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きっと嘘よ。[詩]

最後に泣いてしまうのなら

はなから笑顔を振りまくな

最後に別れを告げるなら

はなから傍においてくれるな

最後に思い出語るなら

はなからわたしを誘ってくれるな

あなたの過去になるくらいなら

あなたの今でなくなりたい


欲したものは

美しく流れる独りよがりではなくて

泥に塗れた二人の愛慕


大人な君が好きと言うから

わたしは最後まで意地を張ったじゃない

あなたの愛したわたしであろうと

罵倒の一つも出せやしない

我儘聞いてくれるなら

はなから幼稚なフリしてた


君は幸せになってほしいなんて 馬鹿なこと言ってないで

僕が幸せにするなんて そこまで求めないから

たまには二人で出かけようくらいは 

約束してくれたっていいじゃない


馬鹿よ、あなた    

馬鹿ね、わたし


思い返せば反吐が出るわ

ええ、嘘


こんなに間抜けな詩を書くくらいなら

手紙の一つでも書けばよかった


馬鹿よ、わたし

馬鹿ね、あなた

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