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【読書メモ】企業価値4倍のマネジメント-結果にこだわるコンサルタントの定石(ベイン・アンド・カンパニー)

冬休み第5弾です。
例によって読書メモなので箇条書きとなります。
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正しい戦略で、大きな結果を出す

経営戦略が絵に描いた餅で終わる原因は3つに帰着する。

コンテンツ    :施策の無理・曖昧さに起因
コミュニケーション:現場に浸透しない
組織・人材の整合性:組織と人事制度がネックになっている

まずはシェア1位を絶対に取るべき領域を定める。
領域は、市場(プロフィットプール)と顧客セグメントで具体的に定める。

領域でフルポテンシャルを追求する前提で論点を検討する。

①規模の拡大
②人材の獲得・配置
③売上の最大化
④コスト競争力の最大化
⑤業績把握指標の合理化
⑥必要な能力や知見の獲得
⑦意思決定力の向上
⑧企業文化改革
⑨株価対策
⑩運転資本政策
⑪資産・負債バランス最適化
⑫投資設備の最適化

領域内でのポジションを収益性×競争的地位(シェア)でマッピングし、注力すべき論点を絞る。

差別化と競争力で「どう勝つか」を定義する

差別化の源泉15類型で、あり得そうな組み合わせを考える。

経営体制
資産運用・金融、M&A、規制対応、事業戦略の精度、組織
オペレーション
サプライチェーン・流通、生産、研究開発、協業、営業・CS
独自試算
有形資産、事業規模、技術知財、ブランド、顧客基盤

製品の複雑性・組織の複雑性を排除する。
製品が多岐に及ぶときは、本当の限界費用を算出してみる。
組織は意思決定のフローが屋上屋になっていないか見直す。

KPIは、KFI(財務指標)・KRI(結果指標)・KAI(アクション指標)の3階層で設計して、モニタリングした際に何が問題なのかすぐにわかるように管理する。

とにかく与件を廃して、フルポテンシャル発揮のためにはどうするべきかを考えるべし。

戦略実行のためのM&A

まずは出資先とPMIに関わるステークホルダーで意思統一が必要。
これは、全員の利害調整はもちろん、何が課題か?の認識共有も含む。

次に投資テーマは何かを見極める必要。
コスト改善なのか、商品性の改善なのか解消した時に最もバリューが出るドライバーが何かを議論して見極める。

出資者先がフルポテンシャル発揮のために、自社のケイパビリティのどの部分が適するか、ストーリーを紡ぐ。
このストーリーには型があり、これは自社ケイパビリティが明確であればあるほど型が組みやすい。

「オペレーティングモデル」で結果を出す組織に

世界のCEOの半数が就任後2年以内に組織再編に動くが、再編によって業績が改善するのは3分の1以下。

戦略には、
・大きな成果を得るための価値の源泉が示されている
・自社の強みがどのように利益創出につながるか具体的に示されている
ことが必要で、この戦略に沿って組織は設計されるべき。

意思決定の質を高める要素は8つ

・自社戦略は何で、そのために大事な意思決定が何かを組織全体で共有
・意思決定の役割と権限を明確化
・意思決定を促進する組織構造(特命担当の任命)
・課題や戦略に対してのright personを配置や登用
・意思決定の能力や経験に基づく人材の配置
・意思決定支援ツールの整備(データ整備)
・明確な判断基準
・質の高い起案を担保する仕組みづくり

オペレーティングモデル(組織設計の青写真)を組み立てることで、戦略と組織の橋渡しを行う。オペレーティングモデルの構成要素は4つ。

組織の骨格
収益の源泉の単位で、組織構造の括り方を定義。
本社と拠点・支店間でどのような関係性がふさわしいか考える。
責任・役割分担
「起案」「起案に必要な情報提供」「ルールによる起案レビュー」「実行の意思決定」「実行」の5つで現場と経営で分担を考える。
ガバナンス
KPI(アクション・結果・財務の3階層)の設計と経営ダッシュボードによるモニタリングを行う。
会社のDNA
行動原則。譲れない一線として、すべき行動とすべきでない行動を明確に示す。

オペレーティングモデルの設計が完了したら、「カギとなる人材の需給」を整備して「差別化すべきオペレーションプロセスとそれを支えるテクノロジー」を特定する。

オペレーティングモデルが失敗する理由は主に7つ。

ハード面
・トップのリーダーシップ不足
・時間をかけすぎて与件が変化してしまう
・現場の巻き込み不足で、誤ったモデルが仕上がってしまう
ソフト面
・合理性や明示化への抵抗感
・過去の施策や試みの無理のある肯定や過度な否定
・自社資産や強みへの過度な自信や否定
・漸次改革志向による骨抜き

社員の心を奮い立たせる力を身に着ける

社員の心を奮い立たせる方法は多様だが、唯一「自身の平静を保つ」ことは共通して大切な要素。3-4のコアを身に着けることで養成できる。

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顧客ロイヤルティ向上で成長を実現する

NPS(「あなたはこの製品を親しい友人に薦めますか?」を10スケールで質問)は以下の点でKPIとして優秀

・財務結果との連動性が高い
・業績の先行指標になりうるためKPIとして扱いやすい
・継続的な測定がしやすい
・シンプルな質問であることから事業間の比較をしやすい

ロイヤルティ向上のためには、重要な顧客接点(故障時対応等)を特定して、その場にリソースを集中させることが大事。

従業員のロイヤルティが高いことが、結果として顧客ロイヤルティを押し上げることがある。自社へのエンゲージメントを高める施策への投資は、結果として財務指標につながるためKPIを設定してモニタリングすべき指標だ。

コスト最適化と成長への集中投資による業績改善

業務改善・営業生産性の最大化・調達の最適化はいつであっても取り組むべきテーマ。

業務改善
業務を棚卸して、①業務の簡素化や廃止、②業務プロセスの改編や自動化、③単純業務の集約化や拠点統合、④業務のアウトソース化、⑤冗長人員の適正化 に色分けしていく。その際注意すべき点は以下。

メリハリをつける:顧客体験を大きく変える箇所は聖域化する
トップダウン:ボトムアップではなく、権限を持ったものが半強制で進める
一気呵成:危機感をあおり、現場のキーパーソンを巻き込んで短期で決着する

営業生産性の最大化
営業の量と質のばらつきを正していく。

量の最適化:活動管理をはじめとする施策を浸透させる
質の最適化:ノウハウを標準化し、成功パターンを体系化する
標準化と展開:マテリアル化とトレーニングを通じて質を標準化する


以上です。
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