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先日、憧れだった大好きな先輩が結婚したと聞いた。結婚招待状には、欠席に丸を付けた。

恋人に求めるのは顔か性格かと言う議論を聞くたびに「私、わがままだから顔も性格も100回くらいセックスしても飽きなさそうなほど夢中になる人としか付き合ったことないの」という、どちゃくそ美人だった気だるげなサークルの先輩の横顔を思い出す。大学一年生のときに見る四年生はとても大人に見えた。

その頃は、あの子夜職やってるんだってという他の先輩のヒソヒソした噂話も、ただの嫉妬だと思うほどに断トツでその先輩が綺麗だと盲信してたし、卒業式の日に総代として出席する着物姿は死ぬほどかっこよかった。たぶんその後、僕が慣れないながらもバーテンダーなんてやったのは先輩への憧れがあったのだと思う。

先日、結婚したと聞いた。結婚招待状には、欠席に丸を付けた。大学に入って初恋の人だったから、幸せを祝いたくなかったという子供っぽい理由だった。卒業式で先輩の座っていた成績優秀者の席には、四年越しに座ったよ。僕は総代ではなくて、次席だったけど。追いつけなかったし、結局振り向いてもらえなかったけど。

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