門脇邸を見て-エレメントの群像劇
竣工した後に見た「門脇邸」は、驚くほど周囲に馴染みながら建っていた。
空間をめぐると、柱と梁がクロスする吹き抜けや、天井と壁の隙間から自然光が入るリビングなど、非常にドラマチックな体験が散りばめられており、100㎡程とは思えないほど、濃密な空間体験であった。部分による全体性は可能かという仮説により生み出された空間は、まさに一つ一つの、部分としてのエレメントが複雑に混ざり合いながらそのままに放り出されている。部分部分で思考が分断されながらもそれぞれのシーンの記憶はあるところで繋