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社会人とは、スマートで恋愛にも慣れていて頭を悩ませることなんてない生き物だと思っていた。
かっこいい大人になりたい、というぼやきです。
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性格が悪いけど大手商社でゴリゴリに稼いでいるしているOBの先輩は「資本主義社会で、大人になったのに、30秒くらいのエレベータートークで自分のことを面白い人だと思えるような自己紹介と週末のエピソードを更新し続けない人は、仕事ができない人だよ」と吐き捨てた。
正しいけれど優しくない。
しかし、彼は面接では大手総合商社を含めほぼ全勝し、仕事も順調に出世コースに乗っているようだ。
OB訪問した際にその先輩に強引にホテルに誘われたサークルの後輩は、「温度感とか、気が合うなっていう信頼関係ができてから初めて、心の柔らかい部分を見せられるし、そういう会話や経験を積み重ねた人を"大切な人"と呼びたいんです。恋人でも、親友でも、そんな人たちを大切にして生きていきたい」と悲しそうに話していた。
彼女は小学生の頃から読書感想文などで表彰され、非常に美しい文章を書く白いワンピースの似合う綺麗な女の子だった。
大学の小論文の試験も非常に優秀な評価を受けたと、入学してからゼミの教授が居酒屋でぽろっと話していたのが印象に残っている。
生意気だった僕は、僕の名前が上がることを期待して聞き耳を立てていたから。
それまで同じく文章系のコンテストでは賞をもらい続けてきた義務教育期間を過ごした僕は、教授にとってレポートのテーマすら覚えてもらっていなかったことにショックを受けた。
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話が逸れたが
資本主義でお金を稼いでそれなりにいい思いをしたいし、でも後輩みたいな心の柔らかい部分を見せ合える穏やかな優しさも見失いたくなくて、僕はどんなスタンスで人と話したり交流したりすればいいの分からなくなってしまうことが、ある。
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「この人のこと信用できないから、自分を曝け出すのはやめておこう」と心のシャッターを下ろした経験。
そんな相手のことを「自分の話をしてくれない、つまらない人だな」と勘違いして、それきりになってしまう断絶。
そんな加害者側にも、被害者側にも僕は立ったことがあるのだろう。意識しているものも、できていないものも。
性行為に同意が必要という法律が出た時に、Twitterでは意見をいう人が多かった。
「後から訴えられる可能性のある強引な性行為をするなんて、それ自体が非常に品のない誘い方をしている」と僕は思っているので、そんな論争を醒めた目で見ていた。
異性からは、先輩から強引に誘われて嫌だったと並の席で相談されたり、誘われていて断りにくいから彼氏のふりをして迎えに来てほしいというトイレからの連絡を受けることが何度かあった学生時代だった。
だから、自分が加害者になる可能性は低いとたかを括っていた。
しかし数回めのデートで手を繋いだあとに、数日後に次のデートを断られたことがある。
その時は傷ついたが、少し冷静になって、自分以上に、たぶん手を繋がれた時に彼女の中では思うところがあって、その場では言えなかったのだろうと、傷つけていただろう自分に気がついて愕然とした事がある。
まとまりがない話だけれど、欲望と、人を傷つけないことのバランスを取ることは簡単だと思っていた。でも、思ったより難しい。なんで、こんなことに悩む情けない社会人なのだろう。
僕は社会人とは、もっとスマートで恋愛にも慣れていて頭を悩ませることなんてないクールな生き物だと思っていた。自分が今年の4月に社会人になるまでは。
このままだとあと20年くらい後に、40歳になった時には、歳だけとった17歳くらいの精神年齢と変わらない僕にしかなれないのだろうか。
いやだなあ。かっこいい大人になりたいなあ。
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