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#14 灯台下暗し

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戸建ての夢をもう一度

さて住まい探しのエリア選定を振り返ってみる。

まずこの時の地図に書いた通り、まず東急線沿線は23区内は相場が高過ぎて届かなかった。

https://note.com/shinka_gloam/n/ne602caa31bf9

つぎに神奈川県に入って一見予算は届く場所もありそうだったが、2階建ての戸建は坂道が激しくて許容出来ないか予算が届かないかで中々戸建は厳しい戦いとなってしまった。

そして南の方にズラして活路を見いだしたが、不動産相場は安くても土地の坪単価はいかんせん高かったので、マンションは買えても2階建ての戸建は難しかった。それに平坦なエリアだと浸水リスクがつきものだった。
マンションの2階以上ならまだしも、一度浸かると内装はもちろん、建物も木材の腐食との戦いになる戸建はやはり怖いな…と多摩川の浸水のニュースを見ながら思った。

じゃあ、西にズレたならどうなるだろうか。例えば、僕の生まれ育ちと共に過ごした京王線とこれからも。
ただ昔を知るものとしてつくづく思うのが、京王線は最近あまり勢いがない
昔は特急が南隣の小田急の特別料金不要の列車より断然早くそして北隣のJRの中央特快をも凌駕したのに、今は後塵を拝していた。
そして朝はとにかく遅くてどれも各駅停車みたいな速度で走っている…
けどその反面、都心の近くの駅は準特急(※当時)が止まるようになり、便利さを増している。都心からあまり離れなければアリかもしれない

思い出の京王線

父と高尾山からその先の相模湖まで頑張って歩いたり、ジオラマと電車でGo!のある京王れーるランド(当時)でひたすら遊んだり、見知らぬお花のたくさん咲いてる植物園に行ったり…子供の頃は下り電車は非日常そして未知の世界に連れて行ってくれそうでワクワクしたものだった。

そして今その下り電車に乗った先にも、意外と近くに選べる住まいがたくさんあることに気づいた
なんと2階建てで土地がしっかり30坪40坪とある戸建て
そして横浜市で散々見て諦めた細道坂道だらけの立地ではなく、土砂災害も水害リスクもない平坦地

今の住まいから電車で10分15分下るだけで

一度きりの人生、色々なものを見てみたいから、せめて首都圏に居残るなら生まれ育ちとは違う沿線の世界を見ながら暮らしたい、と思いながら探していた。けどやっぱり生まれ育った沿線もまた中々に合理的な選択肢だったことに気づく。こっちも見てみよう。

マンションより戸建てのが選びやすい場所

気になったのは仙川やつつじヶ丘の駅遠エリア。徒歩10分圏内となると自分たちの予算では届きそうにないが、徒歩20分なら憧れの4LDKの戸建てが4000万円台から検討できる。新川崎だったら駅から離れても戸建ては3階建てが相場と決まっていたのに、ここは違うようだ。
一方で駅周辺のマンションは新築は売られているが完全に予算オーバーだし、中古物件は古さや駅から離れた…割に高い物件ばかりが並んでいる。
徒歩10分、築10年で3LDK4000万円ちょい…みたいな程よい選択肢が中々無い。新川崎エリアとは真逆で、マンションより戸建ての方が選びやすい特性を感じた

どうやらどの物件を見ても建ぺい率・容積率が40%・80%や50%・100%などと厳しく制限されているので、縦長の戸建ては建てられないことが関係してそうに見える。毎日歩くのは大変かもしれないが、平坦地なので自転車とも併用すれば暮らして行けるだろうか。

街のほどよさ

仙川もつつじヶ丘も区間急行/急行の停車駅で、駅も決して寂しくない。
昔は特急準特急が使えない上に急行や区間急行も使いにくくて結構時間距離を感じたが、数年前に手前の千歳烏山に準特急が止まって乗り継げるようになってからは、みちがえるように都心に行きやすくなった。

特に仙川はカルディや伊勢丹からホームセンターやスーパー銭湯まで都市型も郊外型も程よく揃ってるバランス感がとても良いし、つつじヶ丘も日々の生活に必要な一通りのものは揃っている。
しかも城南民御用達のスーパーことオオゼキが駅前に鎮座している。母も妻も下北沢まで時々通って買い物に行ってたのを思い出す。

横浜市より同じ予算でいいものに巡り会えるけど…

早速今までとは別の仲介業者にお願いして、SUUMOで気になった物件をリクエストした。今まで中々リクエストした物件を紹介してくれなかった身としては、まず最初にリクエストした物件を本当に見せてくれただけでもテンションが上がる。

長期優良住宅、今まで手に届くものとは思ってない響きだった。耐震等級は3で、今まで見た建売より内装にセンスを感じるし、窓から緑を眺められて、広く感じるリビング。実際に天井高を測ってみたら、標準より高く2.5mを超えていた。
駅から遠いとはいえ、前面の道は狭苦しくなく、擁壁や坂道に苦しむことのない立地。平凡だけど、平穏に幸せな家庭を築けそうな場所。そんなイメージを持った。

ただやっぱり地図を見ると住宅街が広範に広がっているので、スーパーの遠さ・少なさなどは少し気になってきた。妻も「この立地なら車欲しいかも」と…

気に入った新築マンションより少し価格は安いとはいえ、管理費もかからないとはいえ…
都心の近くの狭いマンションで育った私にとって、広い戸建てに加えて車を持った時の光熱費と維持費は想像がつかなくてこの点は気が引けてしまった。

ついでに近くの物件を紹介いただいたところでも、やはり駅徒歩10〜15分以内とか商業施設の近い立地というわけには行かず、やはり4000万円台で車いらずの戸建てというのは夢物語だったのだろうか…と諦めかけていた

最後の砦

仙川・つつじヶ丘エリアを後にして、仲介の方の提案をもとに車は北へと向かう。京王線を離れて中央線を超え、西武新宿線の田無へと向かった。沿線は違うけど、東京の西側であまり気取った感じがしないので似た者同士という感じがする。
今度は駅徒歩13分、田無駅は西武新宿線の主要駅で色々揃っていそうだし、駅の道の途中にはスーパーもあり、もちろん2階建ての4LDK、整形地でまだ建物は建ってないのでカスタムも効くとのことで、ここなら車が無くてもまだ暮らせそうである。それでいて4000万円台のそれも前半…合理的に考えたらもうここである。

しかし、またここでフィーリングが邪魔をし始める。
資産価値を考えれば整形地が良いのはわかるが、参考間取りを見ていると少し土地の幅が狭いのでLDKが縦長になっている。広々として良いなと思ったさっきの物件はよく見ると横長…さっきの広さは旗竿地のぶん、旗竿以外は正方形に近かったお陰だったのだろうか?それとも住宅に囲まれず、緑地に接したお陰なのだろうか?と悩み始めた。
そして妻は「なんか埼玉ぽいのは嫌だ」と。

合理的に考えて進めるべきか、やっぱりさっきの京王線沿線の物件で決めるか、もう少し気になったエリアで出物を待つか、もう少し他のエリアを探索してみるか、それとも気に入った新川崎エリアの新築マンションに申し込みをかけるか

…ここから大いに悩むことになる。


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