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生物多様性の保全、第3のアプローチ

ども、しのジャッキーです。本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。

今回の記事は「生物多様性」がテーマです。以下の記事でも取り上げた「生物多様性を問いなおす ――世界・自然・未来との共生とSDGs (ちくま新書) 新書 – 2021/1/8、高橋 進 (著)」という書籍からの学びのアウトプットとなります。

生物多様性の定義について

本書では、生物多様性の定義に一義的なものはない、としつつも、生物多様性条約の定義では以下の3つのレベルがあるといいます。

  • 生物多様性の3つのレベル

    • 遺伝子(種内)

    • 種(種間)

    • 生態系

生態系サービス

そして、その価値は「生態系サービス」として知られ、以下があるとし、著者は、供給サービスを「生物資源」、それ以外の3つを「生存基盤」と大別してとらえているといいます。

  • 生態系サービス

    • 供給サービス:食料、医薬品、その他遺伝資源などの提供

    • 調整サービス:気候安定、水資源、汚染などの除去・調整

    • 文化的サービス:精神、宗教、教育、芸術など非物質的なもの

    • 基盤サービス:土壌形成、栄養循環など

生物多様性保全のアプローチ

これら生態系サービスを提供する、生物多様性を保全するアプローチとしては、生物資源保全アプローチと生命保持機構保全アプローチの2つがあるとした上で、経済価値に換算可能な生物資源(供給サービス)の保全が理解されやすいといいます。

しかし人類もその一員である生物圏全体の進化の可能性を内包した生物基盤の保全なくして人類存続はありえない。これらを統合した第3のアプローチが求められるとして、この全体像を以下のようにまとめられていて、全体が俯瞰でき助かりました。

統合された保全の推進には、少数の経済大国に依存できない状況であり、一層の国際協調が必要であり、生物多様性保全機構(BCA:Biodiversity Conservation Alliance)により人類共通の財産として生物多様性を協力して保全し、地球環境の保全と人類の繁栄が達成されることを期待した、としています。

世界経済フォーラムの「Nature Risk Rising: Why the Crisis Engulfing Nature Matters for Business and the Economy」によれば自然に対する依存度が中等度または高度に該当する 経済活動は、世界の経済の産出量の半分以上 (44 兆米ドル分の創出された経済価値)となるそうです。

なかでも特に自然大きく依存する産業トップ3は、建設(4兆ドル)農業(2.5兆ドル)食品・飲料(1.4兆ドル)となるそうです。これらの資産が、生物資源からの生態系サービスを経済価値に換算したもので、生存基盤にあたるものを含んでいるのか、いないのか、という観点は自分にはなかったので、勉強になりました。

評価できないものは、改善が回せないというジレンマがあると思います。TNFDなど生物多様性について、まずは財務情報の開示のフレームワークが国際的に整備が進んでいます。

先日、WWFの「生物多様性とビジネス」というセミナーを受講しました。その中でレスポンスアビリティの足立氏は「生物多様性の測定に関しては、まずは質よりも量が優先。面積を増やし、それを測ること。また、場所の特定が重要。認証が取れたものを買うだけだと、”どこ”がわからないことが多い。生物多様性の議論の中で場所の特定が重要」とおっしゃっていました。

私は、農学部で樹木に関連する研究をしていたので、その土地に根を張る、樹木が育む森林の生態系のことを思ったり、趣味の登山やキャンプでも、まさに自然の生態系サービスの文化的サービスの恩恵にあずかっています。この生物多様性を保全していくために、自分ができることを探していくためにも、勉強を続けたいという思いをあらたにしました。

このほか、当方の生物多様性関連記事は以下からも見つけられます。もしよかったら覗いてみてください。

おわりに

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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