見出し画像

月と日

現代の私たちの地球から見える空には、昼は太陽が輝き、夜は月が輝いている。月は夜の象徴だとも思える姿だ。

現在の地球から見た月と太陽の大きさは、不思議な事に見かけの大きさはほとんど同じに見える。太陽の直径は約140万キロメートル、月の直径は約3500キロメートル。直径の大きさは約400倍も違う。全然同じでないのだが、地球と月までの距離が約38万キロと太陽までは約1億5000万キロ。その差も約400倍。つまり、どちらも大きさも距離も同じ400倍の違いなので、地球から見た目はほぼ同じに見えるのだ。日食の時、月に太陽が綺麗に隠れるのがその証拠になっている。これは本当に不思議な事だ。

しかし地球の歴史を遡れば、常に同じ大きさに見えたわけではない。私たちがタイムマシンで生命誕生の頃に行くことが出来たなら、月は今とは違ってとても存在感が大きかったのだ。

約40億年前、生命が生まれた頃の地球は、月は今よりもとても大きく見えた。地球からの距離が今の10分の1程度の距離しかなく、その為にみかけの大きさは10倍以上もあった。いっぽう、当時の太陽は現在の75%ほどの輝きでしかなかった。太陽は今よりも暗くオレンジかかっていて、いつも夕焼けのような色合いをしていた。暗い太陽を見れば、太陽と月の存在感の違いは歴然としていただろう。そして当時の地球の自転は1日5時間くらいだった。やがて月は地球から少しずつ離れていき、今の大きさになった。

タイムマシンで当時の地球に降り立つことが出来れば、大きな月と暗い太陽の姿は、今の私たちが思う宇宙観とはまったく違う世界だっただろう。空を見上げれば、とても大きな月があり。それが地平線を東から西に横切るのにたった2時間足らずだ。恐ろしい速度で地球を回っている。そして引力による潮汐力がとても強く、原始の海は荒ぶり続けていた。

当時の地球と生命にとって、月は荒ぶる父親の姿で太陽は淡く温かい母親の姿だった。今とはまったく違う月日の姿がそこには存在した。

生れた「いのち」は、そのダイナミックな月の姿を感じながら進化していく。そして月はその影響力を少しずつ少なくして、地球から離れていき、今の大きさになっていく。そして母親のような太陽にバトンタッチするかのように、太陽はやがて輝きを増していく。そして今のような白色の光を放つようになった。

神様は、私たちに月日と月を先に唱えられたのか、それは「悟り」のせかいではない真実の姿なのだと感じずにはいられない。


【秋治×はかせ】天理教を科学する

秋治プロフィール
サイエンスライター、漫画脚本家、プロデューサ、事業家
Twitter https://twitter.com/wshin19 
https://www.youtube.com/channel/UC_v8MlMXAhdAFYlLGtHJlSg


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?