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抑うつ と 鍼灸治療

ふらつき、頭重感を伴う場合、後頚部や側頭部をも診るということを念頭に置きたいと考えます。

近年、鍼灸治療では鎮痛,血流増加,筋緊張緩和のみならず、前頭葉活動や自律神経、オキシトシン・セロトニンの分泌を促し、不安やストレス緩和にも関与することが明らかとなっています。


前述の後頚部・側頭部に加え背面部、そして上記の作用を考慮し頭頂部や手足の経穴へ刺鍼を行います。


東洋医学の疾病観では、肝気の鬱滞であることが少なくありません。


精神的なストレスを受けたりすることで生じ、咽喉の閉塞感、また気鬱や気滞の起こる部位によって様々な症状が現れるというものです。
・抑うつに伴い、イライラ感、胸の苦しさ、四肢のだるさなどが生じるものに心気虚、脾気虚などがあり、治則は安神寧心、健脾が主となります。


比較試験においては鍼灸治療とカウンセリング併用の有効性、また、標準的な治療と鍼灸治療を併せることが有意であるとの報告があります。
MacPherson H, et al. Acupuncture and Counselling for Depression in Primary Care: A Randomised Controlled Trial. PLoS Med. 2013;10(9):e1001518.
Armour M, et al:Acupuncture for Depression: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 31;8(8) pii: E1140, 2019.

基本穴への刺鍼を基本とし、患者さんの症状に合わせて鍼灸治療を施すのが重要であると考えます。

また、うつと不安症状に関しては、標準治療へ鍼灸治療を上乗せすることにより、症状の軽減がみられるとの臨床研究がなされています。




LE CREE 総合鍼灸 高倉

LE CREE 総合鍼灸高倉の高倉直樹の写真
鍼灸学士/鍼灸師 高倉直樹


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