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#しのログ「人は見た目じゃない、本も」【#23】

うーーーん、久しぶりにちょっとだけ読みやすくない本に出会いました。しのです。今日は、小川糸さんの『ツバキ文具店』。

たぶん、わたしと同じように文房具が好きという方だったら少なからず手に取りたくなる本のような気がします。『注文の多い料理店』をグルメ好きの人が購入したのに美味しい描写が少なくてガッカリしたと言った言葉が、ふと頭に響いてきます。


小川糸さんはずっとずっと読みたい作家さんだったのでこの機会に読むことができたのは嬉しいことですが、なんというのか心の底から感情を持ち上げられる何かは特には感じませんでした……。さらっと読んでしまったようです。

主人公であるはずの主人公が、珍しいほど客観的なんです。文章だからそう感じるのか、とても自分ごとではないように感じてしまい、寂しさが残ります。


また、わたしが本を読むときに「この本はおもしろいかどうか」を決める大きなポイントに、冒頭の一文があります。

おもしろいことに、書き出しは「私は、〜」と始まります。とても斜め上からのアプローチのようで良いです。作文らしいけれど、これはこれでありでした。ただし、その後も読み進めたくなるかどうかというと、残念ながらそうではないかなという感想にたどり着いてしまいました。


ただ、文房具が好きな方にとっては、わたしも含めておもしろい書籍のはずです。なにせ普段は描写されることのない文房具が、しっかりと色濃く描かれているのですから。そういった読み方をするのであれば、また違った発見ができるように思います。

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