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#しのログ「いつかの記憶の片隅に」【#10】

「いつかの記憶の片隅に」残っている言葉や音、色や香りはありますか?

わたしは、今日はるか彼方に眠っていた記憶を呼び起こされました。本日は金城一紀の『映画篇』から、「太陽がいっぱい」。5篇が収録された、オムニバス形式の作品のうちの1本です。

本来ならば、5作とも責任を持ってログに残すべきなのかもしれませんが、しっかりと作品に向き合いたいので1日1作にしました。9月に入ってもきっとまだまだ読み続けるので、そのときに少しずつログに残していこうと思っています。


荒野の七人……とても有名な映画だったらごめんなさい。ひどくエンターテインメントに疎いタイミングがあるので、そういう名前の映画を、今日初めて知りました。

でも、そういう名前の“音楽”だったら、知っています。エルマー・バーンスタイン作曲の『荒野の七人』。


11年前まで遡ります。小学校四年生のときでした。吹奏楽に明け暮れていた幼い頃のわたしが、毎日のように演奏していた曲がありました。

愛称、“こーや”という曲。

正式名称として“こーやのしちにん”と呼んでいましたが、どんな漢字を書くのかも、どんな意味なのかも、知りません。ただ、刻まれる音階があまりにも美しすぎたため、大切にしていた曲でした。


-『荒野の七人』って書くのか……と知った今日、すぐさま曲のダウンロードに走ったわたしの話が長いのでそろそろ打ち切りにしましょう。


とは言っても、「記憶」をテーマに語ることができるように感じた作品です。例のごとく、まだまだ頭が追いついていないところが拙いですが。

在日朝鮮人のふたりの男子高校生の友情。時を超えて、つながる友情。ありきたりな表現なのでどうにかならないかというところだらけですが、「親友」と呼べる存在でありながらも多くを語らない姿勢・汲み取る姿勢、格好いいです。男子高校生だから、なお魅力的に映ります。青春時代の友情って、なによりも心にしっかりと刻まれている気がします。


さらに軽快なテンポから紡がれる読みやすさと、先が気になる尾の引き方。次のページをつい捲らせるあの感じ。引き込まれます。

とくに、「さあ、救いに行こう」という一言の持つ“ページめくらせ力”には敵いません。光のような速さで、めくらされてしまいました。シュパって。



読み終えてから、「太陽がいっぱい」も映画の名前と知り、さらにはストーリーとしても絡み合うのだそう。知識知らずが恥ずかしいところではありますが、せっかくだから今度は映画も見てみよう、と思わせてくれるのが優しいところ。

そして、5つの作品にもなにやらの仕掛けがあるようなので、今後じっくりと紐をといていきたいと思います。



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