中原中也「骨」/遥奈

◆時間旅行シリーズ◆
中原中也さんの「骨」を私なりの解釈で音楽と映像にしました。

「ホラホラ、これが僕の骨だ、」
この衝撃的な詩のはじまり方に多くの人が驚かれたのではないでしょうか。
自分で自分の骨を見ているかのような奇妙な詩ですが、どこか軽やかさがあり、それがまたより狂気を感じさせます。

人は、追い詰められた時、死にたくなる・死を選んでしまうといった事が、この頃よくありますが、
それに対して他人が頭ごなしに「そんな事を言ってはいけない・思ってはいけない」
と言うのもまた、悲しみの種を蒔くだけなのではないかなと思います。

そんな時に、この「骨」という詩を読んでみますと。

中也は自分の骨を見ている。
その骨を描写したり、生前の自らに思いを馳せてみたり、
浮遊する意識の中で、生と死の間を、彷徨う。

私の勝手な想像なのですが、もしかしたら中也さんは、
「詩」という、常識も意識も何もかもすべてが自由な世界で、
自分の弱ささえも許される言葉の景色の中で、
【死の疑似体験】をして心を遊ばせて、自らの精神を救済していたのではないでしょうか?
自分の中で「死」という概念から、癒しだけを持ち帰っていたのではないでしょうか。

「生きる」「生きてゆく」という事に
真剣に向き合った者だけが感じる事ができる「苦痛」。 その苦痛を解放する方法は死なずとも見つけられる、と、
現代の悲しみをも骨の髄まで癒し、ちからを与えてくれる、この「骨」という詩なのかもしれません。

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