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桜が咲く頃に会った、好きで好きで堪らなかった女の子

失恋譚 第一編

渋谷の音楽系のクラブでバーテンダーをしています。
一夜限りの、永遠に会わない誰かの失恋を打ち明けられることがあります。
そんな失恋譚のうち、どうしても忘れられないものを文字に綴りました。

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桜が咲く頃に会った、好きで好きで堪らなかった女の子に、体だけ求めていると思われたくなくて、美術館とか映画とか出かけるたびにデートプランを提案して一緒に行っていたら雪が降る頃にフラれたことがある。セフレだと思っていたのに、恋人みたいなことに付き合わされる時間が面倒くさかった、とブロックされる前の最後にきたLINE。3年経ったいまでも、たまに思い出して群青の感情が胸をおおって、枕に顔を押し付けて叫びたくなる。どうしたら良かったんだろうね。俺は好きだったし、付き合いたかったし、セフレだと思ってなかったんだ。ごめんね。

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