人為起源の気候変動で悪影響が広範囲にIPCC/AR6/WG2
本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。
2022/2/28にIPCC(気候変動に関する政府間パネル/The Intergovernmental Panel on Climate Change)が第六次評価報告書(AR6)の第2作業部会(WG2)の報告書を公開しました。
WG1のサマリ
第一弾のWG1は2021年8月9日に出ていて、そのときの小泉環境大臣の発表のサマリは、当方のnoteでもとりあげまして(こちら)そのとき作ったまとめが以下です。IPCCって何?とかそのとき学びをまとめましたのでご参照ください。
WG1~3があり、それぞれの役割分担は以下のようになっているようです。
さて今回は、前回とはちょっと趣向を変えてNHKニュース、Yahoo!ニュース、日本経済新聞と、メディアがどのように取り上げたのか印象に残った部分をピックアップしてみました。
NHKニュース
NHKは、2022/3/1の記事で、「影響範囲の広がり」をタイトルに持ってきています。かなり長尺の記事です。キーワードをいくつかピックアップします。
人類が引き起こした気候変動は、自然と人間に対して広範囲にわたる悪影響と、それに関連した損失と損害を引き起こしている
水の供給、農業や漁業、健康、自然災害といった幅広い分野で、さまざまな影響が広がり特に悪影響が増大
30億人以上の人たちが気候変動に対応できない、ぜい弱な状況で暮らし
1.5度の温暖化によって、世界は今後20年間、さまざまな危機に直面する。一時的にでも1.5度を超えると、さらに深刻な影響が広がり、一部は不可逆的なものとなる
世界の平均気温が2度以上上昇した場合、食料の安全保障に深刻な影響があり、特にアフリカや南アジア、中南米などを中心に栄養失調などが広がるおそれ
洪水による被害は気温が2度上昇すると、1.5度の場合と比べて1.4倍から2倍に増加する可能性
気温上昇の度合いに関わらず虫や水などを媒介した感染症のリスクが高まり(中略)今世紀末までに数十億人もの人たちをリスクにさらすおそれ
Yahoo!ニュース
ヤフーは、2022/3/1の記事でタイトルに「人為起源が自然を上回る」を持ってきています。「人為起源」という表現が初めて使われた、とのこと。そのほか、ポイントとしては以下をピックアップしていました。
人為起源の気候変動は、極端現象の頻度と強度の増加を伴い、自然と人間に対して、広範囲にわたる悪影響と、それに関連した損失と損害を、自然の気候変動の範囲を超えて引き起こしている
アジア地域においては、「暑さや栄養不良」、「メンタルヘルス」、「洪水や暴風雨による損害」などの面で悪い影響が明らかに増大
地球温暖化による気温の上昇を1.5度程度に留める対策がとれれば、短期的・長期的な影響などを抑える効果が期待できる
日本経済新聞
2022/2/28の日経の記事では「気温2度上昇で水不足30億人」をタイトルに持ってきています。待ったなし感があります。
人為的な気候変動が広く悪影響を与えている
これまでより表現を強めて「人為的な気候変動が自然や人々に広く悪影響と損失・損害を与えている」と断言
気温が2~3度上昇するシナリオでは、今世紀末までに洪水で約1500兆円の資産に影響が生じる可能性
飢餓や熱波、途上国など貧困層を直撃
気候変動は特に最も脆弱な人々に影響を与える
食糧生産の効率が落ちることで飢餓に苦しむ人口はアフリカ、南アジア、中米を中心に50年に800万~8000万人になると見積もる
まとめ
あらためて3つのタイトルを並べてみます。これだけでもなかなか味わい深いですね。
IPCC報告書”気候変動で広範囲に悪影響広がる”
気候変動は「人為起源」が「自然」を上回るIPCCが明記
気温2度上昇で水不足30億人も、IPCCが報告書
タイトルに出てこない部分だと、脆弱な暮らしをしている人々たちに特に悪影響を与えること、食糧生産への影響による飢餓や栄養失調、といった部分が記事中で挙げられていたのが印象に残りました。
よかったらWG1の時の記事もご覧ください
おわりに
このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。
ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。
しのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie
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