坊ちゃん文学賞の旅

8月24日、25日と一泊二日で愛媛県松山市へ一人旅で行ってきました。目的は、というか口実は、「坊ちゃん文学賞」関連イベント、「ショートショート書き方講座」に参加するためです。(旅行計画段階の日記はこちら

一日目

出発
4:50に起床。
5:20に家出発。徒歩でJR丹波口駅へ。ホームに出ると、さすが京都中央卸売市場、既にみなさんきびきびと働いていらっしゃる。ターレー、ゴゥンゴゥン、大型トラック、ごー。時間が近づいてくると、ぱたぱたと多くのひとがホームへ。土曜日の早朝、5:55なのに列車はいっぱい。旅行者はともかく、出勤のみなさんはご苦労さまです。
京都駅で電車を乗換えて新大阪へ。
6:59、「こだま」で新大阪を出発、岡山へ。8:13岡山着、乗り換える前にショップを覗いてゼリーやお菓子など、「帰りにここに寄ってこれ買おう!」と決意。
8:32岡山発。

本州から四国に渡るときにはわくわくしました。
そして、草深いなかを、斜めに傾いてすごい勢いで走る列車は自然のジェット・コースターのよう。広がる山の緑。木々の緑でなく、草の濃い緑。「もののけ姫」ででーだらぼっちが侵食していった、あの緑の広がる山の斜面の色です。

11:15松山着。
帰る直前に、駅で大方のお土産を買おうと思っているので駅の土産物店をチェックしてから、駅をでていきます。
向かう先は、JR松山駅から電停1つさきくらいのところにある「モアミュージック」さん。
あちこちにライブで出かけているミュージシャンの友達なら、松山にオススメの飲食店あるだろうと訊いてみると、「ここに行ってみたら、きっといいところを教えてくれるよ」と教えてくれたのです。ご主人は広島に出張中で、奥様が親切にいろいろと教えてくださいました。
・COMSという、セミナーのある場所はここからすぐ近く。
・中心地の「大街道」には歩いてもいける。お城公園をつっきるとショートカットになる。
・「RICO」というスイーツのお店はほんとうにオススメ。
・三津浜というところが、土日ににぎわっている。
などなど。

事前にあらかたネットで調べたのですが、地図では距離感がよくわからず、案外ちかくに見えるのがとんでもなく遠かったりしますが、今回は逆で、電車3、4駅の距離でもふつうに歩けるようです。
奥様にお礼を言って歩き出し、お城公園を突っ切ります。教えてもらわなければ、ここを迂回していくところでした。

行動予定
旅の計画はこう。
いちおうメインは25日(日)13時(12時半受付開始)のショートショート書き方講座。あとはフレキシブルに。
調べてみると、「鯛めし」というのは二通りあり、普通の「鯛めし」は炊き込みご飯だそうで、「宇和島鯛めし」というと、ごはんに鯛の刺身と卵を乗せて醤油をかけていただくものがあるらしい。わたしは断然後者。宇和島鯛めしと海鮮は外せない。だから一日目のお昼は宇和島鯛めし、夜は海鮮のお店。二日目のお昼は適当に。できれば「坊ちゃん列車」に乗りたい。

理解するのに時間がかかったけれど、よそ者にはまぎらわしいけれど、「JR松山駅」というのと、「松山市駅」というのがある。松山市駅から、中心地の大街道までアーケードでつながっているらしい。
位置的には、JR松山駅ー松山市駅ー大街道ー道後温泉、という感じ。
ホテルは大街道駅のちかくで、チェックインは15時から。

なので、プランAとBを用意しました。
<プランA>
お昼~大街道などをぶらぶら、ホテルにチェックインしてから道後温泉へ。戻ってきて、中心地あたりを散策して晩御飯。いいところが見つかれば、バーなどの飲み屋にも。
<プランB>
お昼~道後温泉に行き、ホテルにチェックインして荷物を置いて中心地あたりを散策して晩御飯。いいところが見つかれば、バーなどの飲み屋にも。

実際の行動
「モアミュージック」さんからお城公園を突っ切って難なく大街道に到着し(といいつつ、一回、ひとに訊きましたが)すぐ、ネットで調べておいた「」さんを発見。「三越と全日空の間の筋をはいって二つ目の角」という説明がわかりやすかったです。

入ってみると、いやよく考えたら外観、たたずまいからそうだった、上品な割烹といった趣でメニウの値段もお昼にしてはお高いので内心焦りましたが、心を落ち着けてみると、2000円台のものもある。さらに、「宇和島鯛めし」の名前がないのでしまった、たしかネットで調べたときはあったのに?とお店のひとに訊くと、「鯛めし丼ですね」という。それは2000円弱(消費税を含むと、2000円を超えましたが)。安心してそれを頼む。

お店はほどよい広さで、別室があるようだけれども、はいってすぐは大将が差配する板場を囲んだ大きなL字型のカウンター席。大将の声の出し方、声のかけ方が偉そうでなく、的確で感じいいな、と思って周囲を見渡すと、しつらえやかかっている額の言葉など(詳細は忘れましたが)、食を心から愛するひとのものだな、と感じました。

そして出てきた鯛めし丼!
新鮮な天然鯛の刺身はふっくらで脂がのっていて、いままで食べたなかで最高のものでした。この一口目の感動がすばらしかった。
半分くらい食べ進むと、大将がやってきて「鯛を釣ったのと同じ漁師さんが釣ったハマチで」と二切れ、丼のなかに入れてくれたり、「さっきの鯛の皮を湯引きしてポン酢であえたものです。よければ」と持ってきてくれたり。
わたしが美人だからかと思ったけれどどうもそうではなく、先客の何組かにも同じようにあれこれ話しかけてはサービスしているから、ひとを喜ばせるのが好きなんだな、と思いました。

そして食べ終えたタイミングで大将自らがお盆を下げてくれ、
「お客さん、お時間いいですか?」
と言われて、「大丈夫です」と待っていると
こんなにも見目麗しく、そして美味しいデザートをサービスしてくれました。綿あめ細工の網は手でちぎって丸めて食べるものだそうで、腕の中身はナントカのジュレに黒糖でしたっけ?のお菓子…こんな粋で美味しいもの、お金持ちのみなさんには普通かもしれませんが、庶民では京都でもなかなかありつけません。
大将は会計をして店を出るときにも気持ちよく挨拶してくれ、もうこのお昼だけで松山に来た甲斐があった、と思いました。

料理はもちろんのこと、対応でもよい気持ちにさせてくれて、…と、豊岡のなか井さんを思い出しました。

道後温泉へ
さて、電車の駅3つくらいは平気で歩けることがわかりました。
見知らぬ土地にいくと、歩き回るのが好きです。海外でも、まず周辺の地理を理解しようとひたすら歩き回ります。昼食終了時点で、プランBを採択決定。道後温泉にむかうことにします。

事前調査によると、「坊ちゃん列車」は松山市駅から出発。JR松山駅からも出るようですが、本数が少ない。
昼食を終えて地図の通りに歩くと簡単に松山市駅は見つかり、「いよてつ」インフォメーションに行くと、次の坊ちゃん列車は14:02発。
乗車には、乗り場で待ち、出発の20分くらい前から列車はスタンバイするので車掌から直接乗車券を買ってくださいとのこと。いま、13時。荷物をもって、あと1時間うろうろするのはきついなあ…。
よほど普通の電車に乗ろうかと思いましたが、せっかくの機会なんだからと周辺を歩いて時間をつぶすことにしました。そういえば明日のセミナーの会場は松山市駅から徒歩10分くらいとのことなので、場所確認しとくか…と歩き始めたのですが、なかなか見つからず。そろそろ戻ったほうがいいかな、と踵を返したところで、さきほどから弱い波が起こっていたのですがだんだんと、ときどき起こる、あの、腹痛の波が…。さいしょ、無視できると思っていたのですが駅にちかづくにつれ、絶対に出発前にトイレに行っておいたほうがいい状況に。「こういうとき、遠藤周作は『お猿の駕籠や』を歌ったほうがいいとたしか書いていたな」と、心の中で歌いながらさきほど場所を確認していたトイレへ飛び込む、ぎりぎりセーフ。

なんと、坊ちゃん列車に間に合うか間に合わないかの時間になり、焦りつつ乗り場に駆け付ける。すでにたくさんのひとが乗り込んでおり(「ほんとはわたし、一番最初に乗れるくらいの時間から待ってたんですう」と言いたいがそうもゆかぬ)、30歳前後と思しき車掌さんから
「途中下車はなく、道後温泉行です。もう席は埋まっていると思うので、立ちの乗車でよければ」
と言われたのでそれで結構です、と言って購入すると「乗車はすこしお待ちください」と言われる。どうやら、先に購入したひとを乗車してからOKが出るらしい。すぐに「どうぞ、ご乗車ください」と言われたけれど、外観の写真を撮りたかったので「あ、写真撮ってからでいいですか」「いいですよ」
写真を撮って、さあ乗車しようとするとさきほどの車掌さんは別のお客さんと話し込んでいる。券を取り出してさあどうしようかと思っていると、そばにいた年配の車掌さんがやってきて「どうぞ」と言いつつ、「もう、ご案内しましたか?」というので、チケットを買っているのは明らかなので、乗車についての注意点かと思い、「はい、立ちの乗車でよければとのことで」と言うと、また「もう、ご案内しましたか?」と言われて「??」となっていると、若い車掌さんに「〇ちゃん、もう乗ってもらっていいんか」と訊いていました。OKとのことで、年配の車掌さんから「ではどうぞ。席があいていたら、座ってもいいんですよ」と言われ乗車すると座れるスペースがあったので着席。
そうか、「どうぞご乗車ください」と言われましたか、と訊いていたんだな。いるよなあ、相手がなにを理解してるかしていないか、読み取らずにわかるように言い換え、説明しない(できない)ひと。田舎だからか、年齢だからか、そのひとの性格なのか。と、エアコンのない暑い車内で木の椅子、足元の感触を味わいながら少し考えました。

いざ、列車が出発すると、車掌さんが要所要所で説明してくれるので、ああ、普通の電車に乗ると160円のところ、800円もするのはこの列車に乗るだけではなく、観光案内もついてるからなんだな、と思いました。ガタゴトガタゴト、ポルシェに乗ったときのように地面の感触を体に感じます。

道後温泉
道後温泉に到着。すぐそばにネットで見かけたからくり時計が、ちょうど動いている。ホテルチェックイン前で荷物重いし、なにも買うまいと決めて商店街をずんずん歩いてゆく。たいてい、観光地と繁華街、駅前の土産物店にあるものは同じものを扱っているので、土産物は最後に電車に乗る前に買うと決めている。あとでわかったが、道後温泉本館そばの「みかんの木」という店のものだけは、それほどのラインナップが中心地でも見られなかったので後悔した。

道後温泉には「本館」「別館 飛鳥の湯」「別館 椿の湯」というのがあるらしい。奈良、飛鳥時代が好きだし、今回調べてみて知ったのだが、大好きな額田王があの歌を詠んだ熟田津はこの付近だということで、熟田津の歌をコンセプトにしたい飛鳥の湯はぜひとも行きたいが、「千と千尋の神隠し」の風呂のモデルにもなっているという本館は外せないなあ…と、まずは本館に。入り口前はシルバー人材みたいなひとが案内して、中は若者が対応。案内の仕方が下手で、「どうぞ靴のままで入ってください」と言われて進むと、入ってすぐのところ入場券を買うところがあり、そこで買った券を見せ、石鹸や貸しタオルをお願いするカウンターがあったのだけれど、はじめてだからわからずに進みすぎると若造の案内人から「これ以上は土足はやめてください」「タオルはもってますか?なければここでレンタルがありますが、まずはあちらで入場券を買ってください」と、なにやら言い方や口調が、かなり失礼。ほぼ観光客だろうに、つまりほぼ仕組みがわかっていないひとだろうに、知っていて当然、え?それくらい知らないの?迷惑。みたいにとれるようなしゃべり方。もうちょっと穏やかなひと配してくれないかなあ。と思うこころを押し隠して表面にこやかに、入場券買って貸しタオル申し込み担当のおねーちゃんは若くて可愛かったので我慢して、若者には内心ぺっと唾を吐いて入場。

入ってみると、ネットみてたのでわかっちゃいたけど大きな浴槽がひとつあるだけ。ぬー。そういや、いろんな湯、水風呂電気風呂薬湯露天風呂サウナがある京都の銭湯に甘やかされていたが、ここは温泉だったな。昔の銭湯みたいな味わいを楽しもうと入ると、さすがに泉質はまろやかで気持ちよく、旅の疲れが溶けて出るよう。ただ、湯舟がひとつしかないので10分くらいで出てきました。
外にでると、入場の列ができていて、へえ、いいタイミングで入れたなと思いました。飛鳥の湯に入る元気はさすがになく、明日早朝からあいていて、可能であれば来ようと思いました。
お約束、出てすぐのお店でソフトクリームを食べて落ち着いてから、商店街を通って電車乗り場へ。途中、「残糸を使った今治のエコバスタオル」を買いました。

始発なのでスタンバってる電車に乗るとまもなく出発、目指すホテルは実は坊ちゃん列車からも確認できたので、その停車駅でおりてホテルにまっしぐら、無事チェックインして夫から借りてきたタブレットをWiFiにつないであれこれ確認してすこし休憩してから、出発。

夕方散歩
まずはホテルからそう遠くない、夕食をとろうと思っている瀬戸内料理の店を確認してから、大街道駅ちかくの「霧の森大福」の店へ。モアミュージックを教えてくれた友人が、「はやい時間に売り切れるらしいけど、うまかったよ」と教えてくれていたのです。お店にいくとお客さんはおらず、くだんの大福は「売り切れ」の札。お店のひとに「午前中に来たら、ありますかね」と訊くと「はい、朝から置いてますので」。

それから大街道商店街~銀天街を通って松山市駅へ。そこの地下にある土産物屋さんをチェック。明日の行動はホテルチェックアウト→駅コインロッカーに荷物を預ける→セミナー参加→17時ごろまでぶらぶら、と考えているので、JR駅前の土産物店にないものがあれば、明日のぶらぶら時に購入しようと置いているものを確認。

それから徒歩でJR駅へむかう、途中にあるはずのセミナー会場である「COMS」の場所も確認しようと。昼過ぎから小雨だった雨が、結構強くなる。しかし一旦歩き始めたので我慢して歩く。COMSはどうしても見つからず、あきらめて駅にむかう。駅の土産物やさんで置いてあるもの確認。さきほどの店にはあったけれどこちらにはない、「みきゃんの恋」を明日、あちらで買おうと決意。

夕食と夜の活動
電車に乗ろうかと思ったけれど、結局また歩いてCOMSを探し、結局見つからず大街道方面へ。あまりお腹はすいておらず、食欲もなかったけれど、せっかく来たのだからと調べておいた店で夕食。割烹のようなお店で、トマトスライスと刺身盛り合わせを頼む。トマトと、突き出しのピーナツ豆腐はおいしかった。刺身盛り合わせは、鯛とハマチはさすがに美味しかったけれど、ほかのものはここにきたメリットを感じられないもの。とくにマグロは残してしまった。愛媛の純米酒はおいしかった。メニューをみてみて、少々値が張るけどオコゼのから揚げ頼もうかなあ、と思ったけれどどんどんお客さんが入ってきて店が忙しそうになってきたのと、お昼のクオリティが高すぎてこちらにがっかりしてしまったのとでここで切り上げてホテルにむかう。とちゅう、コンビニに寄ってアルコールとカップ担々麺を買い、ホテルの部屋で酒を飲み、カップ麺をすすりながら壁のハンガー吊るしたデニムパンツの足元を、ヘアドライヤーでひたすら乾かし、タブレットで夫と交信したり、ネットの調べものしているうちにベッドの上で倒れて寝る。

0時すぎに目覚め、3時ごろまでまた調べものや夫と交信。「飛鳥の湯」は7時からやっているようだし、電車ももう走っているので朝起きれたら行こう、と目覚ましを6時半にセットする。地図をみると、JR松山駅からここまで徒歩で歩いたくらいだから、ここから道後温泉まで歩いて行けそうだぞ?電車で時間がかかったように思ったが、おもに信号で止まっていたからみたいだったし。まあ、あまり無理せんと、なりゆきでいこう、と寝る。

二日目

6時半の目覚ましで起きられました。
ついつい、そのままのびていそうでしたが「いかんいかん、このままじっとしてたらまた寝る。せっかくの機会なのだから」と気合で起き上がり、服を着てホテルを出る。エレベータでゴルフ道具をもった男性と一緒になる。そういえば、部屋にあった案内にも「ゴルフ目的の方」みたいな案内あったし、ゴルフ場ちかいのかな。そのひとを先に乗せたり、先に出るようにすすめましたら、「いいですよ、ありがとうございます」とすごく丁寧に言われました。朝から気持ちいい。

電停にいくと、目の前で出たところ。7時。
時刻表をみると、なんと次は7:25。それからは、10分ごとに出るようなのに。ぼ~っと待っとくの嫌だし、これは昨日の思い付きを実行すべしということではないだろうか。と線路をたどって(地図上でも、シンプルな道のりのようだったし)歩きだす。昨日2回通った道を、こんどは徒歩でたのしみながら行くと、最後のほうで道端に地図があったので何気なくみると、電車道より手前で左に曲がると並行して道後温泉に到達できる道があり、しかもそこが「熟田津の道」というでわありませんか。これはこれ、歩かねばならんやろ、なんのための徒歩ぞ、と熟田津の道(どってことない、まあ趣はある小道ですが)を進んでゆくと、熟田津醸造元の看板。ああ~、もすこし遅い時間、あるいは昨日気づいてたらお酒買えたかな。まあ、全体的にいろんなことがうまい具合に進んでるので、これくらい。

早朝道後温泉、飛鳥の湯
そうして念願の「飛鳥の湯」へ。
40歳代~50歳代と思しき入場券販売の女性はきのうの若造とはちがい、丁寧に、わかりやすく説明してくれる。その土地の温泉タオルを買い求める傾向があるので、きいてみると見本を見せてくれる。なかなかよい感じなので買い求める。あとでわかったけど、今治産。

まだ8時まえなので客はすくない。きのうよりもすこし施設充実、屋内の、きのうより広めの湯船に加えて露天風呂もある。満喫。昨日はいちお、日焼け止めが主な目的の化粧してたけど、いまはしていないので顔も存分にタオルでこすれる。はあ~、至福。のぼせるたちなので、あまり長くはいっておられず、脱衣場にでてきて身体をさまし、着替えようかなと何気なくみた壁にプロジェクションマッピングのスケジュール、え、8時っていまやん?と風呂場に飛び込んでみると、まさに地味な熟田津ディスプレイ。しかもさきほど、全員あがって誰もいないなか、どぼんと湯船に浸かって熟田津のプロジェクションマッピング観賞。
すっかり満足して出て、帰りに湯上り朝市とかいう地味な朝市でハウスみかんを買い、ホテルに戻る。こんどは電車で。

お昼までの時間
ちんたらちんたら部屋で過ごし、計画を練ってチェックアウト。
10時よりすこし前なので、周辺散歩しようかと思いつつむかった「霧の森大福」の店には店外からはみ出て人が並んでるのでぶっ。ふだん、行列に並ぶのは嫌いなわたしですが、「せっかくだから、時間もあるし」と思って並び、20分ほどかけて無事購入。

それから電車に乗ってJR駅へ。コインロッカーに行ってみると、数すくないからもしやと危惧を抱いていたけれど、ほんとに全部ふさがっている!が~ん。
それにしても、数すくなすぎやで!松山市駅にもっとコインロッカーあったから、そこに持っていくべか、、、しかし、またこっちくるときも重いよなあ。と、一縷の望みをかけて観光案内所に「コインロッカーはあそこだけですか?」と訊くと、「いえ、もう一か所あります!」と地図を出して「いま見られたところがここだと思うんですが、こちらにもう一か所あります。大き目のもありますので、どうぞご利用ください」と、彼女が女神様に見えました。

東西南北がわからんので便宜上、最初に行ったのが駅西側だとすると、すこし、いやだいぶわかりにくい東側のロッカーに行くとこちらのほうが数段数多い。もちろんたくさん空いていて、ほっとして荷物預ける。

それから歩いてセミナー会場、「COMS」捜索。せっかくのセミナーに、会場に到達できないと困るからな。昨日のホテルでのネット検索の結果、どうやら「コミュニティーセンター」と「男女参画共同推進センター」を混同していたのでわけわからんことになっていた模様。セミナー情報のアクセス図から探すと、無事みつかった。
そこから、同じ通りをずっと歩いていくと、お昼食べようと思っていた店にたどり着いた。老舗の「五志喜」さん。
昨日、極上の「宇和島鯛めし」は食べたことだし、刺身などより、火を入れたものがこちらは美味しいとネットの情報で読んだこともあり、きょうは炊き込みのほうを食べようと。

一人客の多い、相席の空間に案内され、炊き込み鯛めし定食をば。

量が多くて無理~、と思ったけれど、じりじり、お櫃から茶碗に移し替えつつ食べていったら完食できました。帰りはレジ前にあったクッキーを娘のお土産に買いました。

ショートショートの書き方講座
同じ道をたどってCOMSに行くと、12時半すぎ。セミナーは13時から、受付12時半からとのことで、すこし早すぎたかなと思ったけれど、みなさんけっこうどんどん入っていくのでつられて中へ。

受付を済ませて、会場へ。
「前のほうから、お座りください」
との案内に遠慮せず、前のほうへ。
資料をみていたりすると、
「ワークで、同じ机の方々と話し合うことになるので、事前に自己紹介など、お話していただけると幸いです」
とのアナウンス。へえ、運営上手だな。
と思いつつ、同じ机のひとたちと話す。

70歳代の元気なおばあさんと、20歳代と思しきメルヒェンな感じの少女、50歳前後のすこし気の強そうな女性。
なんとか押したり引いたりしながら皆さんと交流しているうちに、セミナー開始。

講師は「坊ちゃん文学賞」の審査員長、田丸雅智さん。
お名前は知らなかったけれど、近年、ショートショートの旗手としてあれこれの賞を取っておられるようです。
写真をみると、気取り屋さんのように見えたのですが、実際は東大工学部出身というのも納得の、非常に頭がいいうえに社会性のある方でした。

セミナーの流れは
・講師自己紹介、説明
・ワーク1
・説明
・ワーク2
・説明
・ワーク3
・発表
・映画鑑賞
でした。

・ワーク1:思いついた名詞をリストアップ。そのなかからひとつ選び、その名詞から思いつく表現をリストアップ。

・ワーク2:名詞と意外な表現をつなげて、あたらしい語句を作る。できたものを、同じテーブルのひとと紹介しあう。

・ワーク3:できた語句からひとつ選んで、意外性のある短い物語をつくる。できたものを、同じテーブルのひとと紹介しあう。

といった感じでした。

できた作品を、何人か自薦他薦で発表したのですが、なかなかに面白かったです。自分の発想の貧弱さ、広がりの狭さに落ち込みもしましたが。ただ、自分の傾向もわかってよかったです。
同じテーブルのひとは、おばあさん、書くのが好きという割にはまとまりがない。童話少女はかわいらしく、クセの強い女性はこれまでもこの文学賞(おそらくこれだけではない)に応募してきていたということだったけれど、発想も面白くなく、展開も下手。文章力もない。実際の会話をしていても、ちょっと人を見下すようなしゃべり方をするけれど、本人様は大したことないなー、と感じました。

自薦他薦の作品発表は、おもしろかったです。
小学生の子数人の発表もありましたが、やっぱ子どもって発想が柔軟だな~!と感心。子どものころに、創造力をふくらませるべきだと、強く思いました。

映画は、田丸さんのショートショートが原作らしい、又吉さん主演の芸術系映画。実験映像などにも慣れ親しんでいる近年なので、楽しめました。

セミナー後
さてセミナー終了後、徒歩で「松山市駅」へ。途中に子規先生誕生邸跡。

松山市駅前の土産物屋さんで「みきゃんの恋」購入。
それから、モアミュージックさんに教えてもらった「RICO」さんでお茶をしようとずいぶん探し回ったのですが、ついに見つからず。あきらめてJR駅へむかって歩きます。

17時37分出発の電車の時間がせまっているけれどもうすこし時間がある、パフェでも食べようかと駅ちかくの喫茶店のドア開けてみるがなんか違う。さきほど通りすがって気になったウタコドリップさんに行ってみようと、勇気を出して行ってみると、これがたいへん美味しかった。ライブなどのイベントも開催されるようで、フライヤーをみていると映画関連での知っているひとの名前もあったり。

到着すぐにも、去り際にもよいお店に出会えて中身も充実で、ほんとに素敵旅でした。

駅前のキオスクでお土産買いまくり。
これをほぼ、娘が消費するという…。
みきゃんは好きなのですが、グッズになると可愛く思えず、思わずバリィさんグッズを。写真にのっていないもので「霧の森大福」、バリィさんの今治タオル、飛鳥の湯今治タオル、残糸利用エコ今治バスタオルがあります。


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