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セカンドオピニオンのプロ・新見先生が教える乳がんの向き合い方

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女性にとって乳がんになるリスクは今、誰しもが抱えるものです。もし、自分が乳がんになってしまったら―――。そんな不安を抱えたことがある人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな乳…
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主治医の美学 新見正則

主治医の美学 新見正則

外科医の美学、それは手術の腕前だよ僕が外科医になったころ、
ひたすら手術が上手な外科医になることが
僕の美学でした。

朝から晩まで手術前後の患者さんを診て、
手術には渾身の力を込めて参加しました。
なんとしても上手な外科医になりたかったのです。

朝6時前後から深夜まで
そして週に何回も泊まり込むことも苦痛ではありませんでした。
それが外科の主治医としては当然の振る舞いだと思っていました。
そし

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がんとともに生き抜く  新見正則

がんとともに生き抜く  新見正則

センチネルリンパ節生検の登場で、不要な手術を省略可能にこれまでは、摘出したリンパ節の転移の状況で抗がん剤を追加するかを決めていました。しかし、腋窩リンパ節を広範囲に摘出(腋窩郭清)するとその副作用として、腕がむくむ状態(リンパ浮腫)を高頻度に招いていたのです。本来、リンパ節にがんの転移がなければ、リンパ節郭清はしなくてもいい手術。しかし、そうするしか当時は方法がありませんでした。

 そんな不必要

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ここまで変わった。私たちを救う、乳がん最新治療  新見正則

ここまで変わった。私たちを救う、乳がん最新治療  新見正則

卵巣を摘出することで小さくなる乳がんがある?女性は、一生のうちに女性ホルモンの分泌量が変化していきます。エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンは月経の周期で増減し、女性の身体にさまざまな影響を与えます。その影響のひとつに、「乳がんになりやすくなるリスク」も含まれていることがわかっています。なんと、エストロゲンが大量に分泌される期間が長いと、乳がんになりやすいというのです。

1895年、そのエストロゲ

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9人に1人が乳がんになる時代  新見正則

9人に1人が乳がんになる時代  新見正則

1年間に10万人が乳がんと診断される高齢化が進んだ今、がんと診断される人の数は増えてきています。1981年から、日本人の死亡原因は、「がん」が第一位となっています。しかし、その一方で、がん治療は進歩し、治療のための技術も成績も向上しています。その中でも、今回は「乳がん」について少し詳しくお話していきたいと思います。

 1年間に10万人が診断される「乳がん」。罹患者数(がんと診断される数)では、女

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