#しのログ「人である限り、やわらかく生きていたい」【#11】
本日8月11日、山の日をもちまして、22歳になりました。鈴木しのです。
大きな実感もないので今までと変わらずに文章と向き合うのみですが、たくさんの方にお祝いしていただいてとても感謝しています。
そんな、22歳の初めの日に読みたい本として選んだのは、俵万智『チョコレート革命』。
やわらかく、心をほぐすような万智さんの文章に触れることで、心の弾力に富んだ人間になりたいと思い、選出しました。
五・七・五・七・七、31文字から伝わるどことない足りなさと心地よさ。
どんな情景なのかを当たり前のように言うことよりも、余白をつくることでその先や奥にあるものを感じさせる効果が生まれるように感じます。
たとえば、こんな風に。
「はじまりと思いたけれどおしまいとなるかもしれぬ夜を抱かれる」(p72)
解釈はそれぞれ、いろいろな考えと情景が思い浮かびました。“抱かれる”って、どんな意味でだろう、どこでだろう。はじまりとおしまい……なにがあったのだろう。すべては万智さんの心の中にあるもの。私たちは自由に思慮深く考察することができます。
ただ、考察することや批評することが、わたしの目的ではありません。意味を推察することももちろん読書の楽しみですが、わたしが魅力的と感じる点は何より言葉の選び方。
例を挙げればキリがありませんが、幾度となくハッとするような言葉を紡いでいます。わたしには、まだまだできない感性が、そこにはありました。
文章が苦手な方、活字に抵抗がある方、いろいろな方に読んでみてほしいです。たぶん、語れることがたくさんあるはず。わたしも、一句一句に心を込めて、丹念に読み込んでみます。
「静けさが宿る奥の音六畳間ビビッドカラーがやけに騒げり」
今日の一句みたいな連載も面白いかもしれないですね。楽しそうです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?