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2024 夏の選手権兵庫県大会 ベスト16予想&展望

こんにちは!
2024年もついに夏を迎え、兵庫県大会の4回戦までの組み合わせが決定しました。果たして、今年はどのチームが激戦の兵庫を制して栄冠を手にし、甲子園への切符を掴むのでしょうか。早速、今大会のベスト16予想と展望を見ていきたいと思います。どうぞ宜しくお付き合いください。


2023夏、社歓喜の瞬間

大会方式おさらい

今年の兵庫県大会は、2校連合の3チーム、3校連合の1チームを含む152チーム(157校)が参加し、6/30に開会式が行われ、7/6に開幕します。
春季大会でベスト16に入ったチームが第1シード、ベスト32のチームが第2シードとして、それぞれ9~10校から成る16のブロックに分かれた抽選が行われ、4回戦までの組み合わせが決定しています。5回戦以降は試合後の抽選で対戦校が決まりますが、春季大会の優勝校・社と準優勝校・須磨翔風は、決勝まで対戦しないように振り分けられます。
僕は毎年ベスト16までの予想を行っており、昨年は16校中12校を的中させることができましたが、夏の兵庫は特にドラマが多く、予想は困難を極めます。ですので、僕の予想はあまり当てにせず、肩の力を抜いてご覧いただけると幸いです。
では早速、トーナメントを見ながら、勝ち上がりを予想していきましょう。

トーナメント

ブロック①②

ブロック①は明石商が有力でしょう。"ノーシード爆弾"の一角である関西学院や洲本実などが対抗として挙げられますが、戦力的には明石商が優位と見ます。
ブロック②は好投手・渡辺くんを擁して春季大会で躍進した姫路西に、市西宮が対抗する形となりそうです。予想は難しいですが、今年の姫路西は勢いがあり強豪とも互角の戦いをしていますので、ここは姫路西と予想します。

ブロック③④

ブロック③は第1シードの育英と第2シードの市尼崎の激突となりそうです。もしこの2校が当たれば好ゲームが予想されますが、今年の戦績的には育英が優位と見ます。
ブロック④はが抜けている印象です。実力のある津名が対抗となり得ますが、戦力的には社が優位と見ます。

ブロック⑤⑥

ブロック⑤は、順当にいけば第1シードの東播磨と第2シードの武庫荘総合の激突となりそうです。両校ともに実力はほぼ互角と考えられますが、今年は東播磨がやや優位と予想します。
ブロック⑥には、"ノーシード爆弾"である神港学園が入りました。この神港学園が本来の強さを発揮すれば、このブロックの中では有力と言えるでしょう。初戦の北条、2回戦の八鹿と、決して侮ることはできない相手ですが、波に乗ればブロックを勝ち上がると予想します。

ブロック⑦⑧

ブロック⑦には、今春のセンバツ準優勝校であり今大会優勝候補筆頭の報徳学園が入りました。毎年戦力の読めない不気味な存在である姫路工や実力校の市川が同居していますが、戦力的には報徳学園が頭一つ抜けている印象です。
ブロック⑧は、優勝候補である神戸国際大附が有力でしょう。しかし、好投手・新井くんを擁する滝川が初戦を突破すれば、神戸国際にとっての初戦となる2回戦で両校が相まみえ、早くもこのブロックの大きな山場を迎えることとなりそうです。勝ち上がり予想は神戸国際としておきますが、神戸国際打線が新井くんを攻略できなければ、番狂わせも考えられます。

ブロック⑨⑩

ブロック⑨は実力中堅校が集まり、予想が難しいブロックとなりました。実力的に、加古川北がやや優位といった印象です。
ブロック⑩は、好投手・村上くんを擁する神戸弘陵が実力的に一歩リードといった印象です。順当にいけば勝ち上がってくるでしょう。

ブロック⑪⑫

ブロック⑪は、予想が困難な面白い組み合わせとなりました。実力中堅校の第1シード・明石と、近年着実に力をつけている長澤監督率いる篠山産、"ノーシード爆弾"の滝川第二の争いとなりそうです。過去の実績を考慮すると滝川第二が優位ですが、今年は監督の交代などもありチーム状態に不安が見られます。勝ち上がりは明石と予想しておきます。
ブロック⑫は、東洋大姫路が優位という印象です。

ブロック⑬⑭

ブロック⑬は実力上位校がひしめき合っており、個人的には今大会最も面白そうなブロックとなりました。今春ベスト8に進出し、須磨翔風を苦しめた第1シード・神戸学院大附、下級生主体ながら昨秋ベスト8に進出した、勢いのある第2シードの彩星工科に加え、同じく昨秋強豪の市尼崎や育英を破ってベスト8に進出した尼崎工、中堅校である加古川西、東播工も同居しています。どこが勝ち上がってもおかしくないブロックですが、僕はなんとなく彩星工科が勢いに乗って勝ち上がるような気がします。
ブロック⑭は、西脇工と三田学園の激突となりそうです。両者実力は拮抗していますが、今年は西脇工が勝ち上がると予想します。山崎も不気味な存在です。

ブロック⑮⑯

ブロック⑮は、"ノーシード爆弾"となった長田が赤穂に対抗する形となりそうです。長田はノーシードとは言うものの、昨秋はアグレッシブな野球で4位の成績を収めており、今春の地区予選でも神戸学院大附と互角の試合をしていますので、実力十分と考えられます。勝ち上がり予想は長田にしておきます。
ブロック⑯は、須磨翔風が有力と考えられます。ですが、好投手・舩見くん擁する神戸には注目したいところです。この両者が4回戦で相まみえた場合、神戸が番狂わせを起こす可能性も十分に考えられます。

展望

ここまで、ベスト16予想を見てきました。僕の予想をまとめると、以下の通りになりました。

2024夏 ベスト16予想

今大会のトーナメントは近年の兵庫県下で名だたる強豪がうまく分散していますので、勝ち上がり予想も強豪が出揃う形となりました。
展望についてですが、「投手王国」として名高い兵庫県下において今年は特に好投手が多く、低反発の新基準バットの影響も相まって投高打低の傾向に拍車がかかると思われます。特に上位に進むにつれその傾向は如実に表れ、一つのミスが命取りとなるようなロースコアの好ゲームが期待できるでしょう。
そのような中で最も気になる代表の座ですが、今年は例年にも増して実力上位の先頭集団に入るチームが多く、本命を絞ることが非常に困難な状況です。僕の見立ては多くの兵庫野球ファンと同様で、その先頭集団は報徳学園、社、須磨翔風、神戸国際大附、明石商、東洋大姫路の6校であり、この中から優勝校が出る可能性が高いと思います。この6校は実力が拮抗しており、上位での潰し合いは熾烈なものとなるでしょう。そこで、この6校についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

報徳学園(昨秋V、センバツ準V、今春ベスト8)

今年の報徳の強さは言わずもがなで、実力、経験値ともに6強の中でも頭半分ほど抜け出しており、優勝候補筆頭であると言えるでしょう。投手陣を引っ張る今朝丸くん間木くんの強力な2枚看板と、全国でもトップレベルの鉄壁の守備により相手にチャンスを作らせず、その守備から攻撃のリズムを生み出し、単打と高い機動力を絡めて着実に得点を重ねる野球が特徴です。その実力の高さは、2年連続センバツ準優勝という成績が証明しています。春季大会では今朝丸くん、間木くんを温存し、控え選手の底上げを図りながらのベスト8止まりという結果でしたが、ピークを夏に絞ってきっちり仕上げてくることでしょう。打撃にやや力弱さが見られますので、野手陣の奮起が優勝の鍵を握ると思います。

今朝丸くん(投手・3年)

社(昨秋3位、今春V)

近年県内で常に上位の成績を収め、盤石の強さを誇る社は、適応力の高いクレバーなチームという印象です。エースの福田くんをはじめとする投手陣は安定感があり、好捕手の西垣くんのリードがこれをしっかりと支えます。ショートでキャプテンの尾崎くんは華麗な守備でリズムよくボールを捌き、チームに勢いをつけます。打撃陣もここぞの場面で集中打を浴びせるなど得点力もあり、昨夏を制した力は今年も健在です。投手力、攻撃力、守備力どれかに特化するというよりは、全てにおいてバランスよく高いレベルを保持しており、今年も上位に進出してくることでしょう。序盤に相手に試合のペースを握られると苦しい展開になりがちですので、強豪相手に自分たちのペースを失わないことが重要になってきそうです。

エース福田くん(3年)と、ショートのキャプテン・尾崎くん(3年)

須磨翔風(昨秋準V、今春準V)

昨秋、今春と2季連続で準優勝を果たしている須磨翔風は、投打に優れた好チームであり、近年特に勢いがあります。なんと言ってもチームの大黒柱はプロ注目投手の槙野遥斗くんで、ストライクゾーンを幅広く使う巧みな制球力と投球術、豊富なスタミナと高いフィールディング技術を駆使し、2年時より絶対的なエースとしてここまでチームを牽引してきました。また、槙野くん以外の投手陣も今春は積極的に起用され、底上げに成功しました。打撃陣は派手さこそありませんが、全員がコンパクトなスイングで単打を量産し、機動力も絡めながら着実にチャンスをものにする力があります。今夏は自身初の代表の座を虎視眈々と狙っています。守備力にやや不安を抱えているので、今大会は2番手以降の投手陣の踏ん張りと、大事な場面で野手がミスをしないことが、優勝への必要条件となるでしょう。

エース・槙野遥斗くん(3年)

神戸国際大附(昨秋ベスト8、今春ベスト8)

'21年の夏以来甲子園を逃している神戸国際ですが、チームとしての強さは健在であり、優勝候補の一角であることに変わりはありません。今年の神戸国際は特に、投手力に定評があります。今春、実質的にエースとなっていた中村くんや、県大会初戦で尼崎双星を相手に完全試合(8回コールド)を達成した2年生の山本くんなどは、技術のある好投手です。その中で優勝への鍵を握るのは、何を隠そう一年時から大事な試合でマウンドを任され続けてきた、”沖縄の怪物”津嘉山くんのコンディションでしょう。昨秋より右肘の不調が囁かれており、準々決勝の報徳戦で敗戦投手となって以降公の場で投球する姿が見られませんでした。ですが、先日のスポニチによる取材では既に夏に向けて投球練習をしている、と答えており、チームの核でありキャプテンである津嘉山くんがもし完全復活を果たせば、チームは勢いづき、一気に甲子園に近づくことになるでしょう。「津嘉山くんを一度でいいから甲子園で観てみたい」と思う兵庫野球ファンも、きっと多いはずです。

エースでキャプテンの津嘉山くん(3年)

明石商(昨秋ベスト32、今春3位)

今春3位となった明石商の実力は、はっきり言って未知数なところがあります。と言うのも、昨秋は早々に敗れ、今春は試合ごとに先発メンバーや打順を変更し、試合中も投手野手共にコロコロと入れ替えていたため、見極めが難しかったからです。基本的には守備主体のスモールベースボールが特徴である点に変わりはありませんが、エースやクリーンナップすら固定されていなかったため、僕には軸が見えてきませんでした。これも名将・狭間監督の夏に向けた攪乱作戦なのでしょうか。ですが、多くの選手を起用しチームの底上げを図りながらも県3位に食い込んできたあたり、今年の明石商も不気味な存在であることは間違いないでしょう。選手の頑張りと監督の策が上手くハマり、本来の勝負強い野球ができれば、他の強豪校を負かす力は十分に秘めています。

来田涼斗(現オリックス)を兄に持つ、来田遥斗くん(=打者・3年)

東洋大姫路(昨秋県初戦敗退、今春4位)

今春の戦いぶりから一気に評価を高めた東洋大姫路は、下級生主体ながらも非常に力強いチームという印象です。投手陣はエース・阪下くん(2年)を主体とし、2番手の中島くんにも力強さがあり、その他にも木下くんや城下くんといった2年生投手が控えています。打線に関しては露本くん、見村くん(2年)、白鳥くん(2年)のクリーンナップをはじめとした長打力のある選手を数多く揃え、近年の兵庫野球にはなかなかない迫力を備えています。相対的に見ると打のチームですが、チャンスを作りながらも活かしきれない場面が散見されますので、チームとして得点圏打率を上げることができれば優勝の可能性も大いにあります。

チームの主砲・露本くん(3年)

その他

上記6校を脅かす存在としては、神戸弘陵の名前が挙げられます。神戸弘陵は昨秋、今春ともにベスト16という成績でしたが、昨秋は明石商を倒し、今春も神戸国際を相手に善戦しました。MAX152キロを誇るプロ注目投手の村上くんを擁し、堅実な野球で上位を狙います。村上くんの調子が万全であれば、上位校を撃ち破る可能性も十分に考えられ、今大会は面白い存在となりそうです。

村上くん(=投手・3年)

ズバリ、優勝しそうなチームは!?

上で述べた通り、今大会は僕が考える優勝候補が6校もあり、優勝予想は困難を極めます。その中でも特に優勝しそうだと僕が思う高校は、本命・報徳学園、条件付きで神戸国際です。その根拠は、以下の通りです。
まず、東洋大姫路、明石商、須磨翔風について見解を述べます。これは完全に僕の個人的な見解です。
東洋大姫路は力強いチームですが、レギュラーメンバーに2年生が多いということもあり、伸びしろの多い”未完成”な将来型のチームであるように思います。強豪相手に苦戦を強いられた時、経験値の差が表れてくる可能性があります。
次に明石商ですが、こちらは前述の通りエースを含むバッテリーも野手陣もこの春までに固定されることがないまま、夏本番を迎えることとなります。選手起用については狭間監督なりに策を練られていると思いますが、チームとしての主軸が不透明であり、完成度にやや不安があるように見受けられます。
その次に須磨翔風ですが、こちらは大黒柱の槙野遥斗くんの調子次第で命運が変わるチームであることと、守備面に不安があることから、過酷な上位対決まで上り詰めた時にどこかで綻びが出てしまうような気がします。

そうなると残る候補は報徳、社、神戸国際となりますが、この3校は実力伯仲と考えますので、ここからはチームごとの相性を見ていきましょう。
この3校の直近5試合の公式戦での直接対決成績を見ると、下表の通りとなります。

直近5試合の公式戦対戦成績

これを見るとまさにこの3校は三つ巴の戦いを繰り広げていることがわかりますが、報徳は社に強く神戸国際とは互角であり、社は報徳に弱く神戸国際には強い、という傾向が見られます。この相性から考えると、勝ち星の数は報徳が最も多く、やはりその強さがやや目立ちます。特に今年は投手陣が豊富であり守備も鉄壁ですので、対戦相手にとって攻略は難しいと考えます。
これはあくまで参考としてのデータであり、もちろん実際に現チームで戦ってみないことにはわかりませんが、こう考えるとやはり本命は報徳学園、と言えるのではないでしょうか。

しかしここで、僕が今年の夏のキーマンとして考える神戸国際の津嘉山くんについて述べておきたいと思います。今年の兵庫は、この津嘉山くんが運命を左右する存在となってくるような気がします。前述の通り津嘉山くんは”怪物”と称され鳴り物入りで沖縄から兵庫に乗り込んできた剛腕投手であり、1年時から大事な試合でマウンドを任され、チームを牽引してきました。最終学年である現在はチームのキャプテンも任されているのですが、昨秋より怪我に苦しみ、長く試合から遠ざかっています。もしこの津嘉山くんがこの夏完全復活を果たすことができれば、神戸国際の投手力は飛躍的に上昇し、3者のパワーバランスも変わってくることでしょう。神戸国際が一気に波に乗り、優勝する可能性もかなり上がってくると思います。この津嘉山くんの完全復活を条件とすれば、神戸国際が優勝するのではないかと僕は予想します。

おわりに

以上、ここまで夏の行方を占ってきました。夏を楽しむための参考としていただければと思います。
兵庫県大会は勝敗が時の運となることが非常に多く、それだけドラマ性に富んでおり魅力的です。果たして今年はそんなドラマが生まれるのでしょうか。大いに楽しんでいきましょう!
最後に、選手の皆さんのご活躍を心よりお祈り申し上げます!頑張ってください!

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