見出し画像

今年出会えてよかった本 5冊〜2023年〜

こんにちは。桜小路いをりです。

今日の記事は、今年出会えてよかった本たちについて。

小説や新書など、合計5冊、ぜひ最後までお付き合いください。



住野よる『腹を割ったら血が出るだけさ』

今年のはじめにご紹介した、住野よるさんの小説。
ドキッとするタイトルで避けてしまうのはもったいない……! このタイトルに嫌悪感を懐いた方にこそ、手に取っていただきたいと思う作品です。

私の愛読書のひとつである『また、同じ夢を見ていた』と地続きの世界観になっていて、痛いほど切実なストーリーが胸に迫りました。

いつも人の目を気にしてしまう方や、「物語」に救われたり、虜にされた経験のある方、嫉妬に駆られるほどの憧れの存在がある方に、特におすすめしたいです。

なみあと『宝石吐きのおんなのこ 〜ちいさな宝石店のすこし不思議な日常〜』

宝石を吐き出してしまう体質の女の子と、その子が働く宝石店の店主の青年のお話。ちなみに、既にシリーズ10巻で完結しています。

実は、装丁のイラストに惹かれて1巻目だけ買って、ずっと積ん読していました。読み終えた後、「なんでもっと早く読まなかった……?」と3秒だけ自問自答してしまったほど。

緩急のあるドキドキのストーリー展開と、個性豊かな登場人物、臨場感のある文章がとても素敵。そして、主人公の「宝石吐きのおんなのこ」であるクリューちゃんがすごく可愛いです。
気軽に読めるラノベなので、年末年始の時間があるときにぜひ。

古賀史健『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

ここからは親書。少々とっつきにくい本と、読みやすい本と2冊あるので、まずは読みやすいほうから。

「文章を書くためのポイント」「文章を書くための技術」についての本を1冊だけ読むなら、私はこの本をおすすめします。
具体的な例を挙げて教えてくれるフレンドリーな本なので、さすが「20歳の自分に受けさせたい」というタイトルなだけあります。中高生さんにもおすすめ。

特に、「話せるのに書けない」というお悩みに軸を置いているので、「分かる!」という方はぜひ。「文章を書くって、こういうことだったんだ」と合点がいく1冊です。

今井むつみ・秋田喜美『言語の本質  ことばはどう生まれ、進化したか』

認知科学者と言語学者の2人の著者が、「ことばとは何か」という問いに挑む本です。
今年は人工知能をより身近に感じた年でもあり、改めて、「人間とは?」という私には大きすぎる問いに直面することになりました。この本は、そんなときにヒントを得たくて読んだ1冊。

この本では、「オノマトペ」から始まって、知性や言語の根源が深く掘り下げられています。
読んでいる最中、ずっと「日常の中で、何気なく通り過ぎていたもの、何気なく使っていたものに、こんな深いロマンが広がっていたのか……」と、思わず唸ってしまうほど。

難しい概念がいくつも出てきますが、丁寧な解説と分かりやすい例のお陰で、とても興味深い世界に触れることができました。

koto『いとエモし 超訳 日本の美しい文学』

最後は、日本の古典文学作品を「エモい」という視点で丁寧に紐解く1冊。

美しい装丁はまだ序の口、美麗なイラストと、古典作品を分かりやすく繊細に訳した文章が、とてもとても素敵です。

1ページ目から順番に読むというよりも、寝る前などにぱっと開いたページをゆっくり味わうのが楽しそう。

古典作品が読み継がれている所以は、きっと、読むたびに新たな解釈が生まれるからなんだろうな、と思います。
古典がお好きな方にも、少し苦手意識を感じている方にもおすすめな本です。

まとめ

今年はマンガにハマったので、その分、ストーリーを楽しむ小説は少なめで、実用書や新書を多く読んだ1年でした。

ちなみに、私はこの年末年始で宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証』シリーズを読む予定です。
読了したら、またnoteでご紹介したいと思います。

皆さんの年末年始は、どんな本を「おとも」にする予定ですか?

読書会のような気持ちで、ぜひこの記事にコメントしていただけたら嬉しいです。

今回お借りした見出し画像は、くすみカラーがかわいらしい本のイラストです。この優しい空気感が素敵で、即決でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。