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H2Hマーケにおけるブランドマネジメントは5AとOゾーンとBFDをおさえてとこう
どもっ、しのジャッキーです。本記事は、マーケティングに関する個人的な学びのアウトプットです。
マーケティングの一連の過去記事
[第1回] マーケティングの現在地点はH2Hマーケティングらしい
[第2回] H2Hマーケのキー概念「サービス・ドミナント・ロジック」はプロセスエコノミーのことかな
[第3回] H2Hマーケのマインドセットと パーパスってつながってるんだなぁ
今回は第4回ということで2021年に発刊されているコトラー氏の「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」からブランドマネジメントについての学びをアウトプットしていきます。
H2Hマーケティングの完成モデル
H2Hマーケティングは、以下の図のように「マインドセット、マネジメント、プロセス」×「デザイン思考、サービス・ドミナント・ロジック、デジタライゼーション」からなるモデルを完成形として示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1645337608290-E0oU9dhDBb.png?width=1200)
前回は、「マインドセット」についてまとめてみました。
H2Hマネジメント
今回の第4回では、H2Hマネジメントの中で、個人的に面白かった部分をまとめたいと思います。前回まとめたH2Hマーケの全体像のマネジメント部分の抜粋が以下となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1645337810115-GzWBU47qbQ.png?width=1200)
H2Hマネジメントでは、基本的にブランドマネジメントと同義のように扱っているように感じました。本当は信用についても書かれていたのですが、私のまとめからは割愛します。本noteでは個人的に印象的だったブランドに関しての概念のシフトとサービス・ドミナント・ロジックの関係について取り上げます。
ブランド論理の進化
サービス・ドミナント・ロジックへのシフトというのは、これまで価値は企業側が製品を作って売ればよかったパラダイム(考え方)から、企業と顧客が共同で作り出す、一つ一つ異なる価値の共創が大前提になった、というパラダイムシフトです。
これがブランドの考え方にどのように影響を与えてきたのかの系譜が以下です。
![](https://assets.st-note.com/img/1645350358143-zmHinW4y2U.png?width=1200)
サービス・ドミナントロジックへの変化によって、ブランディングにおける顧客の役割は、「商品販売に伴う交換価値の受け手」から「サービス使用価値の創造の能動的な共創者」へシフト。また、ブランドは、顧客を含むステークホルダーのネットワークとつながるようになった。
というのが私の理解した内容です。
5Aのカスタマージャーニー
このように、ブランディングにおいてステークホルダーのネットワークとのつながりの影響が大きくなったことはデジタル化が大きく関係しています。これまでのブランディングを考えるにあたって顧客の状態の変化を示すモデルはAIDMAやAISASなどがよく聞いたことがあります。
AIDMAモデル
Attention(認知)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(勾配)
AISASモデル
Attention(認知)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(購買)→Share(共有)
AISASはデジタル化とSNSを強く意識した内容になっています。コトラー氏の最新のモデルではないようとしてはかなり似ていますが、Share(共有)を一歩進めてADVOCATE(推奨)の状態をゴールとして置いた5Aモデルを提示しています。
5Aのカスタマージャーニーモデル
Aware(認知)→Appeal(訴求)→Ask(調査)→Act(行動)→Advocate(推奨)
以下の、5Aモデルとリアル・デジタルのタッチポイントをマッピングしたフレームワークも提示されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1645350488486-N6S9QgO28n.png?width=1200)
5Aモデル時代における企業のブランディング活動
デジタル化の進展によって、顧客は、周囲のステークホルダーのネットワークの中、リアルタイムに様々な情報を受けるようになりました。そのため社会的な文脈による影響を強く受けるようになりました。結果、Aware(認知)/Ask(調査)のフェーズにおいては、強く他者の影響を受け、その結果としてAct/Advocateの意思決定をするようになり、企業が働きかけられる範囲はAppealの部分以外は限定的になってきたといいます。
このブランドの影響力の範囲の概念をOuter(外的影響範囲)/Others(他者の影響範囲)/Own(自身の影響範囲)の頭文字からO(オー)ゾーンと呼んでいます。
こういった状況の中で、5Aモデルにおける顧客の状態を次の状態へ後押しするために企業ができる働きかけとして「魅力の増強」「好奇心の最適化」「コミットメントの強化」「親近感の向上」が挙げられています。それぞれの紹介については、次章にあたる「H2Hプロセス」で解説されますが、以下のようにまとめてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1645351176411-v1Fn4AbfnU.png?width=1200)
上記の図の内容をまとめると以下になるかと思います。
顧客のブランドへの態度は、個人の社会的文脈が決定要因に変化。推奨にいたるカスタマージャーニーには相互につながる異なる影響範囲(Oゾーン)があり、企業が直接働きかけられる範囲は限定的になってきている。
についてのまとめ
ブランド・フォーマティブ・デザイン(BFD)
基本的には、一つ前の項目まででが、個人的にはH2Hマネジメントにおけるハイライトでした。最後に一つ、ぱっと見よくわからない言葉である「ブランド・フォーマティブ・デザイン(BFD)」について取り上げます。
顧客の体験価値の重要性が高まり、絶対的な「よい製品・サービス」という基準があるというよりは、一人ひとりの顧客が製品・サービスの使用を通して価値が生まれるようになりました。これが、サービス・ドミナント・ロジックの考え方でもありました。
上記から、ブランディングにおいて、顧客体験のデザインはブランドに差別化機能を提供するため重要性が高まっています。そうした背景から、デザイナーとマーケターが互いのプロセスの理解を進める必要があるとし、その問題意識から図示ものが以下だといいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1645355916910-E7Xbf4jiKu.png?width=1200)
ここでのポイントをまとめると以下になります。
デザインはそれ自体に価値を内包するのではなく、デザインされた製品・サービスの受け手(顧客)が個人的な意味を与える。
デザインの効果と意味は、その文脈と密接に結びついているため、企業は顧客を共同デザインというプロセスに積極的に巻き込むこともでき、その際に、参加する段階や範囲の設定が必要になる。
おわりに
以上、今回はH2Hマーケティングにおけるマネジメントについて学びをまとめてみました。今回は、作図に時間をかけすぎてやばかった。。。(苦笑)次回は、H2Hのプロセスについてまとめたいと思います。
このほか、当方のマーケティングに関する記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。
ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。
しのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie
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