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短歌アイデア帳001「独学」

独学短歌道

 短歌や和歌に歌の先生は必ずしも要らないです。なぜなら、自由詩にも先生なんていませんから。現在、和歌には家元制度はありません。したがって師弟制度が存在しません。あるのは、歌壇かサークルというようなコミュニティだけです。基本的には、先輩が後輩に教えることはあっても、師弟の関係ではないですよね。強いて言うなら「講師」と「生徒」みたいな。だから「道場・稽古場」というよりは「学校」や「塾」に近いのかも知れませんね。僕は短歌が好きなだけで、そういうのが苦手なので、できるだけ関わらないようにしています。ただ、そうは言っても独りで黙々と短歌を作っているのも寂しいですよね。そこで、幸いにもネットには投稿サイトがあるので、筆名を使って歌詠みを楽しんでいます。新聞や短歌誌への投稿は今のところ一切していません。しかもウェブにアップしてしまった時点で、受け付けてくれるところはほとんどなくなってしまいます。投稿する作品の条件として未発表・未投稿が原則なので、当たり前と言えば当たり前ですが。でも、却って、そのほうが気楽でいいし、「好き・嫌い」と「コメントのやり取り」だけで十分楽しめます。あとは、のんびりマイペースで行けばいいかなと思っています。

ネットの投稿作品は別物

 投稿する時、僕は「私之若夜(しのわかや)」や「shino-waka」の筆名・アカウントは一切使っていません。別人として投稿しています。歌の雰囲気はそれほど変えてはいませんが、最近は「クソ」がつくくらい真面目な態度で投稿しています。歌の内容も堅いです。自分で言うのもなんですが、このnoteでアップしている短歌のほうが、ずっと緩い感じがします。以前は滅茶苦茶ふざけた作品を堂々と投稿していました。参加している人たちの反応が面白くて。でも、ある時ふと思ったんですよ。真面目にやっている人に対して失礼かなって。いくら筆名で素性を伏せているからと言って、傍若無人な振る舞いはよくないですよね。本当に反省しています。で、それまでの筆名改め別名でまたはじめました。でも、みなさん、優しいんですよ。一度も責められたり、注意されたりしたことはなかったです。いい人たちばかりで。名前は挙げませんが、最近、NHK短歌の雑誌(月刊誌で毎月20日くらいに発行されていて、僕は投稿はしませんが雑誌には目を通すようにしています)を見ていたら、同一筆名で入選、佳作、佳作秀歌などに入っている方たちが多くて、びっくりしてしまいました。多分同一人物だと思います。歌風でもそれが感じられるので、まず間違いありません。それが十数人、多いときには二十人近くも名前が上がっています。しかも、同じ人の歌が複数選ばれている場合も多いです。NHK短歌の選歌をしている先生は、もちろん現役の有名な歌人ばかりですよ。その方たちに選ばれているわけですから、要するに、歌のレベルが高いんですよ。その人たちの中に、自分みたいな、どこの馬の骨ともわからない初心者が紛れ込んでやっているわけです。だから、そこにいるだけで、僕としては非常に勉強になるわけです。

楽しむだけなら楽なほうがいい

 ウェブ・コミュニティを使えば、手軽に誰でも短歌を始められます。通信講座で和歌から習うのもいいかもしれませんが、楽しむだけなら、ネットで十分ですよ。新聞社や出版社が主催する歌壇への投稿など腰を据えてやるのなら話は別ですが、そうでなければ、手軽なほうがいいです。しかもネットでやるのは独りでやっているのと全然違いますよ。先生もいないし見た目は独り学びですけど、完全な独学ではないです。一応、ネット上に仲間がいますので。また、慣れてくれば、PCと向き合うのも短時間で済みます。熱くなりすぎなければ本業に影響なく十分取り組めるはずです。趣味や教養としてなら、フットワーク軽くやるほうが断然楽ですし、現実的です。そうして、短歌を詠むことに慣れて、楽しく詠うことができるようになってから新聞・雑誌などへの投稿を始めてみても遅くはないと僕は思っています。