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記憶の片隅に少しだけ。

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  • 海月の骨

    海月の骨:この世に存在しない物事の比喩。 「そんな気がする」とは思うけど、実際にそんな体験をしたのかは思い出せないような日記。

最近の記事

巡って悩んで並べて曲げて

変化を求める それは悪いことじゃない 悪いことじゃなければ良いことかと問われると、そうではない 変化を求める 疑問を持つ 意見は食い違う 受け取り方が違えば、そもそも伝える時の気持ちがすれ違っているから。 前はそう言ったのに今はこうなの。 今はこう言ってるけど前はどうだったの。 体調によって気持ちも変わる 気分によって気持ちが変わる 嫌がらせしたくて気持ちを伝える 嫌がらせされる前に気持ちを伝える 隠されたメッセージだと疑う 自分へ宛てたメッセージだと疑う 自分だけ知

    • 仲良くなってはいけない

      仲良くなってはいけない。 それは、今まで素敵で綺麗だと思っていた気持ちが時間を重ねるほど一つ二つと欠けていくから。 完璧じゃないなんて理解しているつもりなのに、自分の理想から離れていくにつれて悲しい感情が芽生えてしまうから。 仲良くなってはいけない。 それは、集合時間に少しだけ遅れてしまっても気にならなかったのに、10分遅れただけで、6分遅れただけで、1分でも遅れただけでも心がふらついてしまうから。 仲良くなってはいけない。 それは、言わなくてもよかったことを少しずつ言わ

      • お湯が沸くまで

        頻繁にお湯を沸かす。 白湯を飲みたくて、カップラーメンを食べたくて、お酒をお湯で割りたくて、洗い物の油を落としたくて、コーヒーを淹れたくて、お湯を沸かす。 お湯を沸かしている間って何をしようかいつも悩む。 何かに没頭するには短く、じっとしていてはなんだか勿体ないから何かしたい。 その何かっていうのは気分や環境によって毎度同じことはできない。 洗い物をする。 そんなに時間はかからないのだから、シンクに溜めてあった食器やグラスをまとめて洗ってしまう。 予想より早くお湯が沸いて

        • その後について

          惣菜を買った。 帰宅途中で少し蓋が開いてこぼれていた。 無くなったと思い込んでいた醤油を買った。 帰宅するとまだ二本あった。 ズボンを買った数分後に駅のトイレに忘れた。 眠気覚ましにコーヒーを買った。 暖かくて眠気が増してくる。 自分のためにお酒を買った。 気付いたら宅飲みでみんなに飲まれてる。 仕事終わりに缶ビールを買った。 数分後に飲みの誘いが入った。 車を買った初日に傷をつけた。 気になってる漫画を買った。 アプリで全話無料公開されていた。 切符を買った

        巡って悩んで並べて曲げて

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        • 海月の骨
          2本

        記事

          知るか知らずか知らずとも。

          電車に乗らなければ、こんな街があったのかと気づけなかった。 車を運転しなければ、こんな店があったのかと気づけなかった。 英語を話せたら、もっと友達ができたのだろうか。 あの漫画を見ていれば、あの人とも仲良くなれたかもしれない。 水槽の中で産まれた魚は川や海を知らないだろう。 生きている認識のある僕たちは、死後の世界を知らない。 失わないと知ることのできない幸せをまだ知らない。 知らないことだらけな自分を知る。 アニメの内容は知っているのに、誰が制作しているのか

          知るか知らずか知らずとも。

          色が黙って半透明

          そのうち入ろうと毎日通り過ぎていた店が、昨日閉店していた。 来週食べようと思っていた定食はメニューから消えている。 その日は行けないと断ったイベントが二度と開催されることはなかった。 帰りに買おうと思っていた本が売り切れている。 来年の春に見ようと話していた桜の木が見当たらない。 毎年恒例が今年で最後らしい。 選択をしてもしなくても自分の人生には何も響かないようなことを、選択しないという選択によって辿ってみる。 選択をしてもしなくても自分の人生には何も響かないよ

          色が黙って半透明

          飲み干す感情、煮出した表情

          止まった蛇口も電気は通らず。 無くしたおかげで振り返る。 忘れるなど、覚えるより難しい。 背もたれは軽いが責任が重大だ。 我が物顔も仏頂面。 些細な変化に気付けばよかった。 温度の加減ができずに今日も。 保温をしていたはずなのに。 昨日はとても楽しかった。 朝はとても寒かった。 時間の経過を思い出と呼ぶ。 灯油の不足を教えてくれる。

          飲み干す感情、煮出した表情

          海月の骨-02-

          相も変わらず愛想を尽かす。 自分の価値すら決められないから 周りを妬んで誤魔化してみた。 多少優しくされたからって 過度な期待は持たないでほしい。 なんだか不吉なことが続くが もともとそんなに幸せではない。 居眠り中に落下する恐怖 出来れば名前を呼ばないでくれ 怖いもの見たさが勇気をくれる。 どうでもいいことだと後から気付く。 嘘でもいいから本音を言って 最後でいいから最初にしてくれ 常識を覆すための常識がない。

          海月の骨-02-

          海月の骨-01-

          愛や平和を謳っているこの街は、悪と正義が紙一重。 中身が見えなきゃ興味が湧かない。 理屈と仕組みはどうでも良くて、安心だらけの言葉でいい。 自分の功績や結果だけを見てくれと言わんばかりの自慢顔の裏には、一体何人の恩や情熱が積み重なっているんだろうか。 「皆様のおかげです」と発言する際の脳裏には、このあと食べる夜ご飯のことしか考えていないんじゃないだろうか。 人の人生を軽視してはいけない。わけでもない。 時間は平等に積み重なっていくため、濃度を薄めないように心がける。

          海月の骨-01-

          重ねる目蓋の境目と

          欲があるから後ろめたい。 息をする間は惜しみづらい。 相対的では落ち着かない。 軽度な安否が見えないせいで 君への意地だけ張ってしまう。 甲乙ばかりじゃ見分けがつかない。 敷かれたレールも乗り切れない。 身近な嘘にも本音は乗らない。 信憑性が大事だと言われる時代に逆らう。 経験値が問われる時代とすれ違う。 どうせ生きてる偶然と たまたま生きてる必然も 死にたい理由と重なって 生きちゃう自分が恥ずかしい。 湿気も彩度も気になれば。

          重ねる目蓋の境目と

          進退と踊り子

          誰でも眠れぬ夜がある。 見て見ぬ振りする時もある。 誤魔化す美徳が毒と化す。 綺麗事を上手く濾過できないから、去り際の台詞ばかり考えた。 あなたが思っているより四畳半は広い。 前方に酔いどれ。 深夜も路地も使い捨て。 ご機嫌を伺う水道水。 僕が思っているより街は循環している。 二日酔いで思い出す。 洗い物も眠気の一部。 雨の匂いに起こされる。 私はあんなにしてあげたのに。

          進退と踊り子

           酸欠と浮上

          必要である必要がない。 足りないくらいが丁度良い。 足して引いたり掛けて割ったり。 どこに焦点を合わせるかで視点や思考は変わってくるが、無理やり見せられたものや頭に張り付いて取りきれない記憶などは、焦点が合わずとも首を捻られてまで見せられている。 器用な脳になれないので、1つを考えると他が抜け落ちてしまう。 忘れてしまったことさえ忘れてしまう。 その代わり1つに対して集中力が上がる。 集中するものはしょうもないものばかり 掃除中は読書が捗り、読書中はSNSをずっと見てし

           酸欠と浮上

          息止まり

          自分がどの立ち位置で、どこに向かって、何を目指しているのか、それが理解できないうちは、とても豊かな人生を歩んでいる瞬間なのだろう。 何が自分のあるべき姿か。 知らない方が幸せな物事を知らないうちは、幸せではないのかもしれない。 距離に限らず心拍数は上がる。 距離に限って気分も上がる。 態度を気にせず自分を保つ。 態度を気にして相手が見れぬ。 数え切れない眠れぬ夜と 数え切れちゃう浅瀬の熟睡 疑う気持ちが絶えないうちは 自分も相手も心が消えて 信じる気持ちが絶えそうなら

          ゆらゆら由来の深い底

          古本喫茶シンカイ書房の由来についてよく聞かれる。 「喫茶シンカイ」と略してくれるのが呼びやすいし覚えられやすいけど、88%程度の人がシンカイのイントネーションを、万代や安牌やダンカンや坦々などの発音で言ってくるが、深海・心配・引退などのイントネーションが正しい。 「シンカイ」の由来シンカイを片仮名にしたのはレトロでちょっとポップな印象が欲しかったのと、漢字で表記すると解釈が縛られてしまう気がして、自由度の高いカタカナを採用した。 「シンカイ」は深海・新開などの様々な解釈

          ゆらゆら由来の深い底

          記憶は褪せる。たまに思い出す。

          何日前に買った野菜なのか忘れた。 綺麗に結んだイヤホンを絡まらずに解けない。 包丁をスポンジで洗う時の緊張感。 少し多めに作るくらいが丁度いい。  雨の匂いがする。降っていないのに。 あんなこと言わなければ良かったと寝る前に思い出す。 知らない人の噂を知り合い同士で共有する。  休みの日に限ってしてしまう早起き。 自分の寝言が気になって他人と寝たくない。 手間暇をかけたご飯を五分で食べきる。 体に悪い食べ物が一番美味しいと言ってみる。

          記憶は褪せる。たまに思い出す。