音楽と美術

学校で学ぶ芸術教科です。
私は度々この二つの共通点や違いを考えることがあるのですが、最近かなりハッキリしてきたところがありまして。

それは美術は実物を表現できるものであり、音楽は実物を表現できないもの、ということ。

芸術には作品のためのモデルがあります。これは美術も音楽も共通です。
しかし、もちろんそのモデルを通して作られるものは大きく違います。
例えばモデルが風景であるならば、美術はその風景の絵、音楽はその風景の曲、となります。
ここで違和感を感じませんか?
そう、「その風景の曲」なんてないのです。正しく言うのであれば「その風景をイメージした曲」。
つまりどんなに気持ちを込めて細部にこだわりを持って作っても、「○○っぽいね」で終わってしまうのです。
何か参考元があったとしてもそれを音楽の形式に当てはめた場合どういう作品になるか、という営みなので、
美術にあるような再現性は音楽にはない、ということになるんですね。

それでは音楽は美術に劣るのか?となるわけですが、そうではないはず。
私が音楽において一番感じるメリットというのは、演者と観客がリアルタイムでその価値を共有できるということ。

例えば演奏会やライブなどを想像してみると
ホール全体が一体となって という表現を聞くことがあります。
これは聴衆のみならずその演奏者までもがその曲の素晴らしさを進行形で享受している、ということです。
美術は作成の過程を経て作品として完成し、それを観衆が観ることでその価値を感じます。例え展覧会で画家がその絵の前に立って見に来た人と一緒に絵を鑑賞しても
その場が一体になるという現象は起きません。
対して音楽は、まさに聴衆の目の前で作品が作り上げられるため前述のような一体化が起こりうるのです。
体験した人しかわからない無類の興奮、そして幸せです。
これこそが他の芸術では提供できない大きなメリットである、と私は考えています。

この他にも音楽と美術の共通点、違いはたくさんあると思いますが
考えだすとキリがないんですよね。
無理に線引きするのも無粋とは思いますが、これからも気づいたことがあれば書いていきたいな、と考えています。

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