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人材の多様性を解き放つのはメタ認知なんだと思った

しのジャッキーです。本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。以下の記事の続きです。

パブリックアフェアーズ協会から「従業員エンゲージメント活用による企業経営の新たな潮流 ~ISO 30414を中心とした国際動向と国内事例からの考察~」というレポートが2021年11月11日に発出されていました。

私自身、チームマネジメントをするようになったこととコーポレートの立場になったことから、また、個人的に応援している所属企業(NEC)の因果分析ソリューションが「従業員エンゲージメント」に関連していることから、本トピック注目しています。

本記事では、上記レポートの以下に関してからの学びを共有します。

第4章 従業員エンゲージメント経営の国内最新事例
第5章 従業員エンゲージメントに関する日本での最新の政策的議論
第6章 従業員エンゲージメント活用のための政策提言

第4章 従業員エンゲージメント経営の国内最新事例

国内先進事例として、「ソニーグループ」「味の素」「日本ユニシス」「日本電気(NEC)」「東急建設」の5社が挙げられていました。所属企業(NEC)が挙げられているのがうれしいですねぇ。

味の素のASV(Ajinomoto Group Shared Value)エンゲージメントを高めるマネジメントサイクルについて取り上げられていました。はいわゆる、CSVの味の素版ですね。以前、「CSVに取り組むことによって得られる4つの効果」について書いたときに参考にした一橋ビジネススクールの名和教授もASVの取り組みを先進事例として挙げられていました。

出典:https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/csr/pdf/2020/SDB2020jp_050-056.pdf

さて、NECに関しては2018年度からの中期経営計画における「実行力の改革」の取り組みの中で、エンゲージメントを重要指標として、BI・AI(Business Intelligence/ Artificial Intelligence)を活用した見える化・分析・対処について取り上げてくれていました。

これに関しては、その後の発展として、冒頭にも少し触れた、私の応援している因果分析ソリューションも貢献していて、IRイベントのESG説明会で説明された内容をもとに記事を書きましたので、興味のある方は以下ご参照いただけると幸いです。

第5章 従業員エンゲージメントに関する日本での最新の政策的議論

いくつかキーワードをピックアップしました。

  • 経産省:「人的資本経営の実現に向けた検討会」を立ち上げ2021/7/1に第一回会合を開催。(日本は)従業エンゲージメントスコアが世界最低。

  • 経産省:健康経営優良法人2022で従業員エンゲージメントに関する項目が追加された

  • 東京証券取引所・金融庁:コーポレートガバナンス・コードの改定の柱として「取締役会の機能発揮」「企業の中核人材の多様性の確保」「サステナビリティを巡る課題への取り組み」の3つをあげ、人的資本に関する論点も追加

第6章 従業員エンゲージメント活用のための政策提言

第5章のように、従業員エンゲージメントに関して政府内でも議論が活性化している中、本レポートは投資家など企業の外部へより望ましい情報開示を普及させることを目的として「従業員エンゲージメントに関するテーマ銘柄の創設」を提言しています。

これまでに大企業向けテーマ銘柄としては「なでしこ銘柄」「DX銘柄」「健康経営銘柄」が存在しているとのこと。DX銘柄は2021で、NECが選定いただいたので、その際に以下のような記事を書かせていただきました。

なでしこ銘柄は、不勉強ながら知らなかったのですが、名前の通り、女性活用の進んでいる企業を選定するものでした。

まとめ

今回、3回にわたって、パブリックアフェアーズ協会の「従業員エンゲージメント活用による企業経営の新たな潮流 ~ISO 30414を中心とした国際動向と国内事例からの考察~」というレポートからの学びを書きました。個人的な一番の学びは「ISO 30414は人材マネジメントにROIを組み入れるってことなのかぁ」でした。

人的資本に有効に投資する方法というのはいろいろな考え方があるのだと思います。お給料という話もあるかもしれませんが、それだけではなく、その会社が成し遂げたいことへの共感であったり、その会社にいる人が魅力的だ、ということであったり、もっとふわっとしたところでいえば社風・文化というものかもしれません。

前回のまとめ記事(こちら)で触れたValue Reporting Foundation(VRF)によれば、Workplace Culture(職場の文化)を最優先の検討項目にし、その中でも特にCognitive Diversity(認知の多様性)が重要性を高くおいているようでした。

図の出典: Value Reporting Foundation 「Standards Board Meeting Calendar & Archive」

あらためてWorkplace Cultureの中で重視されているほかの項目を見ると2番目に「Talent Attraction/Retention」があります。これは、職場がタレント(=人財)にとって魅力的でありとどまりたいと思えるものであるか?ということだと理解します。

よくDiversity & Inclusionといいますが、この後半のInclusion、よく包摂と訳されていますが多様性のある人的資本が組織として能力を発揮するためには、多様性が受容できる職場環境・文化が両輪なのだと思います。

以前、以下の記事で、チームメンバーへの1on1を行う際に、「意見→経験→感情→価値観(自分や他人のレンズを認識する)」という認知のフレームワークを見えるところに書いておくことで、自分の意見を言おうと思う前に、この人のレンズはどうなってるんだろう?という知的好奇心が沸き「傾聴」しやすくなりました。

自分の中で、今回のレポートを読みながら思ったことは、このメタ認知を組織の一人ひとりができるようになっていくことが、人的資本のポテンシャルを解き放ちやすくなる組織文化の1要素なのではないか?と思いました。

まとめの冒頭で個人的な一番の学びは「ISO 30414は人材マネジメントにROIを組み入れるってことなのかぁ」と書きましたが、前言撤回します。「メタ認知は、組織の人的資本の多様性を解き放つ、組織能力の重要要素の一つ」と思えたことが今回の1番の学びでした。

過去2回記事はこちらから

1回目

2回目

おわりに

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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