Recap:WaveHack Global 1st Season
GM🌞 AKINDOのKinjoです。
キラーアプリケーションの創出を目的とした助成金付きのアクセラレーションプログラムWaveHack Globalを先日のWaveHack Global WebX FINAL DEMODAYをもって無事フィナーレを迎えました。
グローバルのビルダーにフォーカスをあてた約4ヶ月に及ぶこのビルドプログラム、約70ものパートナーたちに支えられ最高の成果を出すことができました。
国内のいちスタートアップであるAKINDOとして実施したこの無謀とも言えるチャレンジにご賛同を頂いた、共催の博報堂キースリーをはじめとしたパートナーのみなさまにこの場を借りて深く御礼を申し上げます。
この豪華パートナー陣に比べ圧倒的に予算も実績もない我々に対し、大切な助成金を預けてくれた15ものGrantパートナーやスポンサーのおかげでこのプログラムを実施することができました。今回初チャレンジにも関わらず、AKINDOを信じて予算を拠出してくれたこれらプロジェクトと担当者の方々に重ねて御礼を申し上げます。
2022年10月の東京web3ハッカソンから2023年秋までの約1年間、怒涛のようにハッカソンをオーガナイズしてきましたが、長らくそこに課題を感じていました。
主催者やスポンサーに要求される多大なリソース、継続開発されないプロダクト、その場限りのビルダーとの関係性など、多くのハッカソンをサポートしてきて感じた課題を解決するために公開したのがWaveHackであり、WaveHack Globalはそれをグローバルベースで実装するためのプログラムとして実施してきました。
2023年の秋からその構想を始め、年末にWaveHack Protocolを公開し、2024年冒頭からパートナー獲得に動き、2024年4月からスタートしたWaveHack Global。夏のIVS Crypto、EDCON、WebXで開催したDEMODAYをもってして最初の1st Seasonを無事活況のまま終了することができました。
そのサマリーを振り返り、WaveHack Globalではどのような取り組みをしてきたか、そしてそこからどのような学びを得て、どのようなインパクトをweb3エコシステムに与えることができたか紹介させてください。
⚡️Highlight WaveHack Global
$250K+の助成金総額
6,170+のトータルオーディエンス
1200+のWaveHackエントリー
1070+のプロダクト提出
625+のプロダクトが助成金を獲得
140+のプロダクトが継続的に助成金を獲得
13倍の費用対効果
2440+のコミュニケーションが発生
44のWaveHack Global関連イベント
✅2022年10月から1年以上ハッカソンを開催してきて提出されたプロダクトは約500でしたが、このWaveHackでは約4ヶ月で1,000を超えるプロダクトが提出されました
✅同じ金額(賞金)でハッカソンを開催したときに比べ、最大13倍以上のプロダクト提出数を集めることができました。最低でも5倍以上と高い費用対効果となりました
✅625+のプロダクトが助成金を獲得、そして140を超えるプロダクトが継続開発に取り組み助成金を拠出するプロジェクトとのコミュニケーションを通して継続開発に取り組んでます
✅2,440以上のエンゲージメントが発生し、プロジェクトとビルダーの長期的な関係性を構築することができました
📝Summary WaveHack Global
💡WaveHack Globalは、キラーアプリを生み出すことを目的としたアクセラレーションプログラムであり、参加者の開発進捗に応じて助成金を2週間ごとに継続配布
💡2024年4〜2024年8月の期間に15のGrantパートナープロジェクトが総額$250Kドルの助成金を拠出し各自が求める開発テーマを設定し参加者へ提出を求める
💡参加した開発者は自身のプロダクトを募集テーマに合わせて2週間ごとにアップデートを行い、各Grantパートナープロジェクト審査員から直接フィードバックと評価を得て助成金を獲得
💡1,203名の開発者が参加し、1072件のプロダクト提出され、625プロダクトに助成金が分配、140プロダクトが継続的に助成金を獲得
💡合計66のパートナーと44回のイベントを行い、6,171名のビルダーオーディエンスを獲得。そのうち約20-25%が日本人となる
💰Top funded Projects
今回のWaveHack Globalを通して最も多くの助成金を獲得したプロダクトです。その他にも40以上のプロダクトが$1,000以上獲得しており、140以上のプロダクトが2回以上継続的に助成金を獲得しています。
Erebrus
Voxelverses
Oshigoto
null pay
Legato
deTraffic
🤝Organized WaveHack Global
多すぎてすべて記載できないのですが、2024年4月13日のキックオフイベント以降の4ヶ月で44ものイベントをオーガナイズしていました。
ここに記載のイベントはごく一部であり、パートナーのAMAを含めると50以上に及びます。
このLumaページから過去の主催イベントを全てご確認頂けます。今見ると2023年4月から累計だと75件ものイベントを開催していたようです😂単純計算で毎月5件のイベントを開催していることになる…笑
このような形でWaveHack Global Onboardingイベントとして開催をしてきました。ご登壇頂いたみなさま、そしてサポートを頂いたCentrumチームに改めて御礼を申し上げます。また、WaveHackに提出をしたビルダーはCentrumを無料利用することができます。対象の方はこちらのフォームからお申し込みください。
🏆WaveHack Global DEMODAY
夏に日本で開催された大規模CryptoイベントIVS Crypto、EDCON、WebXにあわせて3回連続でDEMODAYイベントを開催しました。
各カンファレンスごとにプロジェクトとデモピッチチームを現地に招待して、DEMODAYイベントとそのアフターパーティを連続して行いました。半数以上のデモピッチが海外チームによって行われました。
各DEMODAYの雰囲気はここからご確認頂けます。
🚀IVS Crypto THE DEMODAY
アフターパーティはエースホテル京都で開催🍻
🌅WaveHack Global EDCON DEMODAY
アフターパーティは渋谷CELA VIで開催🍻
🏮WaveHack Global WebX DEMODAY
アフターパーティはETHGlobalとコラボのもと虎ノ門横丁で開催🍻 ETHGlobal SingaporeのAKINDO特典はこちら!まだ間に合います🛠
🛠Track Record
WaveHackは従来のハッカソンや助成金プログラムに比べて10倍効率よくプロジェクトのアプリエコシステムを拡大するためのプロトコルですが、それを証明する事例も多く示すことができました。
Case1: Aptos WaveHack
AptosのWaveHackでは同時期に開催されていたリモートハッカソンに比べて3倍少ない予算で、2倍以上の提出物を集めることができています。
Case2: ZKsync WaveHack
ZKsyncに関してはこのように1/8の予算で1.5倍、1/5の予算で3倍もの成果を出すなど、全体で13倍以上効率的にエコシステムに各ビルダーやプロジェクトを惹きつけることに成功しています。
Case3: Superfluid WaveHack
Superfluid WaveHackに参加したSenspaceチームは2ヶ月ほどで最高の評価を得たプロダクトをビルドしただけでなく、本番環境へのデプロイを行い収益化まで実現しました。
さらにEDCON SUPERDEMODAYのファイナリストになるなど、このWaveHackをきっかけに躍進的な活躍と評価を得ることができています。
Case4: Xenea WaveHack
新しいL1チェーンであるXeneaはコミュニティの力によって運営されたWaveHackプログラムとなりました。52件の提出を集め、34件のプロダクトに助成金を配布、そして11件のプロダクトが継続的にXeneaエコシステムでビルドしています。
ユニークな例として、参加したビルダー同士がコラボレーションしたプロダクトを開発したこと、そしてXeneaのコミュニティアンバサダーが審査員として参加したことです。
通常この審査プロセスはコアチームのDevRelによって行われますが、コミュニティを巻き込むことで審査工数が低減されるだけではなく、そのエンゲージメントを高め、提出したビルダーは多面的なフィードバックが得られるなど三方よしの仕組みにてWaveHackを成功させたケースとなります。
Case5: Technical Content Creation
ZKsync、Aptos、XRPLのWaveHackは平均してパフォーマンスが高いWaveHackとなりました。その理由としては技術コンテンツ制作のWaveHackプログラムを通して、参加者の裾野を広げさらにビルダーのエディケーションを行うことができたからです。
これはWaveHackにおける勝ちパターンの一つとなり、今後あらゆるプログラムに導入されるフォーマットとなります。
🌏What’s next? Go to 2nd Season
WaveHackは従来ながらの非効率なハッカソンや助成金プログラムをリプレイスしてビルダーコミュニティの構築とアプリエコシステムの拡大をしていくためのプログラムです。
小さな一歩ですが今回のWaveHack Global 1st Seasonではそのことが実証できる結果となりました。アプリエコシステムの拡大を求めるプロジェクトは、要求する開発テーマを決め、WaveHackに助成金をデポジットしておくだけで多くのプロダクトを惹きつけることができます。
これまでのGrantパートナーによる継続開催と合わせて、Nethermind(+Starknet)、AlephZeroによる総額60,000ドルのWaveHackの公開も9月中に予定しています。そのモメンタムを落とすことなく11月のDevconにあわせた2nd Seasonのキックオフに繋げていきます。
先日Podcastでも話しましたが、これら取り組みを通してグローバルでも一定の認知を得ることができたと強く手応えを感じていますし、カンファレンスなどで出会う多くのTopTierもWaveHackを高く評価してくれています。2nd Season参画に向けて多くのプロジェクトと話していますので、今後詳細をオープンしていきます🚀
次回のWaveHackのアナウンスはAKINDOのXアカウントから発信していきますので、フォローしてそのアップデートをお待ち下さい🫡
🫶🏻Thanks All Partners,Builders
正直、この半年を振り返ると本当に怒涛過ぎて記憶があまりありません… 誇張抜きで人生で一番忙しい半年間でした。一人では絶対に実現できなかったグローバルベースのアクセラレーションプログラム、チームメンバーとサポートしてくれたパートナーに心より感謝いたします。
・企画段階から様々なサポートをしてくれ共催して頂けた博報堂キースリーの佐野さん、重松さん
・最初にWaveHackのGrantパートナーになってくれたAptosのJerome
・そのAptosだけではなく、ZKsync、TheGraphを繋いでくれたTakeshiさん
・最初にスポンサーの意思決定をしてくれたMetaMeの吉田さん、そしてサントリーのケニーさん、Gumiの安積さん
・イベントパートナーとして会場サポートをしてくれたCentrumの大畑さん、大石さん、Chiakaさん
・DEMODAYの機会をくれたIVS Crypto Whiplusさん、EDCONチームのSatu,Ellie,Tinaさん、WebXの青木さん
・IVS Crypto THE DEMODAYのスポンサーを即決してくれたフィナンシェの國光さん
・各イベントの登壇のオファーを快くご快諾頂いたみなさま、特にSkylandよんくろうさん、KudasaJP/MaskNetworkのなーちゃんさん、DeNAオンチェーンチームのみなさん、PaimaStudioのギーモさん、Gincoさん、PacificMetaさんなどビルダーコミュニティを支援するみなさんのおかげでこのプログラムをやり切ることができました。その他にも本当に多くの方のご支援でやりきりることができました🙇🏻♂️
そして最後にこのプログラムに参加してくれた全てのビルダーたちに一番の感謝を伝えたいと思っています。
数多くのWaveHackに参加してくれただけではなく、WaveHackのおすすめ記事も書いてくれたかるでねさんをはじめ、ハルキさん、ぽんたさん、ユキムラさんなどなど、その他含めいつも真剣にプロダクトに向き合っている日本を代表するオンチェーンビルダーたちが、WaveHackを通してプロダクトをどんどんアップデートしていく姿をみて、プレッシャーで挫けそうな気持ちを何度も奮い立たせる事ができました。
全体の参加ビルダーの8割近くはグローバルのビルダーとなりましたが、もっともっと日本のビルダーも増やしていけるような教育プログラムなどにも42Tokyoさんと連携するなどして力を入れて取り組んでいきます。
もうすでに既存のパートナープロジェクトをはじめ、各イベントで繋がったプロジェクトと次の取り組み向けて話を進めています。
僕たちはインフラレイヤーのビルダーコミュニティを構築し、アプリエコシステム拡大を10倍早く、強く、そして長期的なものにしていくためさらにフルスロットルでガンガンやっていきますのでご期待ください🔥
次のフォーカスはDevconです🦄🇹🇭 WaveHack Global Devcon KICKOFFとして初めての海外でのオーガナイズイベントも開催予定なので、コラボご興味のある方はXまたはTelegramのDMよりご連絡をお待ちしています。
いったんWaveHack GlobalのRecapはここまで⚠️ 以下はWaveHackのビジョンについて改めて言語化してみたので、もし興味のある方はどうぞ🫡
🚀Why WaveHack?
突然ですが、従来ながらのスタートアップが数十〜数百億円もの資金調達をする際、通常その予算はどこへ流れるかご存知でしょうか?
人件費の他、その予算の大部分は主に広告費として使われGoogle、Meta、TikTokという膨大なユーザーオーディエンスを持つこれら3つの獲得チャネルに使われることとなります(基本的には)。スタートアップに限らず、あらゆる企業予算の大部分を占める広告費は主にGoogle,Metaを中心に流れているわけで、それをもってしてBigTechと呼ばれるこの2社は圧倒的な売上と利益を叩き出しているわけです。
それではそのアナロジーでweb3を見るとどうでしょうか?
これまでL1/L2などインフラレイヤー中心に$100B近い資金がVCマネーとして流ていますが、そのお金は人件費の他どこに使われるのでしょうか。web3においてはInstagramやGoogleのようなユーザー獲得チャネルはありませんし、そもそもそれらインフラプロジェクトはエンドユーザーに対して直接マーケティングをしていくようなポジションではありません。
初期フェーズはプロジェクトを盛り上げてくれる投機家勢かもしれませんが、彼らの本質的かつ長期的な顧客は自身のインフラ上でプロダクトを構築してくれる開発者です。なぜならそれら開発者によって構築されたアプリがエンドユーザーをエコシステムにつ連れて来るチャネルになるからです。
つまり、インフラレイヤーの広告/マーケティング費とはすなわちビルダーを自分たちのエコシステムにオンボードしていくための予算であるとも言えます。
これまでインフラプロジェクトはハッカソンや独自の助成金プログラムなどを通して開発者たちをアトラクトしようと試行錯誤していましたが、正直それは機能しているとは言い切れません。
「web3領域にはキラーアプリが必要である」ともう何億回も言われ続けているこのテーゼに、WaveHackのPMFをもってして終止符をうっていきたいと思います。
結論、WaveHackはインフラプロジェクトが持つ莫大な予算を預かり、最適なビルダー、スタートアップ、事業者へその予算を分配していくプロトコルとして機能します。
GoogleやFacebookが彼らのオーディエンスを広告予算と引き換えに広告主に繋げたように、WaveHackプロトコルとAKINDOプラットフォームオーディエンスを通して、Grant予算をフックにビルダーオーディエンスを各プロジェクトへコネクトし長期的にエンゲージさせていきます。
このチャレンジの0→1 はWaveHack Global 1st Seasonでワークすると証明されました。次の1→10のチャレンジを今年残りをかけて全力で取り組んで行きます。インフラレイヤーとアプリレイヤーを繋ぎ、有用なアプリをまず”群(=量)”として生み出していくこのチャレンジに興味がある方は、僕のXまでDMを頂けると嬉しいです。
web3をマスアダプションしていくためになくてはならないインフラとして、WaveHackを一緒に大きくしていく仲間を探しています🤝
Keep on Build🛠
Kinjo X https://x.com/illshin
AKINDO X https://x.com/akindo_io
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