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【詩】ひまわり


本当のところ原因はたくさんあるのだろう
きみが怒って出ていった朝
季節は変わり目を迎えていたのか

緑色の夏から秋に変わる一瞬を
ひょっとしたら 植物や虫たちは
正確に見て取ることができるのだろうか

高くなった空
ひまわりの最後を知ってるかい
太陽に向かって咲いた花も
やがて褐色になり こうべを垂れる
ひと夏の記憶を蓄えた種をかかえる

誤解を招いた発言から
こころに生まれた綻びを 修復する
言葉の針を
うまく持つことができなかった

植物や虫たちのように
風の変化を 正確にとらえていたら
きみはもっと笑っていられた

あの日
割れた皿を片付ける光景が
よみがえってくる
きみが育てた
庭のひまわりが枯れるのを見つめていた



……・……・……・……・……・……・……

    イラストお借りいたしました
     ありがとうございました

・……・……・……・……・……・……・…

(ちょっとだけ解説)

 1年くらい前、ここ note に「杪夏 びょう
か」という詩作品を掲載したときにも書きま
したが、夏から秋に変わろうとする瞬間を描
きたい。私はどうも夏の終わりが生み出すさ
びしさにも、美意識のようなものを感じとろ
うとしているのかもしれない。その瞬間を、
フレームにおさめる感覚で言葉をつづる行為
に魅せられている。
 作品を振り返ってみますと、詩というより
は、どちらかといえば歌詞に近いものができ
あがってしまったなと感じています。これを
書く少し前、ラジオから小田和正さんの「愛
を止めないで」が流れてきまして、あとにな
っても口ずさむくらい聴き入ってしまいまし
た。詩作をするにあたり、フラットにしたつ
もりですが、頭のどこかに残っていたのかも
しれません。


 お読みくださいまして、ありがとうござい
ました。



#夏の思い出


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