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#野生の月評

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「月評」スピンオフ企画。新建築社刊行の雑誌『新建築』『住宅特集』などの掲載作品・論文にまつわる感想などの記事をまとめていきます。「#野生の月評」とつけてご投稿いただけると嬉しいで… もっと読む
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2019年2月の記事一覧

ナリワイながら暮らすとは

つばめ舎建築設計+スタジオ伝伝によって手掛けた練馬の職住一体型アパートリノベーションプロジェクト「欅の音terrace」。晴れて『新建築2019年2月号』に掲載していただきましたが、そこに載っている解説文とは違う文脈の、このプロジェクトの背景となる思想について個人的にまとめました。 ***** 住居と労働を切り分けるという都市計画の機能的分離が推進されたのは、1933 年に実施されたCIAM 第4 回会議における成果である「アテネ憲章」に依るところが大きいだろう。 ここで都

MUSTARD@SHIBUYA BRIDGE

THINK GREEN PRODUCEが展開するマスタードホテル。現在は渋谷ブリッジに1件、浅草に建築中も含めて2件の、合計3件。だけれど、どれもびっくりするぐらい違うのです。 「アパホテル」って別に選ばないけれど、だいたい勝手が分かっていて、期待値の調整ができ、そして実際に行ってみると期待値を大幅に裏切る事はない。それが強み。みたいな事を、「ジャケ買いするホテル」の天才、龍崎さんが仰っていた。 でも、いくらチェーン展開しているといっても全くその期待調整が通用しない。それ

北海道旅行を楽しむ

プロフィールに書いたんですが、私は建築に興味があり旅行先でその土地の建築を観に行くのが楽しみです。 今回は北海道の札幌市内に滞在したので、 イサム•ノグチがデザインした ”モエレ沼公園” へ行ってきました。 ここはモエレ沼公園内のガラスのピラミッドの横にある中央駐車場。 平日で人けがない為もありますが、静けさと建物の形状、駐車場中央の円形の吹き抜けから雪がチラチラと降ってくる様子から異国というより、他の惑星に来たような感覚に陥りました。 私的にはこの駐車場がとても

梼原・木橋ミュージアム

text by 島田 枯葉のしまだです。 今回は、隈研吾設計の梼原・木橋ミュージアムを見学した時の感想です。 刎木(はねき)は交互に少しずつ迫り出しながら47mの建築を支える刎木構造が用いられたデザインとなっています。 真下に立つと180×300の交互に迫り出した大きな組木の本数とスケールの迫力を感じる場所でした。 横のEVを登ると47mの一直線に伸びた橋の空間となっています。 天井の梁が均等に連なり抜け感のある美しい空間です。 ギャラリー部分の天井も少しずつ迫

ローカルな空気感と温かみのある設えを体験する|LOG / Onomichi

先日、気が合いそうな友人たちと、昨年末に開業したばかりの尾道の宿・LOGへ行ってきました。 気が合い“そう”と書いた理由は、SNSで交流があっただけの初対面の人もいたから笑笑 お付き合いいただいた面々がみんな素敵で最高でした。文末にご紹介します LOG / Onomichi インドの建築事務所 Studio Mumbai がデザインを手がけたという内装がとても興味深い作りで、日本の建物ではなかなか見られない色使いや、内装に使われていた土や紙の使われ方がとても面白く、建築

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