アジフライの旬が来て去る
夏のおわりに専門店でアジフライ定食を食べる。
これまでアジフライに興味がなかった。味はぼんやりとしか想像できない。最後にどこで誰と食べたか、まったく覚えていない。目の前のアジフライ定食に、まったく自分ごとではないような気持ちを石上は感じている。
石上丁。ものをつくる仕事をしている。通勤中は音楽を聴き、ランチは外で済ませる。ある音楽家をよく知ろうとして音楽を聴き、動画を見て、インタビュー記事を読む。それを繰り返すうちに、アジフライを調べ、職場から近い定食屋を探す。実際に食べて