わたしは自己を信じる心を育んでいる仏教者である
自己に対する疑い
天台大師智顗(ちぎ)の大著『摩訶止観』、およびそれを継承し解説した妙楽大師湛然(たんねん)の『止観輔行伝弘決(しかんぶぎょうでんぐけつ)』には「疑蓋(ぎがい)・治疑蓋(じぎがい)」、つまり「観心修行を妨げる疑い」と、その解決方法が説かれている。
まず、仏弟子が陥る三つの「疑い」として、『摩訶止観』には次のように説かれる。
これは止観の瞑想法をさまたげる煩悩としての「疑い」を説示したものである。仏道修行者が自己・師匠・法(=ダンマ)を疑い、観心修行が妨げられ