に質問ができる場)、そして月次締め会や不定期にフランクな飲み会なんかも開催してきました。社員のみならず、大学生インターンや、PP(プロパートナー=業務委託)さんとも交流をしながら、現状を把握して問題あれば直接的にもスピーディに解決策を講じました。毎月の締め会の中では20分くらいかけて、その月々に考えている課題や学びだったことなどをシェアする人気(?)の「しののよもやまコーナー」なんかもあります。(ここは無風ではない)
私のよもやまコーナーでは毎月違ったテーマを取り上げ、いろいろな話しをしてきました。なぜエンジニアリングへの投資が最も重要なのか、期中で経営戦略を大きく転換した理由の説明、ナレッジマネジメントのSECIモデルが重要なフェーズになってきたこと、私たちが置かれているマーケットシチュエーション、・・・etc 多岐に渡る話しを展開しながら、区線を消す作業を頑張っていました。半年間のスライドを見たところ、500枚くらいありました。作ってくれたMさんには頭があがりません・・・ありがとうございます。
その5:カスタマーボイスの超反映
現在、私たちのサービスデモグラや渡航先は以下のようなイメージになっています。すでに私の世代でもマイノリティですし、圧倒的にその世代の旅行やサービス選びの価値観を理解していかなくては役目を果たせません。
そこで、カスタマーの持つ価値観を顕在化したものも、潜在的なものすらも完全に理解していくため、私自身もとにかく泥臭く実務にこだわってやってきた半年間でした。時には直接声を聞いてみたり、カスタマーサポートを直接やってみたり、App Storeのレビュー返信なんかも全てやったり、また逆にクライアントさんの声も聞くべく実地でホテルセールスなんかも泥臭くやり続けてきました。
そうして、パッケージツアーはどんな人が予約するのか、なぜ予約するのか、どうしてホテル単体/飛行機単体じゃなくてツアーで予約するのか。なぜ離脱するのか、などなど、私や組織の中でもどんどん解像度が上がり、ビジネスの全体像がようやく理解できるようになってきました。
結局のところは、カスタマーのことを誰よりも詳しく知り、そこにある課題に真正面から対峙して、プロダクトで応えてあげることでしかPMFの道はないのです。そんなわけで、カスタマーボイスの超反映を意識しながら頑張ってきました。
参考:この堀井くんのNoteが死ぬほど参考になります。
まとめ: 長期を向いて取り組んでいく
以上、長くなりましたが5つのポイントに分けて紹介をしてみました。
半年前に比べたらようやく前に進めてきたように思います。でもまだかなり暗いトンネルの中を猛進しており、突然壁に激突したり、石につまづいたりと問題が発生しています。でも日頃から社内でもずっと言っているのは、長期を向いてやっていこうということです。
今日、訪日旅行がオープンしたと話題です。訪日旅行があくと飛行機が増えるので、セットで必ず海外渡航も増えます。しかしそんな折に、円はまさかの146円をつけ、ロシア・ウクライナ問題も非常にシリアスで、世界的にインフレの波も襲ってきています。まだまだ悲観的な未来予想のほうが大多数で、私自身もまだ大きなショックが起こるのではないかと正直に思っています。
私が創業を決めたときは、コロナさえ終われば大チャンス時代だ!と思っていたものが、気がつけば他の変数がどんどん増えていきむしろ大ピンチに変わっているような状態とも言えます。
まぁしかし結局のところ、未来を予測することは誰にもできないわけです。
そんな中でも社会はどんどん前へ歩んでいるし、新しいテクノロジーも今なおたくさんでてきています。何より、世界の旅行者数増加(上図)は揺るぎのない世界的なトレンドの1つであり、何年かをかけて必ず戻ると信じています。私たちはこの来たるべき成長カーブに振り落とされぬよう引き続き今から改善を繰り返し、来年・再来年を見据えて引き続き粘り強く挑戦をしていけたらと思っている次第です!!
ぜひ、これからもたまに気にかけていただけたら幸いです。大変長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!
おまけ
noteエントリー楽しかったよ!と思っていただけたら、NEWT(ニュート)をダンロードしていただきつつ、海外渡航の際はチェックしてくださったらとても嬉しいです👏👏👏
・採用情報はこちらに一通りまとまっているのでぜひご覧ください
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