いまこの瞬間を愛するということ
どうしようもなく
不安におそわれるときがある
はるか昔の出来事が
心に深い爪痕を
いくつもいくつも残していて
ふさがらない
地割れのような隙間から
ゆらゆらと
不安の煙が立ちのぼってくる
理性で考えれば目の前の状況は
そんな危機的ではないというのに
苦手という意味でなじみ深いひと言や
かすかな気配 映像 音
それらが古い傷をひとなですると
不安の煙がゆらゆら ゆらゆら
私の心を濁していく
それはもうしょうがない
目を背けるのはよそう
かわりに煙が出てきたら
対抗手段として