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心の余白

バッファは大切だ。
バッファとは余白のことを表す。

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例えば、心の余白。
限界までキリキリと生きていると、
少し予想外のトラブルに襲われた時に最後の糸がぷつんと切れる。
そのまま恋人に八つ当たりしてしまって、万が一それがきっかけで疎遠になったらめちゃくちゃ後悔するだろう。
だからこそ、心に余白は大切だ。

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ところで、心に余裕がない時って
普段しっかりしていて、根が真面目な人ほど
見知らぬ他人には気持ちを押さえ込むのが上手い。

間違ってもぶつかりおじさんみたいに、
八つ当たりで歩いている見知らぬ弱そうな人に体当たりしたりしない。

でも、だからこそ、
心の限界を迎えた時に、恋人とか、大切な人に当たりがちな気がする。
周りの真面目だけれど、どこか弱さを抱えた人たちを見ていて、ふと思った。

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バッファ(余白)の話に戻ろう。
余白は時間に限らない。
お金もそうだ。

給与の3ヶ月分の貯金を持とうなどの言説がそれに当たる。
お金がないと、心の余裕が減る。

あとは、セックスもそうだろう。
これは男の子だけなのかもしれないけれど。

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あるエッセイで
「イライラしている人は、お腹が空いている。
もしくは銀行口座の残高がカードの引き落としより少ない。
それか、最近心を許せる気持ちいいセックスをしていない。
これら全てが満たされていて、まだ人に八つ当たりできる人は少ない。
そう考えたら、イライラしている人は、性格が悪いのではなく、社会資本に恵まれなかった人だろう」と綴っていた。

残酷なことを書くなあ、と思った。
もう少し掘り下げて、マイケル・サンデルは
「精神的な余裕と、社会的な地位は連動する」という手札の発言をしていたように思う。

正確に言うと、「社会的な地位に恵まれていると、そうでない場合に比べて、精神的な余裕を遥かに得やすい」。

この議論は、エッセンシャル・ワーカーが社会的に弱者になりやすい論説で引用されがちだ。

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とは言っても、例外的に
バッファ(予備)を持たない方が幸せなこともある。

恋愛がそうだ。
1人の人を心から大切にしている人は幸せそうだ。

一方で、キープや、セフレなど代わりが沢山いる人ほど不幸そうだ。
経済学的に見たら、キープがいる人は「保険」を持っていると考慮されそうだけれど、実際は真逆だ。

おそらく、代わりがいる人は、「自分も代替される可能性がある」という恐れが付き纏うからだろう。

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恋愛では心から好きになった人とだけ付き合おうと決めている。

恋人や友人は、一緒に濃密な時間を過ごすからこそ、妥協せずに「この人みたいな要素が自分にも移ったら嬉しいな」と思う人とだけ付き合うとめちゃくちゃ幸せだ。

楽しかった帰り道に、幸せだった夜に
いつもありがとう、とふわふわと焼きたてのパンを渡されたみたいに幸せな気持ちになる。

いつもありがとう。


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