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頭のいい人は常に仮説を立てて生きている

『頭のいい人が話す前に考えていること』に出てきた、「頭のいい人は常に仮説を立てて考えている」という一節が印象的だった。

ある先輩を思い出した。
就職した後に30代の前半で起業した先輩だ。

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食事に招かれた渋谷ヒカリエ11階のレストランで5分話しただけで、彼の今まで会った中で指折りに優秀でチャーミングな性格の虜になっていた。

彼がアイドルかホストをやっていたら、きっと死ぬまで貢いでいたかもしれない。あぶなかった。

記憶を反芻してみると、彼の優秀さの息吹を感じるのは息をするように仮説を立てて生きている思考の癖にありそうだ。

立てた仮説は、読書や人との対話や、自分の人生で検証し続けて、高速でPDCAサイクルを回しながら生きているのだということも。

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後日、彼の同期から、彼について聞いた。

彼は大学4年生の時に、誰もが知る大手企業に複数内定したそうだ。

ゼミの飲み会で周囲が就活が終わって同期が浮かれているなか、彼は「同じ会社で昇進した場合の10年後」「転職した場合の10年後」「働きながらMBAを取得した場合」など、今後5年で取るべき選択肢について真剣に悩んでいたそうだ。

思えば10年前から、他の人とは立てている仮説の数も、悩みの次元も違った、と彼の同期は言う。

10年後、彼は気がついたらゼミの同期が会えないほど遠くに行っていた。
物理的にも、心理的にも。

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ゼミの飲み会で彼を紹介してくれた教授は、隣の席にいる僕に囁いた。

「この大学で主席になったくらいで浮かれてはいけない。勉強は人生を楽しむためにやるものだ。人生を楽しむためには、人生を楽しんでいそうな人とたくさん会うといい。いい文章を書くためには、いい文章をたくさん読むのが必要なように。

ときどき思い出す。
僕は、今も教授や彼と数年後に対等に会えるように走り続けられているのだろうかと。

そういえば今宵はクリスマスイブですね。
メリークリスマス。
読んでくれた全ての人が、素敵な夜を過ごせますように。

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