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SixTONES「共鳴」は、6人のこれまでをつめこんだ珠玉の1曲【歌詞考察】

こんにちは。桜小路いをりです。

大変お待たせいたしました……!
SixTONESの6thシングル表題曲「 共鳴 」について、私が思ったこと、歌詞の考察を書いていきます。

「好き」が爆発している記事になりそうですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

「共鳴」は、アニメ「半妖の夜叉姫」のオープニングテーマ。アニメとリンクする歌詞もあり、「半妖の夜叉姫」の世界観とSixTONESの世界観が化学反応を起こした1曲になっています。

なお、歌詞の中には、SixTONESのスタンス、SixTONESの過去に重なる言葉が随所に散りばめられています。今回は、「SixTONES ver.」で考察していきますので、ご了承ください。


Now it's time to unite, let's shout!

Hey, This is a song to get me the power
Can you hear the roaring of our soul, huh?
We don’t have time to hesitate, right?
Okay, let’s get started!

今こそ繋がる時だ、叫ぼう!
この歌は俺に力を与えてくれる
俺たちの魂の叫びが聞こえるか?
躊躇っている暇なんてないぜ、そうだろう?
さあ、開演だ!

「let’s get started!」は「さあ、始めよう!」でもいいかな、と思ったのですが、この後に出てくる「舞台」「戯曲」「座組」という言葉から「演劇」のイメージが強かったので、「開演だ!」と訳してみました。

英語詞だと言葉に膨らみがあるので、色々な意味にとることができて面白いです。

天変の地異 不可抗力の荒野
暗転の舞台 切っ掛けは誰の声だ?
僕らには僕らの戯曲が
あるはずだろう いざ明転
この座組なら昂然

「僕らの戯曲(ものがたり)」という表現が、すごく印象的でした。

「戯曲」は、舞台などの脚本や、台本の形式で書かれた文学作品のことを指します。台詞も演出も、全て「僕ら」が考え、「僕ら」が演じる、という意志が見えるような歌詞です。

「座組」とは、ここでは「出演者」という意味だと推測しています。

「昂然」は、自信に満ちて誇らしげな様子を示すので、この場面は舞台の幕が上がる瞬間、誇らしくもどこか緊張感を含んだ様子を描写しているのだと思います。

Don' t worry, even if you' re down
Our ties are always in here…

落ち込んでも心配するな
俺たちの絆はいつでもここにある

「ties」ってネクタイのことかと思ったのですが、調べたら「絆」という意味がありました。

これはSixTONESのメンバー同士の「絆」だと思うのですが、メンバーとスト担さんの「絆」、もっと言えば「team SixTONESの絆」のようにも捉えられます。
この歌詞は演劇のイメージが強いですが、私はSixTONESのコンサートの様子を連想しました。

賽を奪われた世界
奈落の淵で
轟かす共鳴

「賽」はサイコロのことです。サイコロは、目が1~6まで。隠れミッキーならぬ「隠れ6」という感じでしょうか。

「賽は投げられた」という言葉ならば、「運命に向かって事が進み始めたので、後退できない」という意味ですが、ここでは「賽を奪われた」。
すなわち、「自らサイコロを投げて運命を決めることすら許されない」という意味ではないでしょうか。

また、「奈落の淵」という言葉からも、生きるか死ぬか、崖っぷちにいることが伺えます。

その状況を、打破する手段。それが、「共鳴すること」です。

ギリギリに立ってんだって分かってるのに
それでも選んでしまった夢と誇り
どれが運命で なにが賢明なんだ?
間違い擦れ違いさえも含んだ誓い 噫

「ギリギリに立ってんだ」というのは、先ほどの「奈落の淵」というフレーズとも繋がります。
文字通り生き残れるかどうかの瀬戸際に立たされている中で、自分たちはどうするべきか。

もしかしたら、何もかも諦めてしまうことが「賢明」な判断かもしれません。

それでも、彼らが選んだのは、「夢と誇り」。
「夢と誇り」を追い続けることは、自分たちにとって運命なんだ。そんな「業」とも言える決意が歌われています。

時に「間違い」、時に「擦れ違い」、それでも仲間たちと「誓い」合ったのは、「夢と誇りのために闘い抜くこと」だったのかもしれません。

個人的には、ここの「噫」というフレーズに、苦しさも葛藤も全部が内包されているような気がします。絶叫とも、溜め息ともとれる表現ではないでしょうか。

代わりなんていない 僕ら
静寂を切り裂く矢の如く
“今”を生き抜くだけ

「代わりなんていない 僕ら」のところでSixTONESが自分の胸に手を当てる振付、私はとても好きです。「その通り!」と思います。

「静寂」を「凡庸で平坦な状態」と捉えれば、それを「切り裂く」というのは「風穴を開ける」という意味にもとれると思います。

そして、「“今”を生き抜くだけ」って、シンプルだけれど鋼のような強い意志を感じるフレーズです。

結局のところ、「今」を地道に積み重ねて生きていくことしか、前に進む術はない。そんなことに、改めて気づかされます。

頂上の地位 くれてやったっていいわ
存在意義 奪ってみなさいな
僕らには僕らにしか出せない共鳴で
傀儡な俗世を踊るわ

「頂上(てっぺん)の地位 くれてやったっていいわ」という歌詞を森本さんが歌うことの深さと感動が、もう……泣きそうになります。(歌詞考察、まだ半分いってないです)
また「存在意義 奪ってみなさいな」という歌詞も、どこか挑発めいた雰囲気があります。

このふたつの歌詞で、暗に「一度は頂点から転落しても、自分たちの存在意義はなくならない」という意志も感じます。

「傀儡(くぐつ)」は、「操り人形」を指しているので、「傀儡な俗世」というのは、自分の意志ではなく、誰かに操られされるがままに流されていく世の中、ということではないでしょうか。

「僕らにしか出せない共鳴(おと)」と言っていることから、そんな「傀儡な俗世」を自分たちだけで踊り、生き抜いていく決意を表しているのだと思います。

Hey bro, We don't need to slow down
I don't care what other people think

なあ、みんな、俺たちはスピードを落とさずに進んでいこうぜ
俺は他の奴らがどう思うかなんて気にしない

「bro」は「仲間」。
最初の部分を直訳すると「スピードを落とす必要なんてない」という意味になります。

ここでも、誰がなんと言おうと自分たちの道を行く、という決意が見えます。(カッコいいですね……うん)

順路は違えど魁
轍を作れ
未来への証明

「魁(さきがけ)」は、「他の者の先を行く者」という意味だそうです。
「順路は違えど」って、髙地さんが歌うと「うんうん……泣」となります……。

また、「轍(わだち)」は車輪の跡のこと。比喩的に「先例」という意味で使われます。

ジャニーズとしての『邪道』を進み続け、それらを『王道』に変えていく、ジャニーズとしての新しい道を切り拓いていくSixTONESにぴったりの歌詞です。まさしく、「未来への証明」。

ギリギリに立ってんだって分かってるのに
嫌でも浮かんでしまった理想の先
どれが正論で なにが現実なんだ?
賛成も反対すらも関係ない 噫

ここの歌詞は、初めて聴いた時に泣きそうになりました。
「理想の先」や「夢の先」って、SixTONESがよく歌うフレーズではあるのですが、こんなに切実に胸に迫ってきたのは、恐らく初めてでした。

「嫌でも浮かんでしまった」という歌詞から、現状は「夢(=デビュー)」を追いかけるだけで必死なのに、その先にどんな景色があるのか知りたくなってしまった、というニュアンスが感じられます。

「賛成も反対すらも関係ない」という言葉は、先ほどの「他人がどう思うかなんて気にしない」というフレーズにも繋がります。

光の見えない今日が
僕らを集わせたんだろう
ただ微笑むだけ……
帳を捨て去って

この「今日」が、いったいいつのことを指すのか。
私は、当時バカレア組と呼ばれていた6人が、ジャニーさんに「6人でやりたい」と直談判した日ではないかと思います。

「ただ微笑むだけ……」というフレーズは、葛藤や苦しみを全て過去のものにして、先が見えなくても気丈に歩んでいく、という意味なのではないでしょうか。

「帳(とばり)」は、几帳やカーテンなどのこと。この帳は、何と何を隔てていたものなのでしょうか。もしかしたら、一緒に活動をしていながらグループ名のなかった6人を隔てていた何かなのかもしれません。

Oh I don't know why
どんな苦悩だって 毅然としていられる
……孤独じゃないってだけで

ここのパート、きょもほく(京本大我×松村北斗)なんです。

「どんな苦悩だって 毅然としていられる」って、きょもが歌うとぐっときちゃいます……。
ここのパートの時に、MVでは、少し明るい表情になったメンバーの顔が映るのも大好きです。

そして、「孤独じゃないってだけで」と北斗さんが歌うのも、ソニーさん、泣かせにきてますか……? ここの振付も、北斗さんひとりが他の5人から少し離れて、全員がその隣で一列になって、隣の樹さんに出した手からジェシーに繋がっていく感じが……もうカッコいいです。

焦燥抱いて競争?
よしましょう 然様なら。
役者は揃ってる

ジェシー無双パートです、はい。
「然様なら。」と句点がついた表記も、どこか突き放すような、「ピリオドを打つ」ような印象があります。

そして、「役者は揃ってる」で小指を立てて「6」の仕草をするところは、スト担さんの歓喜ポイントではないでしょうか……。

正気じゃないかもしれない
けど どこにいたって
笑ってはいたいから
Shut up, Can I get out?
絆深けりゃ 傷は浅いから What?

爆モテじゅったん発動パートです、はい。

「絆深けりゃ傷は浅いから」というフレーズ、私はすごく好きです。

そして、「What?」で樹さんが出した手にジェシーがタッチするところ……「J2~!」ってなります。カッコいいです。間違いなく最強のふたり。
目を合わせないところも、「何も言わなくても背中を預け合える絆」という感じがして素敵です。

まるで異世界 どこまででも
轟かす共鳴 噫

ここの「轟かす共鳴」のパートが森本さんになっているところも、すごく好きです。
森本さんは、いわゆる「キャラメルボイス」とよく呼ばれていて、甘い印象が強いのですが、芯が一本通っていてすごく胸に迫る声だと思います。真っ直ぐでどこまでも伸びていくような感じが、この歌詞にぴったりです。

そして、「噫」で感情をぶつけるように叫ぶところも、思い切りがなる感じもカッコいい。

ギリギリに立ってんだって分かってるのに
それでも選んでしまった夢と誇り
どれが運命で なにが賢明なんだ?
間違い擦れ違いさえも含んだ誓い 噫

ラスサビです。
最初のサビでは、まさに葛藤の最中、「崖っぷちにいるこんな状況でも、俺は夢と誇りを選んでしまった」という印象でしたが、ラスサビでは「あの時選んでしまった(選ばずにはいられなかった)夢と誇りを、今もなお追いかけている」という印象になっている気がします。

夢と誇りを追いかける最中には、仲間たちとの「擦れ違い」もあって、「間違い」を選んでしまうこともあったかもしれません。
でも、そんな険しい道のりを、あの日の「誓い」で繋がり合った仲間と走り抜いている。
そんなイメージが浮かんできました。

代わりなんていない 僕ら
静寂を切り裂く矢の如く
“今”を生き抜くだけ
謹言。

「謹言」は、読んで字のごとく「謹んで申し上げること」。調べたところ、主に手紙などの最後に書き添えるものだそうです。

この歌詞には句点がついているので、もしかしたら書き言葉である「謹言」を、あえて口に出して言っているのかもしれません。

「なぜ『謹言。』なのか」と考えていた時、曲の最後に気になる部分が。
少し咳払いのような声といいますか、音が入っているんです。(ジェシーかな……たぶん)

咳払いをするのってどんな時だろう、と考えると、私がいちばんに浮かんだのは「何かを誤魔化す時」でした。

ここからは完全な妄想なのですが、「代わりなんていない~“今”を生き抜くだけ」の部分は、誰かに申し上げていることなのではないでしょうか。相手が目上の人なのか、それとも自分たちと同じ立場、はたまた目下の立場の人なのかは分かりません。

相手にそう告げた時、どんな表情をされたのか。もしかしたら、「そんな馬鹿なこと」と一笑に付されたかもしれません。あるいは、その心意気に「よくぞ言った」と感激されたかもしれません。

前者ならば、この曲の主人公たちには、「誇り」があり「絆」があり、「誰の意見も気にしない」という強いスタンスがありますから、「まあ、分からないならそれでいい」と思うのではないでしょうか。慇懃に「謹言。(=全ては若輩者の戯れ言です)」と言い添え、それを咳払いで誤魔化す。きっと、悔しさも嘲笑したい気持ちも全てを呑み込んだ結果が「咳払い」になったのだと思います。

逆に後者ならば、この曲の主人公たちにとっては、そのリアクションは何よりも嬉しいものだと思います。その嬉しさは、もしかしたら笑みとして零れてしまうかもしれないし、あるいは、自分たちが歩んできた険しい道のりが思い返され、涙になるかもしれない。そんな時に「謹言。(=まだまだ未熟な自分たちの言葉です)」と告げたのではないでしょうか。暗に、「必ずもっと大きくなります」と言っているようにも思えます。咳払いは、心の震えを隠すための精一杯の虚勢なのかもしれません。

ちょっと話が逸れてしまいましたが、そもそも「共鳴」の本来の意味って何ぞや、と思い、改めて調べてみました。

「共鳴」は物理用語で「同じ振動数のふたつの音叉があった時、一方を鳴らすと、何もしていないもう一方の音叉も鳴る」という現象です。
また、「共感」という意味でも使われます。

つまり、「共鳴」はSixTONESが奏でる音色が、その声が、多くの人に伝わっていく、ということではないでしょうか。

これまでのSixTONESの生き様と、これからのSixTONESの決意が詰まった、まさに「‘’6‘’thシングル」に相応しい1曲です。


約6000文字、長々と書いていきましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事を書いている時は、ニヤニヤしたり泣きそうになったり、終始感情が大忙しでした……。

いつもよりテンション高めだったと思うのですが、この記事で、SixTONESの魅力が多くの方に伝われば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。