中原中也「頑是ない歌」/遥奈

◆時間旅行シリーズ◆
中原中也さんの「頑是ない歌」を私なりの解釈で音楽と映像にしました。

中也さんの人生を調べてみると、それはそれは波瀾万丈な人生でした。
幼い頃に弟さんを亡くされ、ご自身がお若い頃には愛する人が一番の理解者であった親友の元へと去り、
詩人としての活動の中で孤独に苛まれ、苦しみながら、悲しみながら、迷いながら、生きた人生だったそうです。

しかし、そんな中也さんも結婚をし、子供を持ち、
この詩の中では、今までの自分の人生を懐かしみ、恋しく振り返っています。
そして、弱気な気持ちもありながら、それでもまだまだこれから、
家族のためにもがんばろうとする、前向きな気持ちが綴られています。

けれども中也さんは、病によって三十歳の若さでこの世を去ってしまいました。
さらに、この「頑是ない歌」が発表されたのは、中也さんが亡くなった翌年の事でした。
つまり、中也さんは、どんなに苦しくても悲しくても、自ら命を絶つ事などは考えにもなく、
その瞬間を全力で生き、詩にし続けた人生だったのだと思います。

そして、「頑是ない」とは「聞き分けのない」「無邪気な」といった意味だそうです。

きっといくつになっても、今感じているような不安や苦悩に苛まれて、
子どものようにつまずき転んだりするものなのかもしれません。
「けれど、それも生きているからこそだ」、と、
「死にたい」なんて一言も語らないこの詩が、
どんな事があっても生きてゆこうとする中也さんの姿勢が、
今日をなんとか生きている私たちを、励ましてくれます。

最後に、中也さんは、汽笛の音をきいたあの頃の心のまま、目には見えないけれど確かにそこにあるものを、
詩人として、ずっと追い求めていたのではないでしょうか。

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