突き刺され、我が言葉。
性描写があります。
苦手な方は読まないで下さい。
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素敵な作家の方が、何かのエッセイで「キスをするときは唇の力が抜けていると気持ちいい。」と書いていた。
キスする時に唇の力を抜こう!とお互いに思っても逆にこわばってしまうことがある。
人間の体はそのくらいには不自由だ。
マシュマロがつぶれないように、そっと口付けする気持ちでいると、上手くいく。
身体感覚は、上手な比喩で伝えられると上手くできることがある。
それだけでなく、キスをするシチュエーションの前に、相手に心を許せているか、とても大切だ。
自分の口臭が気にならないか、とか。
そんなことも。
以上のことは、キスで舌を触れ合わせる時にも当てはまる。
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また、別のエッセイストは、「セックスのときは体がくっついている面が多いと気持ちいい。
肌が触れ合うのって気持ちが良いからだ。」と述べていた。
これら2人の述べたような知識は、ネットで「セックス 気持ちよくなる方法」として調べても、見た事がない。
どちらかというと、「派手なランジェリーをつけて彼を誘惑」とか、「こんな手マ○で彼女をいかせよう」という過激な言葉の羅列が並ぶ。
そしてその後に「ランジェリーの購入はこちらのリンクから!」というアフィリエイトの広告も。
でも、本当の気持ちよさってもう少し穏やかなものだと思うんです。
別のnoteでも書いたみたいに、大学生になっで童貞が恥ずかしくて、Twitterの仲が良かったフォロワーに「セックスさせて下さい」と頼み込んだ僕が、そんな丁寧さとか語る資格もない気がするけれど。
「楽しい本 おすすめ」と調べても本当に心にブッ刺さる本は出てこない。
誰かのおすすめランキングが出てくるだけだ。
あと、アフィリエイトの購入リンクも(以下略)。
心から感動して共感する言葉は、世界の何処かにある。
陰謀論と違って、隠されてもいない。
書店の埃を被った棚かもしれないし、大学で出会った夜通し語れる友人の口からかもしれない。
でも、Google検索で出会うことだけはできないんだ。
死にたくなった時ほど、お手軽に幸せになりたくて。
お薬の処方箋みたいにネットで名言集を検索しまくるし、急に自分を助けてくれる白馬の王子様を求めてしまう。
「親方!空から女の子が!」みたいなドラマチックな出会いを求めてしまう。
でも、救われる言葉は、たぶんGoogle検索にも、ネットの出会いにも無い。
自分で見つけるしかない。
そんな言葉に出会いたくて、僕は本を読んでいる。
大学で誰かに話しかけて、そのうちのほんの数人だけだけど、話している時に涙ぐむような瞬間があった。
そんな言葉に出会うために本を読み、語り合った時に自分の言葉を紡げるように考え続けている。
読書や語り合うことをとおして、溜まっていった言葉が、口から溢れたときに、文章に残している。
いつか、自分を救ってくれた言葉みたいに、自分の書いた言葉も誰かの胸にそっと受け止められるといいなと思って。
100回中100回とも、ホームランを打たなくてもいい。
ゴッホでもアインシュタインでも、優れた発明をする時期は、同時に最も駄作も生み出した時期だった。
打席に立って、100本の文章を書いて、そのうちの1本が誰かの胸に突き刺され、と思っています。
30歳までにそんな文書を溜めて、本を出したいと思っています。
以上、お相手は、だめ大学生でした。
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