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エネルギー革命と「平和ボケ・コピペ注意報・求む大ぼら」 #カーボンニュートラル #SPEEDA

本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。

2021年11月10日(水)に配信されていた、SPEEDAトレンド vol.4
エネルギー革命で日本を変える -カーボンニュートラルに挑む開拓者のリアル-』を視聴しました。バランス取れた出演者が語られるテーマとしてもバランスの取れた充実の2時間の議論でした。

私は、第3弾から視聴していて、その時の内容は以下2つの投稿で学びをまとめてみました。

出演者

再エネ機器ベンダー、アナリスト、石油産業、素材メーカー、ジャーナリストとバランスの取れた布陣。

大西 英之 氏
GE インターナショナル・インク 洋上風力事業部 日本代表
大場 紀章 氏
エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表
萩原 栄治 氏
出光興産株式会社 技術・CNX戦略部 シニアアドバイザー
平田 嘉裕 氏
住友電気工業株式会社 パワーシステム研究開発センター次長
川端 由美 氏
自動車・環境ジャーナリスト/戦略イノベーション・アドバイザー
酒居 潤平
株式会社ユーザベース SaaS事業 執行役員CMO

エネルギー平和ボケ日本

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今回一番印象的だったのは出光の萩原氏の「日本はこれまでエネルギー政策は着実にできてきて、エネルギー平和ボケしている」という発言から見えてきた政治性について。

川端氏は、「ドイツはエネルギー問題で政治がわかる。メルケルさんの頃は、日本の原発の件で、緑の党が大躍進した。今回の緑の党の躍進もCNの動向がある。特に若い世代の関心が高い。」といいます。その理由としては、再エネ率が非常に高く、国民負担も高くなっているからだといいます。

一方で、日本はエネルギー政策に関する公約で選挙に影響があるかといえば全くない。大場氏は「関心度は、公約のトピックの中で最下位がエネルギー政策、そのため政治家にとって優先度が上がらない」といいます。

大西氏は「このエネルギー革命においてはムーンショットに取り組もうとしている。なんていったってカーボンニュートラルなのだから。ゼロにするということ。積み上げのアプローチではなく、目標からのバックキャストができていない」と言います。

欧米コピペの危険性

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大場氏「大変さがわかっていない。消費者は、屋根に太陽光パネルをつけて、自動車がEVになればいいんでしょ、と思っている人が多い。エネルギー会社と自動車会社ががんばればいいんでしょ、って感じになっている」といいます。国民の理解・意識レベルを上げていくようなメディアの発信などについても議論されました。

川端氏は「日本の環境対策は、民度に頼ってきた。こまめに電源切りましょうとか。そんなアプローチをしたのは日本くらい」とも言います。

また、大場氏が「日本の事情は欧州とかと違うのに、欧州とかの取り組みを逆輸入して取り組もうとしている。非常に危険。日本式を作らないといけない。個々のプレーヤーはコピペをしている」と欧米の取り組みのコピペの危険性に警鐘を鳴らしていました。

これは、以前にロビイングについてまとめた記事を思い出しました。そうやってマネる、もしくは合わせさせられることで、コスト競争力をしなっていく、と。

だれかが大ぼらを吹かないといけない

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大場氏はテスラの時価総額が1兆ドルを超えたことを挙げ、これはイーロン・マスク氏の壮大なストーリーの価値だとし、こう続けます「気候変動にどう取り組むのか、そのことでどういう未来をつくるのか。投資家がわくわくするようなストーリー、姿勢、みんなから注目を集める、そういうこと自体が価値になる」

これに続き川端氏「実は資金調達の最大のチャンス。円の購買力は下がっている。戻らない可能性もある。日本にはカーボンニュートラル後も含めて、すごい可能性があると思わないといけない」といいます。

これは、改善・カイゼンできた日本の文化との闘いなのだろうな、と思いました。できもしないことを語るのは不誠実だ、という日本の姿勢なのかな、と思いました。

一方で、変化が日々加速する時代においては、その「新しい、予想外、混乱、不確実」な外部環境に対しては、正確性よりの、納得性の方が重要であり、そのとき肝になるのがストーリー性である、とは「世界標準の経営理論」の第23章「センスメイキング理論」に書かれている内容です。

優れた経営者・リーダーは、組織・周囲のステークホルダーのセンスメイキングを高めれば、周囲を巻き込んで、客観的に見れば起きないような事態を、社会現象として起こせる
引用:世界標準の経営理論

このようなことはまさに、イーロン・マスク氏がテスラの成長をもって証明していることでしょう。そのストーリーとは2006年から実は変わっていないことに驚きます。以下のマスタープランです。

マスタープランを簡潔にまとめると:
 スポーツカーを作る
 その売上で手頃な価格のクルマを作る
 さらにその売上でもっと手頃な価格のクルマを作る
 上記を進めながら、ゼロエミッションの発電オプションを提供する
これは、ここだけの秘密です。

おわりに

SPEEDAの今回のディスカッションは、これでも1/3もかけていません。非常に充実した内容でした。このほかにも木質バイオマスについてや、日本の国土の特徴と再エネについて、そもそもエネルギーを運ぶという制度疲労、などなど非常に勉強になりました。また次回が楽しみです。Vol.3の時は再配信もありました。Vol.4を見逃した方は、再配信があったら是非チェックしてみてください。

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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