【新刊紹介】医学・看護論文を読み解いて臨床に活かす方法
“エビデンスって難しい…”
上の見出しのように感じてしまうという方には
2種類のパターンがあるのではないでしょうか?
まず、エビデンス、エビデンスって言われるけど
きちんとした論文の探し方・読み方がわからないというケース。
しかも英語の論文ばかりだし……。
続いてが「あの論文にすごくいい研究結果が載っていたのに、
うちのフロアではあの方法しか認められていないし…」という
臨床で活用するのに困難を感じてしまうケースです。
今回の書籍は、タイトルにあるとおり「論文を読み解いて臨床に活かす方法」を
提示してくれているものとなるので、どちらのケースであっても
エビデンスを避けてとおることのできない医療者のみなさんにはおすすめだと言えるでしょう!
どんなことが書かれている?
各章タイトルは以下のようになっています。
目次内に“Step”とありますが、JAMA Network Openという雑誌に掲載された
EBM/N実践に必要な能力を分類・順序化したものになります。
その形式に乗せながら、きめ細かくわかりやすい解説により展開していきます!
中でも、著者・森田先生が強調しているのが
6章・7章の患者さん・現場へのエビデンスの適応と、その振り返りによって
さらに臨床力を高めていくきっかけとするサイクルを示している点です。
「論文を読む」「他人の研究成果を調べてみる」
臨床で活かすためにこれらを行うのは当然のことだと思いますが、
患者さんを目の前にしたとき、あるいは同僚や他職種がいるなかで
実践しようとするのはなかなか難しいのではないでしょうか?
この点、体系的な説明がなされた書籍はこれまであまりありませんでした。
「これから看護研究に取り組む!」という方にも
論文の読み方は一通り理解した方であっても
「本当にこの研究デザインでいいの?」など一歩踏み込んだ論文読解が
できるようになるべく、3章から5章あたりの内容は目からウロコの連続のはず。
もちろん、論文をじっくりと読んだことがない方、
ついに看護研究に取り組む必要に迫られている、といった方であれば
そもそもエビデンスとは?といった初歩からじっくり学んでいただけると思います。
(あまりに聞きなじみのある言葉になってしまいましたが、
誤解の多い言葉であることは1章を読んでいただけるとよくわかります!)
実例やワンポイント解説が豊富!
さらに本書の特色となっているのが、本文の説明を強化し
腹に落とし込めるような理解につながる実例や解説の多様さです。
また、コラム欄も随所に配置。
ナイチンゲールが非常に話題になっていますが、
統計家としての彼女に触れたコラムなどは大変興味深く読めるはずです。
以上、本書の簡単な紹介となりますが
ご興味をもっていただけたら嬉しく思います。
また、統計や研究デザインなどテーマ別のシリーズ書籍もありますので
この1冊をきっかけに「康永研」の神髄をフル活用してください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?