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価値観が合わない

「それ、めっちゃわかるわ…」と同意してくれる人もいると思うが、実家方面との会話は毎回HPを削られる。

なぜか?
理由はいくつもあるが、一つに絞るとしたら「価値観が合わない」という部分が大きい気がする。
老いた親には感謝してる。もちろんだ。私がいるのはあなたのおかげです。育ててくれて感謝してます。
でもあなたとの会話はHPを削られるんです。
価値観が合いません。
それはきっと、あなたが田舎に住み続けてる人だからです。
母数が少ないがゆえの限定された人間関係の中で、本来なら相手によって分けられるべきあなたの中の「愛」と「憎」が、同じ相手に向けられてしまっていることが私は理解できないでいるのかもしれません。

あなたは電話で相手とのことを私に語る。
これこれこういうことがあり、すごく助けてもらった。でも感謝だけでは終わらない。
それだけお世話になったその相手に、同時に陰口を言えるのはなぜなのか。
感謝すべき相手の欠点をどの面さげてあげつらうことができるのか。
また、妬みや嫉みの感情を、その相手のことすら知らないこちらに、電話口で延々と話し続けたがるのはなぜなのか。しかもその話題、話の流れと関係ないですよね。

田舎の人間関係は濃いという。
閉じられた雪国にぽつりぽつりと点在する、田舎の風景がありありと浮かぶ。
そんな中でそれぞれの存在はよほど大きく捉えられているのかもしれない。
己の中で分散されて然るべきだった愛と憎、肯定と否定、感謝と嫉妬、尊敬と蔑み、そんなあらゆる二律背反が、一人の相手に向けられるのは、田舎という人口密度の中では仕方のないことかもしれない。

「ごめん、ちょっと話しているのがしんどくなった」
そう言って自分は電話を切ったけれど、これは言語化された本心そのままです。

だが、その二律背反はあなたそのものにも存在している。
言っちゃあ悪いが徳の低い、ややもするとゲスのような言葉まで発せられるその口から、非常に聖なる温かさを持った言葉も発せられる。人間らしい、とでも言えばいいのか、それはどちらも本当のものとして存在している。それが私を疲れさせるのです。

やぶさかではありません!