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#10 論理的に考えて正しければ買いか?

意気消沈しつつも、一応今後の参考のためにも…いや良いと思えば購入するためにも仲介さんの案内する物件に向かうことにした。価格はいずれも4000万円台前半の2物件である。希望通りだった。エリアは第一希望ではなかったが、近くはあるので検討はしたい。

前回までの記事はこちらから

仲介業者からの提案1. 60㎡強、そこそこ好立地

車が向かったのは新幹線も停まる大きな駅。近くに降り立って建物と周りを見てると、旅行で地方都市のホテルに泊まりに行った時の感覚になった。確かに立地と建物の雰囲気は悪くない。マンションは立地というセオリーの下では間違ってない物件だとは思う。
が、60㎡強の3LDKは狭かった。まず主寝室は6畳と書いてあるのに、戸建の時に見た6畳より感覚さらに狭い。リフォーム途中で明かりが付いてないせいなのか、部屋の奥にある大きな柱が圧迫感を伝えるからなのか。
4畳の窓のない部屋も使えはするだろうけど…という感覚で総じて圧迫感はあるが、今の1LDKより断然広くて部屋が増えるのは確か。最低限の面積、我慢しながら暮らせるとは思うが…という感覚であった。通勤も1時間弱はかかるのに。
はその我慢と引き換えに得られる対価は何か…郊外や新幹線でのお出かけ自在の交通利便性と、徒歩圏にいろんな施設の揃った利便性。

前者は魅力的だが、後者についてはココでも書いた通り、私は我慢の対価としてにぎやかな街に住みたい訳では無かった。

ネットで価格をこっそり調べても、過去の履歴よりは一段高いがリフォーム込みなのを加味すれば違和感はないし、悪くは無いが…我慢と対価が私たちの希望とズレていた。

仲介業者からの提案2. 80㎡台前半、武蔵小杉の隣

事務所で最初に見せられた時、これはそこそこ気になった。武蔵小杉のお隣、徒歩15分近いとはいえ頻発するバスや自転車で直接武蔵小杉も行ける距離。地図見るとスーパーや小学校も近い。今まで見た住宅や坂道しかない駅遠とは訳が違うし、武蔵小杉なら色々揃ってるし、通勤もこの予算の中では全然短い乗車時間なのでまだ楽なほうなはず。水害リスクは気になるが等々力緑地も近くて、何より広々80㎡超のリフォーム済み!
3LDKだがリビングと1つ1つの居室が郊外2階建ての戸建てよりしっかり広いし、築20年弱とそこまで築古でもない。表面的に見た感じ、我慢と対価のバランスはぴったし取れてそうだった。
けれども実際に入って見ると、何故かしっくりこない。
最初に暗い雰囲気のエントランスとエレベーターで少し違和感を覚えながら長い廊下を歩いて行き、そして中を拝見したら「古い友達の家に入った臭い」と「新築らしい匂い」が入り混じったなんとも言えない感覚に、どんよりとした曇った空のように気分も浮かなくなってしまった。
とどめは「7畳あるのにベッドの置き方が分からない主寝室」図にするとこんな形である。

7畳あってもこの形だと家具をどれくらい置けるか想像がつかない。
広さの分だけ管理費・修繕積立金が上がるのも、これだと納得がいかなくなりそう。

雰囲気の悪さと希望の物件を見せてくれない仲介への不信感からフィーリングは合わないと感じたが…とはいえ今まで見た狭小物件のような利便を8割がた引き継ぎ、そして坂の上の戸建てと同程度のリビングに他の洋室は整った6畳。
利便と広さのバランスが上手く取れ始めてきた。論理的に考えればこれが正解かもしれない
同程度の予算でも大きな駅の近くの狭小物件で暮らしたり、坂道の上の戸建て選ぶよりは自分たちには利便と広さの塩梅が良いのは分かる。けど…なんかワクワクしない。この物件買って35年間頑張ってローン返してくださいね…て言われたらモヤモヤする。

そんな様子を察したのか、それともこれで決めて欲しいのか、仲介さんの様子がせわしない。

今日はこの物件で終わりで次の予定の時間も近いので、一旦解散にして周辺環境も見つつ歩いて移動したい。それからでないとこの場で判断は出来ないのだが…中々帰してくれない

公開されたばかりの物件ですが、この条件なので、もう申し込みが入っているかもしれません。確認します。」すかさず売主に慌てて電話をかける…中々確認がとれない様子がじれったい。

良かったです、まだ大丈夫でした。気になってるようでしたら、まずはすぐに事前審査をしませんか?
いや材料がまだ足りない。事前審査てそんなに簡単に後戻り出来る手続きなのか…?出せる数に限りがあったりして、業者や物件を今後選びにくくならないのか?分からないけど怖い。

私は大きな判断は即答せず、絶対に最低は一晩寝かす主義だ。それで取り逃がすことがあろうとも、後悔はしない。そう生きている

埒が明かないとみると駅まで車で送ってくれた。現地解散で歩きたかったので余計なお世話だったが、厚意を無下にすることもないか。、
けど駅まで着くと、また呼び止めて売主と連絡をし始めた。「価格交渉をしますので…
すぐに終わるかと思った私の判断が甘かった。一体何分待っただろうか…もう価格のことはどうでも良くなってきた。それより早く終わりたい。
出た結論は「100万円引きます
時給にしたら何百万円だろうが、それでも待たされた時間の割には小さく感じられた。

ようやく書類だけ持ち帰ることにして、帰してもらえた。途端にどっと疲れが襲ってきた。

今日はまだ長い。急いで食べて、早く次の予定に向かわなければ…
そして中古マンションの紹介を一回お願いするたび、またこんな思いをするのだろうか…家探しは大変だ。気が重くなってきた

後日談

一番目の物件は他の売り出しよりはリフォーム代のぶんは高かったが、値下げを見ることなくSUUMOからは消えた。出張や日々の買い物の多いDINKsや子1人家族ならきっと丁度よかったことだろうし、客観的に見ればこれも正解の一つだったろうと思う。

そして二番目の物件は結局当初から300万円も下げ、仲介手数料無料の業者さんまでSUUMOに現れてからようやく消えた。私には仲介手数料割引の提案など無かったが、成約すると仲介さんは売主からもいくばくか貰えたのだろうか?
ただその物件の売り出し履歴を見ていると、元々そんな浮いた値段でも無かったのに値下がったので、リフォーム代がチャラになったかのような格好に見えた。その価格で買えた人はお買い得だったかもしれない。
けれどもなんと無く感じる違和感というのは実は結構価格に影響するのだろうか…と考えさせられた。

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